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なおきりの生まれ育った家は至って普通だった 至って普通な…はずだった
なおきりの過去
優しい両親の間に生まれ 一人の妹がいる
何処にでもいる普通の家庭
そんな中で初めて違和感を持ったのは中学になったばかりの頃
なおきり
母
なおきり
母
母
なおきり
母の言った”世間”という言葉が頭に引っかかった
そして違和感が確信に変わったのは
妹の”まお”が中学三年生のとき
まお
母
まお
まおが喋っているのを遮るように 母さんがまおの頬を殴った
母
母
母
そのとき漸く理解した この人は僕たちのことを 周りからちやほやされるための ”道具”としてしか見ていない
なおきりに電話がかかってきた日
なおきり
母
母
なおきり
母
母
母
母
母
あなたのせいよ
そこで電話はきれた
電話の後なおきりは急いで家に帰った
走ってきた直後で少し息が荒い
なおきりが帰ってきても 母親は見向きもせず俯いている
なおきり
なおきりがそう言うと同時に
何かが抉れる嫌な音がした
なおきり
なおきりの右腕に包丁が刺さった
母
母が刺さった包丁をそのまま下へ振り下ろす
なおきり
なおきり
しかし、なおきりの言葉はもう母親には届いていない
母
母
母
母
半狂乱になりながら 勢いよくなおきりの左耳を殴る
痛さで、罪悪感で、なおきりは声が出せなかった
なおきりは背中から倒れた その上に馬乗りになって母親はなおきりを殴り続ける
先ほどの衝撃で左耳がほとんど聞こえない
それでも…そんな中でも聞き取れてしまった
母
その言葉を聞いた直後 右目の辺りを殴られ意識を手放した