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サトコロ「怪盗さん」

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サトコロ「怪盗さん」

1 - サトコロ「怪盗さん」

♥

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2021年11月29日

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サトコロ地雷注意

サトコロ「怪盗さん」

僕と"彼"の出会いは突然だった

コロン

ッ…はぁッ…

と、溜息を漏らしながらベランダの柵に手を着いた

コロン

……今日も婚約相手、来てたなぁッ…

そう、僕はある国の姫で、男の子だけど女の子として育てられてきた。

婚約相手は両親の間で勝手に決められた人だ。

性格も家柄も、悪くは無いんだけど

コロン

……ッ…

僕は何故か、名前も知らないような人を待ち続けている

どこかの、だれか。

何故かその人じゃないと嫌なんだ。

その人はあったことも無い人なのに

約束なッ…ニコッ

いつか、誰かと交した約束

コロン

…もう、諦めた方がいいのかなッ…

ズルッ…

コロン

……ッ…?!

あれッ…手が滑ッ…!

コロン

……落ちるッ…!

落ちる、そう思いながらも重力には逆らえず、何も出来なかった

コロン

……ッ…

コロン

……あれッ…?

目を開けると、目の前には輝く満月

下は…浮いてるッ…?!

コロン

何でッ…

こんばんは、お嬢さん

すぐ近くから凛としたよく通る声がした

コロン

……ッ!

横を向くと、満月に照らされ輝く美しい顔があった

コロン

……月の妖精さんッ…?

思わずそう言ってしまった。

それから、彼は毎日毎日ここへ来てくれた

話を聞けば彼は怪盗で、妖精では無いらしい。

まぁ、当たり前だけど

怪盗なら、何か盗んだりしないのかと尋ねたが、

怪盗さん

…俺が欲しいのはッ…

グイッ…

コロン

ひゃッ…

怪盗さん

……コロンの心、かなッ…なーんてッ…w

コロン

……ッ…///

コロン

馬鹿ッ…///

こんなキザな事ばかり言うだけだった

そんなある日のことだった

怪盗さん

……

コロン

……あッ…怪盗さんッ…ニコッ

僕は怪盗さんを見つけるとすぐに駆け寄った

コロン

こんばんはッ…ニコッ

怪盗さん

……あぁ…

コロン

…?どうしたのッ…?

怪盗さん

…ごめん。もうここにはッ…

来られない

コロン

……え…

いきなりの事で、声が震えた

コロン

嘘ッ…どうしてッ…?

怪盗さん

……ごめん…

怪盗さんは理由を幾ら聞いても答えてはくれなかった

怪盗さん

だからさッ…これッ…

コロン

……何ッ…これッ…

怪盗さんにノートのようなものを渡された。"怪盗日記"と書かれてある。

怪盗さん

……それ、大事に持っといて。

そう投げ捨てるように言うと、怪盗さんはベランダの柵の上に立った。

コロン

……やだッ…!待ってよッ…!

怪盗さん

……ッ…

コロン

本当にッ…もう、会えないのッ…?ポロポロ

怪盗さん

ッ…そうだよ。

コロン

ッ…!ポロポロ

怪盗さん

……じゃあッ…?!

僕は咄嗟に怪盗さんの手を掴んだ

コロン

やだッ…ポロポロもっとお話したいよッ…ポロポロ

コロン

もう会えないなんてッ…ポロポロ言わないでッ…ポロポロ

怪盗さん

……ッ…コロン…(ボソッ)

怪盗さんは何か呟くと、僕の顔を見て、

怪盗さん

……愛してるッ…

そっと口付けを落とした

コロン

……やだッ…グスッ…やだぁッ…ポロポロ

僕は怪盗さんから貰ったノートを抱きながら泣いた

コロン

……ッ…グスッ…

コロン

……ッ…これッ…

僕の涙で、日記の表紙の字が剥がれてきていた

コロン

……交換日記ッ…?

表紙の字が剥がれたことで、下に書いてあった字が露になった

めくってみると、何やら誰かが誰かと会話しているような文面が書いてあった

○月×日

今日は"サトミ"が授業中に下ネタを言ってきました。ウザかったです。

コロン

……はぇッ…?!///

下ネタ、という文字を聞いて少し恥ずかしくなったが、続けて読んだ

そんなこというなよな〜ッコロンは冷たいなぁッ…

コロン

……コロンッ…て…

僕と名前が一致していた。一体これはどういうことだろうか。

○月×日

今日はサトミとデートに行きました。楽しかったです。

これで終わりかと思ったが、小さく、

サトミの私服、かっこよかったッ…

と、書かれていた。

んもう、正直になりなさいな〜ッ

コロン

……んふふッ…

二人の会話、面白いなぁッ…

…でも、

聞いたことがあるッ…どこかでッ…

コロン

サトミッ…サトミッ…?

パラッ…

コロン

……あッ…紙がッ…

どうやら小さな紙切れが挟まっていたようだ。取らなければ…

コロン

……これッ…

紙には、"サトミくん"とやらの人の字で、

あいしてる

と書かれていた

コロン

……ッ…!

これを見た瞬間僕は必死で外へ出た

薄着だし、口からは白い息が出ていたけど、寒さなんて気にならなかった

"あいしてる"これが本当に"サトミくん"が書いたのか、僕宛てに書いたかなんて分からない

でもッ…

コロン

"サトミくん"ッ…!

きっとサトミくんはまだ近くに居ると思った

コロン

……ッ…はぁッ…

コロン

見つけたッ…

サトミ

ッ…?!

コロン

……サトミくんッ…ポロポロごめんねッ…ポロポロ

コロン

約束ッ…したのにッ…

いつかッ…また、俺とッ…

結婚してくれるッ…?

サトミ

……ッ…ポロポロ

サトミ

…コロンッ…

ギュッ…

コロン

あったかい、あったかいなぁッ…ポロポロ

コロン

サトミくんッ…何もわからなくなっててごめんねッ…ポロポロ

サトミ

ッ…愛してるッ…ポロポロ

チュッ…

コロン

えへへッ…ポロポロ

コロン

サトミくんッ…ポロポロ

コロン

……今日は月が綺麗ですねッ…ニコッポロポロ

サトコロ「怪盗さん」

❦ℯꫛᎴ❧

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コメント

13

ユーザー

泣 く ぅ .. て か 実 際 泣 い た w ブク失ぅ

ユーザー

うわぁぁぁぁぁぁぁぁ(இдஇ; ) 泣いたᐡ ߹𖥦߹ ᐡ

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