ロビーの方から歓声が上がる。 何事かと急いでロビーに向かうフェリックスとノア。 そこには、 ファンに囲まれているオリバー君の姿があった。
その喧騒の中、スーツ姿の雄猫が堂々と歩いてきた。 彼はオリバー君のマネージャーだ。 マネージャーはノアの前に止まり、淡々と尋ねる
マネージャー
管理長はいないのですか?
ノア
はい。只今外出中でして
マネージャー
では戻られたら部屋に来るよう
伝えてください。
伝えてください。
マネージャーはそう言い残すと、 オリバー君と一緒に奥の部屋に消えていった。
フェリックス
部屋というのは?
ノア
はい。一般の方と会わないように
手続き中のオリバー君は個室に入ってもらっています。
手続き中のオリバー君は個室に入ってもらっています。
フェリックス
この前管理長は特別扱いしないと
言っていましたが。
言っていましたが。
ノアは苦笑いを浮かべた
ノア
ええ、ですが混乱を防ぐために個室を用意しました。
とはいえ、だんだん要求が多くなっていて、正直困っています。
とはいえ、だんだん要求が多くなっていて、正直困っています。
ノアの声には、状況の複雑さがにじんでいた。 つづく
オリバー君のマネージャー アレク・グリフィス 業界でも有名な敏腕マネージャー アイドル、モデルなど幅広く手掛ける 彼の強いこだわりが周囲を困らせることもある