若井滉斗side.
タイムリープの代償
それは俺の体だった
タイムリープしてから
俺の体の一部が段々と透明になっていった
少しづつ、でも確かに
俺の体は消えていった
腕とか脚とかじゃない
お腹とか背中とか見えないところばかりだから
元貴や涼ちゃんには気づかれなかった
でも、直感的にわかってしまう
この透明化が進んで俺の体は全部透明になったら
俺は死ぬんだと
吃驚するくらいにわがままだけれど
死ぬのは嫌だった
元貴は助けたい
でも自分は死にたくない
だから、俺にはもうチャンスがないんだ
なのに、
元貴は俺の前で首から血を噴き出して
川に落とされて
階段から突き落とされて
元貴だけお腹を刺されて
家に押しかけられて暴行されて
死んだ
何をしても
どんな手段を使っても
元貴は死ぬ運命だった
どうして、元貴だけ…?
でも、考えている暇はない
元貴を助けないといけない
絶対に
でも俺に与えられたチャンスは多くない
なんで
元貴を助けないといけないのに
まだ俺には、涼ちゃんには、ミセスには
元貴が必要で
「あ゛っっ…っ゛いぁああ゛゛っっ」
また
「っ、いだっ゛゛」
また
「っあぅう゛っっ…ぁっ゛」
また
何回も何回も何回も
元貴は死んだ
でも、まだ、やれるはず
まだチャンスはある
もう一度、もう一度…
元貴を助けるまで
______
O.M
W.H
元貴のソロの日の前の日
七月三十一日
元貴は俺の車の中にいた
明日は元貴のソロの仕事を休みにして
俺の家で一緒に過ごすことになっていた
それだったら元貴は死なないだろうと思って
O.M
元貴がもう一度俺を呼ぶ
W.H
O.M
W.H
O.M
信号機が赤に変わる
車がブレーキを立てて静かに止まった
W.H
O.M
O.M
W.H
O.M
W.H
O.M
元貴が静かにこっちを向いた その瞳は
涙で濡れていた
元貴がずっと殺され続けていた
俺が元貴を助けようと
何度も何度もタイムリープするたび
元貴は殺されていた
わかっていたようで、わかっていなかった事実
俺はずっと元貴を必要以上に殺していた
W.H
O.M
元貴はにっこり笑った
O.M
こんにちは
♡と💬ください
ばいばい
コメント
6件
うわー…ちょっと悪い予感はしてたけど…エモ切ない…若井どうするんだろ!続き気になる!!
若井さんは助けてたはずなのに、逆に大森さんの心を壊してたなんて… 若井さん、出来るのかな…
まじかぁ、、、、 wkさんどうするんだ、、、、 ちょっと、、これはやばい、、、