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# 12 . 子供っぽさ

正直言って 冷静さを欠いていたから 危なかったと思う

あの場に 紫先生が現れてなかったら 僕は僕自身を忘れていただろう

…こぉ、せんせぇ

ん?どうしたの?

『 さっきの人、だれ? 』

『 僕の方を叩いた人? 』

『 うん 』

……

僕は一瞬手が止まった

伝えようか悩んだ

『 紫先生だよ 』

けど伝える選択をした

変な誤解をして 橙くんに傷ついて欲しくない

…せんせ、ぇ…

…っ、…

…なな、せんせ…は、
おぇ、のこと…きら…

『 それは違うよ 』

…なら、なんで、ッ゙…

そう言って泣く姿は 子供そのものだ

頭のいい大人の周りで育って 人の顔色を伺ってたから 気がついてなかった

桃くんや赤くんはすぐに口にする 《 寂しい 》が伝えられない

きっと声に出ないんだ

この子は頭がいいから 人を見てるから だから、大人ぶって

我慢をしていた

『 紫先生は橙くんが
大好きだよ 』

『 だからあえて
声をかけなかった 』

…っ、…

これが普通の子供の反応だ

《 あえて 》なんて伝わらないし 伝わっても受け入れきれない

『 紫先生は 』

『 俺の事、嫌いじゃ 』

『 嫌いじゃない 』

『 絶対に 』

あ、り…がと

『 何に対して? 』

『 教えてくれたこと 』

『 俺、我慢する 』

本当にこの子は人の顔色を読む

『 ありがとう 』

喜べないけど けど、大人に成ってる

『 何かあったら僕や
黄先生に言ってね 』

『 僕らに言いにくかったら
桃くん達でもいい 』

『 必ず、誰かに
相談すること 』

わぁ、った!

『 一週間経ったら
また会えるからね 』

『 約束ね 』

『 うん。約束 』

ゆび、きり!

指切りげんまん笑

……あ、…

『 そういえば補聴器は? 』

『 腕、引っ張られた時に
落ちちゃった 』

『 あらら 』

『 ごめんなさい 』

『 大丈夫 』

『 桃くんと赤くんには
筆談で話してあげてね 』

『 黄先生には
ゆっくりの手話で 』

っ、?!

『 黄先生、
手話できたん 』

『 猛練習してた 』

ふは、っ笑

『 でも伝わらない時は
僕か筆談でね 』

『 わかった 』

『 じゃあ、戻ろう 』

『 うん 』

あ、おかえりなさい

黄先生は赤くんと桃くんを 寝かしつけるように 二人のお腹を軽く叩きながら 落ち着いた声で言った

ただいま

『 二人とも寝てる? 』

ん〜…

『 そうみたい 』

僕は二人のベッドを覗き込んで また橙くんの方を向き直して 手話をする

…あれ、補聴器は
どうしたんですか?

橙くんが雨でもないのに 手話をしてるのが珍しい ってのに気づいたみたい

さすが黄先生

落としたみたい

詳しい事情は後で話す

わかりました

にしても、君たち
よく寝れるね〜…

ほんとに尊敬

ふふ、っ笑

僕はどうしたって
四時間しか寝れない

青先生って
ショートスリーパー
かなんかですか?

さぁ?

『 何の話? 』

『 僕が
ショートスリーパー
かどうかって話 』

……

橙くんは少し間を空けて

『 それっぽい 』

なんとなく予想してた回答が あっさり返ってきた

ちょっと落ち込んだため、

『 気晴らしに
散歩行ってくるけど
橙くんも来る? 』

『 行く 』

急にルンルンになりながら ちゃんとカーディガンを着る

もう秋だからね

『 よし、行こ 』

『 うん 』

お散歩ですか?

うん。いってくるね

行ってらっしゃい笑

いっ、てきます!

今の橙くんは 耳が聞こえない状態だから 自分が発している言葉に 自信を持てないように返す

カタコト気味だから ちょっと可愛い

いってきまーす笑

『 ここには
この間、赤くんとも
来たんだよ 』

『 桃くんと
喧嘩してた時 』

『 そうやったんや 』

『 うん 』

『 ここは気持ちが
落ち着くもんな 』

『 橙くんは花好き? 』

『 これとか好き 』

……

それは橙くんにピッタリな花だった

普通は あんまり見かけないけど 黄色い彼岸花

『 これは彼岸花 』

『 綺麗な色だよね 』

『 めっちゃ綺麗 』

色はどちらかと言えば オレンジに近い色にも見える

オレンジと黄色を 混ぜ合わせたような綺麗な色

『 他に気になる
お花はある? 』

……

当たりをキョロキョロと 見回している

…!

何か見つけたように 目を輝かせ指さしたのは

…あれは、…

睡蓮

水の上に葉と共に 静かに浮かんでいる美しい花

橙くんが指したのは たぶん紫色だと思う

『 あれは睡蓮 』

『 すいれん? 』

『 そうだよ 』

…『 花言葉は? 』

『 確か ” 信頼 ” だよ 』

珍しいとも思ったけど 興味を持ってくれたのが嬉しくて 多分少しだけニヤついてる

『 白の睡蓮は純粋 』

『 色によっても
意味が変わるのが
面白くて僕は
花が好きなんだ 』

『 俺も花は好き 』

手話をしながら にこっと笑ってくれたから 本当に良かったと思える

普段は桃くんのワガママに 付き合ってくれたりしてるから 大人びて見えるけど やっぱり子供なんだよな

『 今度は紫先生と
一緒に来る 』

…んふ、っ笑

『 そうしてあげて 』

僕はニコニコで手話をする

…ぇへ、っ笑

僕が笑ったら橙くんも笑った

よしよし、笑

笑った顔が可愛くてつい撫でる

んゎ、ぁ笑

君はそういう 子供っぽい顔でいてもいいんだよ

君はまだ子供なんだから

「 いちごの病院物語 」

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コメント

4

ユーザー

この連載だいすき、誰よりも続き待ってた自信ある⸜🙌🏻⸝🩷

ユーザー

橙くん可愛すぎる、、🤦‍♀️ やはり子供は笑顔が1番だ☺️ 続き待ってます!

ユーザー

橙くん天使過ぎますよ…😇先生たちも可愛いしかっこいいの最高すぎますよ((

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