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こんにちは!

全然、遅くなりませんでした…

嘘つきました、すみません…

思ったよりハートが多く貰えて嬉しかったです!

50個くらい貰えればいいかな?と思っていたので…

話しはこれくらいにして

本編へどうぞ!

俺が初めて大公邸に行った日

彼は救いようのない時を 過ごしていた──

メイド

ガクガク(震える音)

メイド

あの…

メイド

お召し物をお持ちしました

メイド

糸師様

…(部屋の真ん中で立っている)

ジロッ

メイド

ヒッ

置いていけ

メイド

は、はい!

メイド

タッタッタッ

彼を見た者は皆、おぞましい怪物でも見たかのように逃げていき

新しく来た使用人達は二度と彼の部屋に足を踏み入れることはなかった

親切なおばさん

ちょっと!

親切なおばさん

しっかりして!

親切なおじさん

お若い方!

親切なおじさん

目を覚ますんじゃ!

うっ…

(ここは…)

親切なおじさん

気がついたか!

親切なおじさん

あぁよかった

親切なおじさん

服が血だらけだから、もう助からないかと思ったよ

(…ここはどこだ?)

親切なおばさん

見るからにどこかの家門の若様のようだけど、大丈夫かい?

(若様?)

ズキッ

ううっ…

ありがとうございました

あの…すみませんが携帯をお借りできますか?

親切なおばさん

親切なおばさん

ケー…?

親切なおばさん

何かしらそれ?

え…?

ズキッ

ううッ

あ…

転生した時に一番 最初に思い浮かんだ記憶が

【原作のエンディングを見届ければ 元の世界に戻ることができる】

ということだけだった

 

結局、俺はここに定着するために 仕事紹介へ向かい

「糸師大公家」で使用人を募集するチラシを見てようやく悟った──

(これって本当に、「あの」小説の中じゃないか)

仕事紹介屋

身元の証明ができないなら、紹介できる仕事はそれしかないよ

仕事紹介屋

大公のせいで使用人がみんな逃げちまって、かろうじて紹介できるのがそこなんだ!

仕事紹介屋

月給がいいからまだいいが…

仕事紹介屋

ほら、名前は?

仕事紹介屋

嫌なら帰りな

あっ、嫌ではないです!

えっと、名前は…

潔世一です

(元の世界と同じ名前でも大丈夫だよな)

コンコン

誰だ

ガチャ

糸師様、初めまして!

今日から執事として働くことになった、潔世一と申します

ニコニコ

新しく来た使用人達は二度と彼の部屋に足を踏み入れることはなかった──

──俺を除いては…

糸師様

おはようございます

お召し物をお持ちしました!

まずは、ここのソファから、片付けましょう!

サッサッ

糸師様

おはようございます!

今日は、ベッド周りを片付けましょうか!

ささっ、起きてください

糸師様

おはようございます!

今日はとても天気がいいんですよ

少しは陽の光も取り入れないと!

カーテンを開けますね

糸師様

おはようございます!

よく眠れましたか?

カーテンも開けたので、雰囲気がかなり明るくなりましたね!

ジッ

──俺は二度も、三度も

四度だって、彼の部屋を片付けた

おはようございます

お食事をお持ちしました!

カタッ(椅子に座る音)

お待ちください

スープが熱いので冷ましますね!

フー フー

よし…!

糸師様、どうぞ

今日はスープの香りが、すごくいいですよ

口を開けてください

ぁ…

スッ…

パクッ

どうですか?

美味しいでしょう!

コクッ

あぁ、美味いな

ふっ…

(…笑顔、初めて見た)

逃げない人が現れて、一番最初に恥じる感情を思い出したのだろうか?

一度しか会うことのない人に 恥ずかしい部分を見せたって、痛くも痒くもないけど

俺は毎日のように、どん底にいる凛様と向き合っているから…

 

ようやく彼は泥沼のような日常から 一歩ずつ前に進むようになった

タイルが敷かれた床を移動できるよう 練習し

横になってばかりだった彼は起き上がって歩くようになった

今では杖を使って、普通に歩くことが できるようになった

こうして、俺が大公邸に来てからちょうど半年が経った頃

糸師凛はある程度の人間らしさを 取り戻した──

現在──

書斎

(この前のカフェの名前は、「ディナール」だったか?)

秘書

どうかしましたか?

カフェのディナールはどんな所なんだ?

秘書

ディナールですか?

秘書

恋人達がよく行くデートスポットですよ

秘書

糸師様が行かれるような所ではないと思いますが…

秘書

なぜそんな事をお聞きになるのですか?

お前は知らなくていい

秘書

知らなくていいだなんて!

秘書

ひどいです!!

参考になった

秘書

私の気も知らないでッ…!

雑談は終わりだ

報告しろ

秘書

…はい

秘書

では今月、糸師様に届いた手紙から…

(恋人達が行く場所だと?)

(なぜ、そんな場所に…)

(ひょっとして…)

(潔は俺と一緒に行きたかったのだろか?)

(恋人達が行くというカフェに?)

スゥ

ハァ…

(そんなわけあるか)

(潔が俺みたいな奴を好きになるはずない…)

回想

ここです

…そうか

(綺麗な肌だな…)

(この目が見えていれば)

スリ…(潔の頬を撫でる音)

(お前の顔をこの目に焼き付けることができたのに)

現在

(あの時、潔は呼吸一つ乱さなかった)

(俺ばかりバカみたいに期待しては失望している)

(ボソッ)目が見えない俺みたいな奴が、潔の目に男として映らないのは当然だ

秘書

何か言いましたか?

別に何も

秘書

そうですか

コンコン

凛様、夕食のお時間です

…入れ

ガチャ

今日のメニューは何だ?

当ててみてください!

凛様の好物ですよ

魚の香りがするな

それと穀物の匂いも

正解です!

俺の母国の鯛茶漬けをお持ちしました

この国では、食べることができませんからね

あぁ、潔しか作れないからな

熱いので気を付けて召し上がってください

カチャ カチャ…

はぁ…

(今日もヒロインの朱里に会うことすら、できなかった)

(この間送った手紙の返事もないし…)

ハァ…

(まあ確かに、俺でもあんな怪しい手紙に返事なんかしないけど)

(もどかしい…)

ハァァァ

何か困っていることでもあるのか?

ため息が今日だけでも10回は超えるぞ

俺が手伝ってやれるかもしれない

何でも話してみろ

あっ、いえっ!

ご心配をおかけしてしまい、申し訳ありません

プ、プライベートでちょっと色々ありまして…

…そうか

シュン…

(そういえばカフェに行ってから、元気なさそうだな…)

凛様の方こそ何かありましたか?

…あのカフェに行ってみたかったんじゃないのか?

はい、そうです

ずっと、ぼんやりしていたし

あまり楽しんでいるようには見えなかったが…

(鋭いな…)

(ヒロインを捜すのに必死だったんだよな…)

それはその…

首都は初めてなので…!

凛様のおそばで過ごしていて、外出が久しぶりだったこともありますし

フムフム

そうか、俺はてっきり…

外出はどうだった?

俺が最初にいた所と比べたら、まったくの別世界です!

森から首都までの道のりが険しくて…

ここは道も全部、舗装されていますし

首都の人達は皆、素敵だと思います

綺麗な人や、かっこいい人が多いですし!

ピクッ

……

…そうか

ガタッ(席を立つ音)

消化ついでに散歩でもしよう

お疲れではないですか?

このくらいなら平気だ

裏庭

今日は月が大きくて明るいですね

手のひらくらいの大きさの黄色い花も咲いてますよ!

月光で咲く花か

母が好きだった花だな

月が明るいから咲いたんですね

キョロキョロ

(確かこの辺りだったはず…)

(あっ)

(まだあった!)

(よかった、まだ枯れなさそうだ)

(もう数日だけ頑張ってな…)

口数が減ったな、潔

あ…

不思議なことに雑草から花が咲いていて…

ここは花が多いので、いくら見ても飽きませんね

アハハ…

よかった

雇用主が至らなくて、外出が難しいからな

なんてことをおっしゃるんですか!

俺は、凛様の忠実な下僕です!!

下僕…?

それでも俺が席を外した隙に、よく出ていくところを見ると、屋敷の外にかなり興味があるようだが

それは…!

…そうですが

ですが!

決して!!

凛様にお仕えするのが飽きたとか、そういうことではありません!

グイッグイッ(凛に迫る音)

ただの好奇心!

たったそれだけのことです!

誤解されては困ります!

キョトン…

(っ `-´ c)プンッ

フッ

そうか

わかった

他に行きたいところはあるか?

スタスタ(歩く音)

スタスタ(歩く音)

俺ではなく、凛様が行きたいところに行きましょう

行ったところでどうせこんな目なんだ、お前の説明を聞くだけだろう

んー…

それなら…

ベル公園に行きたいです!

なら明日連れて行ってやろう

パァァッ⸜(*ˊᗜˋ*)⸝

本当ですか!?

約束ですよ!

(やった!)

(あそこは朱里が住む伯爵邸の近くだから)

(上手くいけば、明日こそ会えるかも!)

ピタッ

はい?

……

…いや

何でもない

そうですか?

じゃあ…

そろそろ屋敷に戻りませんか?

体が冷えてしまっては、いけないので

あぁ

そうだな

明日、楽しみにしている

はい!

ここで終わらせて貰います

すごい長くてすみません

今回の話は過去が多いので、あまり面白くなかったと思いますが、ここまで読んでくださりありがとうございます!

面白かったらハートください!

コメントも待ってます!

ではまた次回会いましょう!

主人公に溺愛されるのはヒロインじゃないの!?

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