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黄
一通り作業を終えてチラリと 時計を確認する。
2月3日 0:30
黄
今日、節分か...。
青ちゃん、また鬼の格好 するんだろうな。
“また”というのにはちゃんとした 理由がある。
一年前の今日。
すっかり節分だということも忘れて、いつも通り仕事から帰宅した僕。
黄
あまりにも静かなリビング。
青ちゃん、家にいるはずなんだけどな
黄
返事がなかったので、どこかに 出かけているのだろう、と思い、 ソファーに腰掛けた。
その時だった。
青
黄
驚きすぎてソファーから転げ落ちた僕
ケラケラと笑う声が聞こえて、後ろを振り向くと、鬼がいた。
正確には、鬼の格好をした 青ちゃんだけど。
青
黄
放心状態の僕を見て爆笑する 青ちゃんに、少し苛立ちを覚える。
黄
青
黄
青
黄
ふと青ちゃんの方を見たとき、僕は 思わず吹き出した。
青
黄
青
青色の全身タイツの上に、どこから 買ってきたのかわからない虎柄の パンツと頭にはツノ。
さっきは驚きすぎて服装なんて見る こともしなかったが、よく見ると 信じられないほど面白い格好を していた。
黄
青
黄
青
黄
青
黄
青
黄
...ってなことがあったため、 “また”鬼の格好をするのだろう、と 予想しているのだ。
黄
仕返しとして今年は僕が鬼になろう。
恵方巻きと、豆も準備して、 鬼の格好もして...。
今日はまず買い物だな。
予定を立てた僕は、とりあえず 寝ることにした。
黄
お店に来たものの、意外とたくさんの種類があって、どれにするか迷う...
黄
黄
赤や青の全身タイツがたくさん並ぶ中一番奥に黄色を発見した。
黄
黄
パンツはなぜかすぐそばに置いてありすぐに手に入れられた。 あとはツノだけ...。
黄
仕方ない。店員に聞くか。
そう思い、顔を上げると見覚えのある顔が目の前にあった。
黄
桃
桃
黄
桃
黄
黄
桃
黄
桃
黄
桃
桃
黄
桃
そう言って見せてきた 手の中にあったのは、 ツノのカチューシャだった。
黄
カチューシャを受け取ろうとすると、取られないようにわざと 高い位置にする桃くん。
桃
黄
桃
黄
桃
黄
桃
桃
黄
桃
桃
黄
桃
黄
桃
桃
黄
そんな思わぬ出会いによって、店員に聞かなくてもツノを手に 入れることができた。
店を出て、少し急ぎ目に歩く。
青ちゃんは赤と遊ぶようなことを 言っていた気がするので、多分家にはいないはず...。
黄
...よし、静かだ。
まあまだ13時過ぎなので、今帰って くることはないだろう。
買ってきた服のタグを切り、急いで 着替える。
絶対驚かせたい!
黄
全身タイツということもあり、急いだものの時間はかかってしまった。
14:30、か。
幸い、青ちゃんはまだ帰って きていない。
あとは...
黄
青ちゃんが去年いた場所...
黄
去年青ちゃんがいた場所でもある ソファーから完全に死角となる キッチンに隠れ、一応青ちゃんに LINEをする。
黄
青
黄
黄
青
ちゃんと驚かせられるかな。
どんな反応するかな。
ワクワクドキドキしながら帰りを 待っていると、ガチャ、とドアの開く音がした。
青
すぐにでも「おかえり〜!」と 行きたい気持ちを抑えて、キッチンにとどまる。
青
青
青
独り言の多い青ちゃんはソファーに 座った模様。
今だ...!
黄
青
黄
青
黄
青
青
黄
黄
青
黄
青
黄
黄
青
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青
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青
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青
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青
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青
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青
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青
黄
青
青
黄
黄
青
青
黄
青
黄
青
黄
今年も、青ちゃんに福がたくさん 入ってくる一年になりますように。
そうお願いしてたっていうのは、 ここだけの秘密。