緑色の糸

涼風家は 二七名家という特別な家柄に数えられ、その中でも御三家と呼ばれる さらに特別な一族である

御三家や二十七名家の支配に 不満を持った他の家や使用人たちが 長い年月をかけて彼らを呪った

そして約百年間、呪いは 二十七名家の有権者たちに降り掛かった

そこで有権者たちは考えた 全体にかかり続ける呪いを集約し、 御三家が手分けをして呪いを 受け続けようと

その代わり御三家に逆らうものは大きな制裁を加えることとする

その呪いは後に“因絆の呪”と 称されるようになった

涼風家は当主となるはずの長男に呪いがかかるため、最初に生まれる子供は必ず二人以上になるように、血に呪いを流した

長男は生まれながらに呪いを受け、 また、当主となることで父や弟に 降り注ぐ呪いを代わりに 受ける役目を与えられた

過剰な呪いを背負うことで急死する場合も多いが、当主のために尽くして死ぬのが涼風家の長男の役目なのだ

いつの間にか眠っていた 目元を擦ると目の腫れが治っている

ふすまを開けると冷たくなった夕食が あった ごめん奈良

「自由なあなたの姿を見てみたい」

ぐぅ～〜