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7 - かの主は贖罪の為に身を投げるも、それはただ絶望の引き金にしかならなかった。

♥

111

2023年07月24日

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かの主は贖罪の為に身を投げるも、 それはただ絶望の引き金にしか ならなかった。

☕️

彼の生きる理由が消える。

そして彼は思い出す、

絶望の味を。

絶望の淵から掬い出す手はもうない。

⚔️

かつて友をこの手で葬り、 そして目の前で守りたい人が 自ら命を絶った。

その強烈な絶望に耐えきれず 記憶を閉ざす。

今日も彼は主の帰りを待っている。

🍽

大切な主を失い、怪我は彼の腕を 使い物に出来なくしてしまった。

生きがいを失い、 ただイタズラに日々は過ぎる。

ロノ

…俺、なんで生きてるんだろう

✝️

元々、自身にも他者にも厳しかったが、 それにさらに拍車がかかる。

特に自身を甘やかすようなことは 一切しない。

洗濯物は棚にしっかり仕舞われ、 料理も美味くなった。

…彼の隙はどこに行ったのだろう。

🦋

蝶は魂の運び手。

それを知ってからの彼は 蝶の標本を作るのが趣味になった。

ひたすら、捕まえて、捕まえて。

針を刺す。

逃がさないと言うように。

その時だけ、彼は満足気に笑うのだ。

‪🦾

怪我なんてどうって事ない。

痛みなんてもう慣れた。

独眼なんてただのハンデ。

その彼が唯一 耐えられなかった絶望。

一生を捧げたいと、大切にしたいと。思っていたのに。

🌹

お母様が好きだった薔薇。

主様が好きだった薔薇。

美しいと、華やかだと。

背中の薔薇が鮮やかさと 毒をさらにたたえる。

彼の贖罪が今日も聴こえる。

🍷

主を助け出すための最善を探す。

でも探しても、探しても最善が、

生存が見つからない。

この高さじゃ、 水面に叩きつけられて。

怪我の痛みなんて無視して 必死に探そうとする。

🔑

何度も死を目の当たりにした。

何度も命を刈り取った。

でも凄惨なその下を見た時、 何かが込み上げ吐いてしまう。

ナック

違う、
主様はもっと美しくて、

ナック

あれは、

ナック

下にある"アレ"は、
主様じゃない、

ナック

そうだ、絶対に主様じゃない。

🌟

この怪我は主様を守った名誉の傷。

痛みすら誇らしいのに、

主様は違った。

ラムリ

なんで?

ラムリ

ねぇ主様、答えてよ。

ラムリ

僕の世界は主様とルカス様で
占められているのに、

ラムリ

この半分の隙は
どうすればいい?

ラムリ

主様、主様。

ルカス

...ラムリ君。

ルカス

…聞こえてないね。

🕯

主が亡くなってから 火を見る時間が増える。

ぼんやりと、 虚ろな眼で眺めている。

そんな日々が続き、 ある日ミヤジが屋敷から消える。

捜索するも見つからずにいると 街の人にこんな話を聞く。

廃墟の教会で

火災があった

🧵

ラト

あれからフルーレは
主様へのお洋服を作っています

ラト

でも、
腕の怪我は癒えなかった為に
上手く作れなくなって
しまいました。

ラト

それにイラついて前以上に
神経質になりましたねぇ。

ラト

ねぇ、ミヤジ先生。

ラト

壊してあげた方が
フルーレの為になりませんか?

❤️‍🩹

主が飛び降りる瞬間、 何者かが腕を掴む。

ラトだ。

そしていつもの笑顔で言うのだ。

ラト

ダメですよ、主様。

ラト

勝手に壊れちゃ。

ラト

ほら、私も一緒に壊れて
あげますから。

2人の身体が宙を浮き、

2人で笑いながら水面に

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。・°°・(>_<)・°°・。

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