はお
……
はお
…寒いな
なんて馬鹿なことしたんだろう
行くあてもないのに出て行くなんて
はお
……これが正解かなぁ
俺にはゆじなしか居ない
信じられるのも
ずっとそばに居てくれるのも
大好きなのも
ゆじなだけだった
離れて欲しくなくて、離れられないように傷つけた
どんな手を使ってでも
自分だけのものにしていたかった
はお
……
はお
それももう、終わりだ
『いらない子』
『他に好きな人ができた』
『友達じゃない』
『貴方の代わりはいくらでもいる』
はお
……っ、
俺はいらない子だから
必要ない子だから
誰かに俺しかいないって言ってほしかった
ゆじなが居なくなったら
俺が生きてる意味なんてない
はお
………
はんびん
おかしいよ、ゆじな
ゆじん
……分かってる
ゆじん
でも
ゆじん
はおひょんには僕しかいない
はんびん
だからって…
ゆじん
ほんとに、誰もいないんだ
はんびん
え…?
ゆじん
親もいない
ゆじん
信じられる人が
ゆじん
誰もいないんだよ
はんびん
……だから
はんびん
自分が犠牲になってでもそばにいるの?
はんびん
傷ついてまで一緒にいたいの?
ゆじん
……
ゆじん
ずっとはおひょんには僕じゃなきゃ
ゆじん
僕が居ないと、って思ってたけど
ゆじん
それは僕のほうだった
はんびん
……え…
ゆじん
僕にはおひょんが居ないとだめなんだ
ゆじん
そばにいて欲しかったのは
ゆじん
僕のほうだった
ずっと近くにいたから
今更離れるなんて無理なんだ
どうしても、はおひょんがいい
はんびん
……
なんで
たくさん傷ついたのに
辛そうだったのに
なんであの人がいいの?
はんびん
……それでいいの…?
ゆじん
……うん
ゆじん
僕がそうしたいの
はんびん
………そっか
どんなに俺がゆじなを思っても
あの人に勝てない
ゆじなに暗い顔させて、辛い思いばっかりさせてたあんな奴に
負けるんだ
なんで俺じゃなきゃだめなの
ゆじん
たくさん心配かけてごめんね
はんびん
……ううん
はんびん
ゆじながそうしたいって思うなら
はんびん
…俺は応援するから
ゆじん
…うん
ゆじん
ありがと、ひょん
はんびん
……
心の底から応援できないから
素直に見届けられないから
選ばれなかったのかな
だから、俺じゃダメだったのかな