コウ
とある施設で育った少女3 2話
コウ
どうぞ
瑚白
〜〜〜〜〜♪
ガチャ
春
瑚白〜
瑚白
?
春
歌ってるの?
瑚白
うん
春
一緒に歌お
瑚白
いいよ
何歌う?
何歌う?
春
「死んでしまったのだろうか/Guiano」
瑚白
ん
春
俺から行くな
瑚白
ん
春
きっと僕は死んでしまったんだ
食べるものにはまるで味がないみたいだ
食べるものにはまるで味がないみたいだ
瑚白
きっと僕は死んでしまったんだ
母親の愛をまるで感じないんだ
母親の愛をまるで感じないんだ
春
流れる雲を眺め思い出す
季節に置いてけぼりな僕の
心 心 心 心 心
季節に置いてけぼりな僕の
心 心 心 心 心
瑚白
空っぽな胸を張れる訳もなく
耽るのは妄想ばかりだ
耽るのは妄想ばかりだ
春
昔話にだけは花が咲いた
瑚白
そう生まれた時からわかっていたんだ深海に沈む船のように
春
いつか忘れられてしまうのだ
思い出だけがすぎてゆくのだ
思い出だけがすぎてゆくのだ
瑚白
僕は死んでしまったのだろうか
ただ息して待つばかりさ
ただ息して待つばかりさ
春
泡沫に呑まれ消えゆく日を
戻ることない失った日々を
戻ることない失った日々を
瑚白
戻ることない失った日々を
春
きっと僕は死んでしまったんだ
上手く本当のことが口にでないや
上手く本当のことが口にでないや
瑚白
きっと僕は死んでしまったんだ
君の声がまるで遠のいていくから
君の声がまるで遠のいていくから
春
流れる雲を眺め思い出す
季節に置いてきぼりな僕の
心 心 心 心 心
季節に置いてきぼりな僕の
心 心 心 心 心
瑚白
あの日君を抱きしめればよかった、
それに気づかなければよかった
それに気づかなければよかった
春
変わることない過ぎ去った日々を
瑚白
そう生まれた時からわかっていたんだ 深海に沈む船のように
春
いつか忘れ去られてしまうのだ
思い出だけが過ぎてゆくのだ
思い出だけが過ぎてゆくのだ
瑚白
僕は死んでしまったのだろうか
ただ息をして待つばかりさ
ただ息をして待つばかりさ
春
泡沫に呑まれ消えゆく日を
戻ることない失った日々を
戻ることない失った日々を
瑚白
戻ることない失った日々を
瑚白/春
戻ることない失った日々を
春
あー楽しかった
瑚白
だね
瑚白
……
春
……
春
でそこにいる3人 出てきなよ
灰谷弟
気づいてたんだ
春
そりゃもちろん
春
んで さっきの曲聞いてた感じ?
鶴蝶
え?まあ
九井
聞いてたけど
春
俺らにピッタリだと思わない?
灰谷弟
……
鶴蝶
……
九井
……
春
え?何 沈黙やめてもろて
鶴蝶
反応に困る
春
はは
まあそうなるか
まあそうなるか
瑚白
……
春
…(もういいかこの3人には…)
春
あのさ 俺前 実験体か孤児か または別か 分からないって言ってた時あったじゃん?
瑚白
!春…
春
…大丈夫 そろそろ言わないといけないし…さ
瑚白
…コク
灰谷弟
?
九井
?
鶴蝶
?
春
俺さ 実は試験管ベビーなんだよね〜
灰谷弟
?何それ
瑚白
…体外受精…
鶴蝶
!!
春
…排卵誘発剤や外科的手法などによって所得した卵子を、体外で精子と接触させて人為的に受精を行ったのち、培養した胚(受精卵)を子宮内などに戻して妊娠を図るらしいね
春
ま 俺は親から実の子ではないって''1歳くらいの時''言われたっけ…
鶴蝶
なんで…1歳の頃の記憶あるんだ…?
春
あー…
春
君らは何歳くらいから記憶ある?
灰谷弟
3歳暗いからかな
九井
俺もそのくらいだな
鶴蝶
俺もだ
瑚白
…
春
ヒトは誰しも赤ちゃんだったころのことを覚えていない
これを幼児期健忘という
これを幼児期健忘という
九井
幼児期健忘?
春
ああ
それが俺らにはおこってない
それが俺らにはおこってない
鶴蝶
''俺ら''?
灰谷弟
どういう…
瑚白
自分も幼児期健忘 おこってないよ
灰谷弟
!!
春
ごく稀に幼児期健忘がおこらない人間が同じ施設にいるってすごいよね〜
春
それプラスで俺は試験管ベビー 面白いよね〜
灰谷弟
面白いって…
春
辛くはないからねー 瑚白の方がよっぽど辛いと思うよ
九井
え?
瑚白
…自分は生まれた時 親に一番最初に言われた言葉が…''いい実験体になるだろう 最悪全部条件を達成するようであれば 壊せばいい''だったけ
九井
……
鶴蝶
……でも瑚白は 壊せばいい なんて言われる必要なんでないんじゃ…
瑚白
…あの人は実の子を大切になんかしないよ…
ただの実験体 「暁 正臣」の血を継いだ人間がどうなるか…知りたいだけ
ただの実験体 「暁 正臣」の血を継いだ人間がどうなるか…知りたいだけ
灰谷弟
……
鶴蝶
…
九井
……
春
はいはい 沈黙やめてもろていいですか
春
寒いし戻るか〜
瑚白
……春 もうちょっと歌いたい
春
ん
いいよ
いいよ
春
じゃあね
皆さん
あそうそう さっきのとこ誰にも言わないでねー
皆さん
あそうそう さっきのとこ誰にも言わないでねー
灰谷弟
ああ…わかった
九井
わかった
鶴蝶
わかった
バタン
瑚白
……
春
んで 何歌う?
瑚白
……強がんなくてもいいよ
春
…瑚白も、ね
瑚白
……
春
あー……
泣きたいって思ったのはいつぶりだろ
泣きたいって思ったのはいつぶりだろ
瑚白
そーだね
瑚白
ねぇ…普通に歌歌っていい?
春
んいいよ
春
何歌うの?
瑚白
「回る空うさぎ/Orangestar」
春
ん
春
聞いてる
瑚白
うん
瑚白
また月が昇る
瑚白
今日が終わりだす
瑚白
願い 奏でる
瑚白
言葉を呑み込む
瑚白
Friday Night 泣き出す
瑚白
君はまだ大丈夫
瑚白
駆け出せ足音
瑚白
明日を変えたい
瑚白
あぁ なら なら
瑚白
まだ まだ まだ
瑚白
また夜空一周に
瑚白
満たして欠けて流れる
瑚白
時を眺める
瑚白
だけじゃ笑えない
瑚白
回る空うさぎ
瑚白
君と明日はイコール
瑚白
負けるな明日に
瑚白
背を向けたくない
瑚白
あぁ から から
瑚白
いま から から
瑚白
遥か 月を目指した
瑚白
今日の空は
瑚白
彼方 西に流れた
瑚白
もう届かないや
瑚白
届かないや
瑚白
涙 星を濡らした
瑚白
今日の空は
瑚白
彼方 夜に流れた
瑚白
もう泣くなよ
瑚白
遥か 月を目指した
瑚白
今日の空は
瑚白
数多 星を降らした
瑚白
あぁ 夢じゃないや!
瑚白
夢じゃないや
春
綺麗
瑚白
ありがとう
春
ん
瑚白
……
春
ま寒いし帰るか〜
瑚白
うん
春
ただいま〜
瑚白
……
灰谷弟
……
佐野
おかえり
九井
おかえり
鶴蝶
おかえり