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こちら『私』の歌詞パロになります。 もとぱです。死パロも有. それではどうぞ
短編__『貴方が好きでした.』 StaRt.
大森元貴side.
冬の朝、凍えるような寒さの中、鮮やかに蘇る瞬間
暑い夏の日、二人で公園のベンチに座って食べたアイス。
隣には、大好きな若井が座っていて
僕に視線に気づいて微笑んでくれる
二人で食べたアイスは、甘酸っぱい恋の味がした
音楽と、絵と、それから若井が好きだった高校生の僕。
あの頃の僕は、間違いなく幸せだった
空を見上げて、息を吐く
空は青く澄んでて、息は白くて
僕は今確かに“生きて”いる
僕は昔からすごく涙脆くて、
その度に若井は涙を掬って笑っていた
ーーー
告白は、若井の方だった
普段僕とは住む次元が違う若井が
僕の前に立って「好き」と言ってくれた
流されるまま
陽キャ特有の怖さ、が少し見えた気がして_
若井と付き合った
そして、僕はいつの間にか若井がすごく好きになっていったんだ
大好きな人と付き合えている事実が幸せで、
でも、そんなこと
僕は気づいてなかったんだ
若井がすぐ傍にいること
『当たり前』なんかじゃ無かったんだ
僕はその事実に気づけなくて
すぐ傍にある幸せに気づけなかったんだ
ーーー
車通りの多い商店街
若井が自転車に乗ってて、僕はその隣を歩いてた
他愛もない話をして
冗談で笑い合って
その時、だった
ドンっという大きな衝撃音が、僕の耳元で聞こえた
周りからは悲鳴にも似た声が漏れ始め
僕はあたりを見渡して若井を探した
若井は
数メートル先で血を沢山流して倒れていた
車に轢かれた、んだと思う
若井が乗っていた自転車は壊れかけ、車輪がクルクル回っている
Mtk.
Mtk.
Hrt.
Mtk.
救急車が到着して若井は搬送された
救急車の中、若井は僕の顔を見て
「愛してる」
そう言って、目を閉じた
若井の腕を握って
若井の名前を呼んだのに
若井はもう、
二度と目を覚さなくなった
ーーー
あの日、握れなかった若井の腕
もういくら手を伸ばしても
届かない
もういくら願っても、
あの日には戻れない
いつまでも
そして、僕は若井が居なくなってから気づいたんだ
僕は、若井のことが大好きだったんだって。
ーーー
何気ない帰り道
若井のことを思い出してしまうんだ
凍える冬に若井の暖かい目が見たくて
つい斜め上を見上げてしまうんだ
でも、当たり前のように若井は居ない
壊れた自転車と、「愛してる」の言葉だけ残して
若井は居なくなったから
壊れた自転車の捨て方をわかっても捨てられないのは
その自転車で二人乗りした思い出が、
消える気がするから
今でも若井が好きなんだ
この想いが貴方には届かずとも
僕はまた若井に恋をする
二人だけの帰り道
若井の弱さをしれた夜
あの日食べたアイス
誰も居ない教室で確かめ合った唇の味
凍える冬に暖め合った手のひら
二人で見た綺麗な夕日
浴衣を着て、二人で行った夏祭り
口の中を火傷しながら食べたたこ焼き
片寄あって見た綺麗な花火
登校しながら二人で踏み合った落ち葉
今更だけど
あの時、あの瞬間
僕は若井のことが好きでした
凍える冬には貴方の暖かい目が救いでした
貴方が、好きでした。
でも若井は居なくとも
僕の記憶の中にはまだ若井が生きている
そして二人で見た夕日が綺麗なままであれば
これからもずっと僕は
「僕」を生きていける
これからも僕は明日も、明後日も
確かに此処で息をしてる
僕は、「僕」を生きていく
だから、若井
ちゃんと、僕を見ていてね
fin.
こんにちは
前作♡2000ありがとうございます😭 感想も沢山きてて嬉しいです🫶🫶
二回目の歌詞パロ…全然慣れなかったです リクも溜まってるのに全然描けなくて申し訳ないです。 スランプ気味で全然書けないんですよ…💦
なので明日は全然出さなかった質問コーナーの解答を出しますので!
楽しみにしていてください👊 そしてこの作品も♡&💬よろしくお願いします
それではまた
コメント
3件
好きなのに伝えられない めちゃめちゃもどかしいです いつも近かったはずなのに 届く距離なのに離してしまった後悔はきっと一生抱えていくんだろうな 身近な幸せ大切にしないといけないね
歌詞とぴったりすぎてやばいです✨️死はいつ訪れてもおかしくないし、今自分が生きていることも当たり前じゃないな…と考えさせられる作品でめっちゃ好きです😭今回も泣かされてしまいました🥲みのりさんも生きててくれて、素晴らしい作品を届けてくれてありがとうございます😢
最近、「私」にハマってるので曲パロ嬉しかったです✨️今周りに大事な人がいることは当たり前のことでは無いんだなと感じました、、!ほんとにみのりさんの小説は凄すぎます✨️