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3月24日 今日から日記をつけようと思います.
僕は今日、
お医者さんに心臓病と診断された.
桃
結構深刻な状態らしい。 あと1年生きれられるかどうか でも、僕はこんなときでも笑顔を絶やさないって決めた
辛い時ほど笑っていよう。 そうしたらきっと乗り越えられる筈
3月26日 今日は少し息苦しい。 でも、すぐ治まるから大丈夫
どうして、神様は僕の味方をしてくれないのでしょうか。 なんで、僕を病気にさせたの?
4月7日 今日から3年生. 多分、僕はクラスの人達と卒業することは難しいだろう
僕は決めた。 このクラスで沢山役に立とうって 少しでも"いい人"だと思われるように
4月21日 どうやら、僕は春瀬桃くんに 嫌われているらしい。 いつも睨まれるし、僕が笑顔を見せると 嫌そうな顔する
桃
桃
嫌われてる理由はなんとなく分かるよ。 多分君は本当の僕を隠してることを 勘付いてるんだよね。
僕の嫌っててもいいよ。 でも、僕はいい人を辞めるつもりはない
4月28日 掃除をしてる最中に、 桃くんが教室に戻ってきた。
声をかけられたのは初めてだったから びっくりした。
桃くんに凄く心にくる言葉を言われた それでも、僕は笑顔でいるよ。 気持ち悪いって思われようが 変な奴だと思われようが、 全然大丈夫だよ
桃
桃
桃
5月9日 橙くんからお弁当を誘われた。 正直凄く嬉しかったけど 桃くんは相変わらず、僕を嫌っている
橙くんと桃くんの話を聞いていたら 久しぶりに本当の笑顔が綻びた。 幸せな時間だけがずっと続いてほしい
5月11日 今日、両親は大喧嘩をしていた。 赤くんに聞かせないように 耳を塞いでぎゅっと抱きしめ続ける お母さんを殴る音。椅子を投げる音など 沢山の騒音が響いてきた
唯々、怖かった。 喧嘩をしてる姿なんか見たくない お願いだから、やめてよ。 そう願うしかなかった
5月12日 お母さんが出て行った。 どんなに泣いても言葉をかけても 全然話を聞いてくれない なんで、僕を置いていくの?
お母さんまで僕を見捨てないでよ これから僕たちはどうすればいいの
5月15日 今日からバイトを始める。 理由は父親は稼いだお金を 全て自分のために使うからだ 僕が赤くんを守ってあげないといけない
平日は学校があるから バイトのシフトは夜だ。 学校にバイトはハードルシュケジュールだけど、生活してくためには しょうがない
5月23日 図書館で本を取ろうとしたら 本が落ちてきて大変なことになった笑 そんな時、桃くんが現れてびっくりした 代わりに本を戻してくれて優しいところを知った
相変わらず、僕を嫌っていたけど。 多分、桃くんは悪い人ではない気がする
5月28日 今日は席替えをした。 桃くんの隣になってしまった… 桃くんが嫌な気持ちにさせないために 橙くんと席を交換してもらった
不快にさせちゃったから謝ったら 何故かキレられる。 今日はちょっと何故か笑えない 桃くんに聞こえないように少しだけ 嗚咽を漏らしちゃった…笑
5月29日 今日は僕の誕生日。 やっと、成人の年齢 僕のバイトの給料じゃ全然足りない
ダメだって分かってるけど "パパ活"で稼ぐことを決めた
桃
桃
"初めて"は好きな人が良かったけど 家族の為に頑張らないといけない。 凄く気持ち悪かったし、最悪。 でも、お金のために頑張った
桃
桃
6月10日 今日偶然桃くんに出会った。 彼もスーパーに行くらしい その為、そのまま一緒に行くことに…
赤くんには凄く優しい対応してくれてて安心した。 子供には優しいことを知った
しかも、赤くんのワガママに付き合って 公園まで行ってくれた。 やっぱり、子供には甘い…
他人が助けを求められたらどうする? って聞いたら 時と場合だって。 桃くんは自分のことしか考えてない… そういうところが桃くんらしいけど
1番驚いたのが 僕が夜に出かけることがバレたことだ。 なんとか答えなくて済んだけど… もし、話してたら君はなんでいうかな 多分怒るだろうなぁ笑
帰り際、家に帰るのが怖くなって 桃くんを呼び止めてしまった "助けて"って言いたかった だけど、無理だった 迷惑かけたくなかったから 多分、僕変な顔してたよね
桃
桃
桃
6月16日 桃くんが風邪で休んだ。 この時期に風邪引くの珍しい… 疲れが溜まってたのかな…?
橙くんに桃くんのお家に行くように お願いされた。 凄く迷惑そうだったけど、 流石に看病したよ。 早く治るといいなぁ…
6月26日 この日の父親は 凄くイライラしてるようだった。 会社で何かあったみたい
そのイライラを僕にぶつけてきた。 沢山殴られて蹴られて… 赤くんはぼろぼろになっていく姿を見て 泣くし…大変だったな。
そのせいで、心臓病悪化した気がするよ どんどん容態が危ない方向にいってる
6月27日 学校に行ったら案の定 怪我について触れられた. 流石に笑ってるだけじゃ誤魔化せられなかった.
その時の僕は 気がついたら怒っていた. あんなことが言いたかったわけじゃないのに… その場の空気に耐えきれず屋上に逃げた
桃くんが探しに来てくれた時は 嬉しかったな… 橙くんが探しに行けって言ったんだろうけど、それでも嬉しかったよ
泣いてたの見られてたのは 恥ずかしいけど…
桃くんは僕みたいに簡単に人を助けないって言われちゃった. それは、それで桃くんらしくていいけど 僕を助けてを求めても助けてくれないんだなって思うと寂しくなった
桃
桃
この日、もう一つ起こったことは、 体育のとき桃くんを庇ってボールが 当たったことだ 気がついたら病院にいた。
桃
6月28日 医者によるとあと1ヶ月生きれるか 分からないらしい。 もう、学校には行けれない。 もっと皆んなの役に立ちたかったな
桃
桃
6月29日 橙くんから電話がかかってきた。 明るい声が聞こえてきて安心した 桃くんから謝罪があった 突然のことにびっくりした
勇気を出して休日 桃くんを公園に行くように誘ってみた 正直、断られると思ってた 赤くんがいるからっていうのが あると思うけど。
僕にとって桃くんに会える 最後のチャンス
楽しみでもあるけど 何かを察されないようにしないと。
7月3日 僕の最後の外出の日 本当は、病室で安静にしなくちゃダメなんだけど。なんとか外出許可を貰った 桃くんと将来の話をした。 特に夢はないらしい 桃くんには素敵な夢を見つけてほしい 僕は絶対叶わないから
桃くんには素敵な未来を生きてほしい それが今の僕の願い
危なかったのは、近所の人に僕がお父さんに殴られていることをバラされそうになったことだ。
いきなり声出しだから 不自然だったかな…笑 最悪なことに突然また胸の痛みと動悸が現れた。急いでトイレに駆け込んだ
最後はやっぱり笑顔でお別れするんだ
後で気付いたことだけど 僕無意識に"バイバイ"って言ってた もう、会えなくなるの寂しいな これから先は桃くんと話ができないんだ
まだまだ、話したいことがあるのに。 卒業だって一緒に卒業したかったな
7月5日 今日で日記を書くのが最後になるかも 後悔と不安しか今残ってない。 死に近づいてしまうこと 赤くんをひとりにさせてしまうこと それと、桃くんに直接
"好き"って伝えられなかったこと。
桃
桃くん、僕は貴方のことが好きだよ いつも本当の僕を見てくれて 心配してくれるところ、子供に優しいところ、1人で頑張ろうとするところ。 そんなことが大好き
本当は最後に会った日、伝えようと思った。だけど、フラれるのが嫌だったから そしたら、いろんなことが溢れて泣いちゃう気がするから。
それと、名前…呼んでほしかったなぁ 僕のこと嫌いでも名前ぐらいは呼んでほしかったよ笑
桃くん、大好きだよ。 幸せになってね
桃
桃
俺はアイツのこと…なんてッ…、、
桃
桃
桃
何度でもまた呼んでやるから
戻ってこいよ……ッ、、
次回、最終話.
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