この作品はいかがでしたか?
110
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夏と冬が同時にやって来た。
少し大袈裟かもしれないが
今年の夏は涼しい。
好きです! 付き合って下さい!
僕にとっては聞き慣れた言葉だが 彼女からしたら言い慣れていない その言葉。
大和
目の前の女の子は 下を向き 「ごめんね。」 とだけ呟くと僕に背中を向けて 去っていく。
朝陽
ロッカーの影から朝陽が ニヤニヤしながらこっちに来る
大和
朝陽
大和
このやり取りは 月に1度か2度ほどある。
自分で言うのは気が引けるが 僕はモテる。
でも、大切な人は 僕のことを思っていないはずだ。
朝陽
朝陽
優人
優人は どちらかと言うと僕らとは正反対だ。
休み時間はいつも本を読んでるし 昼食もいつも1人。
朝陽
優人
そう言うと優人は駆け足で その場を後にする
朝陽
大和
大和
朝陽
大和
朝陽
深夜2時。 いつも少し寂しくなるこの時間帯。
僕は気がつくといつも優人の事を 考えている。
2ヶ月前だった。
怪我により サッカー部でのレギュラーを外され 絶望していた僕に優人は 声をかけてくれた。
それこそ名前の通り 「優しく」だ。
君がなんで泣いてるかは知らないけど 泣いていても君は魅力的だし、
何より君の魅力はサッカーだけじゃない
部活のメンバーも 大丈夫! お前を待ってる! などの声は貰ったが、 優人の声だけが本物に聞こえた。
大和
僕の声は闇に吸い込まれていく
朝陽
大和
朝陽
朝陽
きっとその時の僕の顔は 焦りに焦ってただろう。
大和
思わず大きな声が出る。
朝陽
大和
僕の視線の先には 本を読んでいる男の子が居る。
なぁ。 ちょっといいか?
そう朝陽が言ったのはその日の放課後。 誰もいない廊下を歩いている時だった。
朝陽
僕は恐怖で全身が固まった。
いわゆるホモって事が クラス全員にバレることが怖い。
しかも相手は優人。
学校生活とは残酷なもので スクールカーストというものが存在する
その上位の僕が 下位の優人を好きとみんなが知ったら
きっと僕のことを 想ってくれている女子たちは 優人を嫌うだろう。
僕が嫌われるのは構わない。 でも優人が嫌われるのだけは嫌だった。
大和
朝陽
朝陽
大和
朝陽
大和
朝陽
大和
朝陽
大和
朝陽
大和
朝陽
朝陽
大和
朝陽
僕は2ヶ月前の出来事を ぽつりぽつりと話した。
朝陽は真剣に 僕の話を聞いてくれた。
大和
僕が話終わると 朝陽は口を開いた。
朝陽
朝陽
そう言うと 朝陽お得意のマシンガントークで 朝陽は話し出した。
朝陽
朝陽
朝陽
大和
大和
朝陽はキョトンとしている。
朝陽
大和
大和
朝陽
朝陽
朝陽
朝陽
大和
大和
大和
朝陽
朝陽
朝陽
次の日の放課後 僕は優人をロッカーに呼び出した。
大和
目の前の優人は相変わらず 物静かに僕の目を覗き込む。
大和
目の前で優人が頷くのが見えた。
優人
優人も泣いていた。
優人がどうして僕の事を 好きだったのかは分からない。
でも、そんな事はまた聞けばいい話だ。
今確実に言えることは 僕は幸せだ。
まるで
夏と冬が同時にやって来たように。
コメント
2件
初めて読まして頂きました。 びっくりです。 全てがドンピシャでタイプです。 お力に慣れるかは分からないのですが宣伝などやりましょうか? うえから目線ですいません。