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ゆあん
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ゆあん
__最悪だ。
遡ること1ヶ月前。
まず第一に俺はごく普通の高校生だ。 転校してきたばかりであまり人と 話すのを得意としていなかった俺 赤城ゆあんはそんな不慣れだった学校 生活の中で1人の友人ができた。
窓際の席に座って1人で読書という 俗に言う''陰''を貫いていた俺にも 気さくに話しかけに来てくれて 初めて話した時にお互いの趣味が合致 した事からよく話すようになった。
そいつのおかげで部活にも入り 必死に努力した結果のその功績が 認められ話しかけてくれる人が増えて 徐々にクラスメイトと打ち解けていく ことが出来たのだ。
そんな親の次と言っていい程には 感謝している人間。
そんな親友からの、 ある日の唐突なお願い。
友人
ゆあん
友人
ゆあん
友人
ゆあん
この時はなんの事だかよく分からず 適当に相槌を打った覚えがある。 ただ単純に 「困っている親友を助けたい」 そんな心内だ。
…………それがまさか こんな事になるなんて。
友人とその話をした 約1ヶ月後事件は起きた。
学校のない休日その日は たまたま部活も無く完全インドア派な 俺は外へ出ずに家でごろごろと 優雅な休みを過ごしていた。
そんな中珍しく鳴ったインターホン。
だけど多分、それが間違いだった。
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……いやまあ今思えばこの人達 なら開けなくとも無理やり入って きたんだろうけどさ。
ゆあん
ドアを開けた瞬間目の前に現れた のは図体がでかく明らかに 一般人とは言えないようなスーツに 身を纏った複数人の男。
この時の俺は何が起きているのか 全く分からずただ相槌を打つこと しか出来なかった。
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ゆあん
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ゆあん
男が発した1人の名前。
それは俺の親友のであり恩人でも あるよく知った名前だった。 …………なんか嫌な予感がする。
いや、だけどそんな訳…………。 何かの間違えでは無いのかと 僅かに抱いた希望は次の瞬間 打ち砕かれる事となる。
友人
ゆあん
友人
男がにやりと不敵な笑みを 浮かべながら押し出すようにして 俺の前まで運んできたのは ゲホゲホと咳き込み苦しそうにした 俺の友人だった。
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ゆあん
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ゆあん
まさか。
流石の俺でも目の前の怪しい男 から信頼していたはずの親友の名前と 傷だらけになったその親友が 出てくれば全てのことを悟る。
…………1ヶ月前のあれ連帯保証人と して名前貸せってことだったのかよ。 なんてこの状況下で後悔しても もう遅かった。
ゆあん
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ゆあん
ゆあん
友人
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ゆあん
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友人
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ゆあん
瞬間男は友人の腹に向かって 蹴りを入れた。 そこ容赦なさと力強さに その友人はそのまま一瞬で 意識を飛ばしてしまった。
……こいつら血も涙もない 糞野郎だな本当に。
ゆあん
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ゆあん
蹴りが入った反動でこちらの方まで 転がってきた友人を庇いながら 男を睨みつけるようにして話す。
今頭に浮かんできているのは 恐怖よりも怒りだった。
友人が俺を勝手に連帯保証人に した事に対する怒りでは無い。
俺の友人をここまで傷だらけに した男共に、だ。
お人好しすぎると言われるかも しれない。だけど正直気絶する前の 友人の反応を見る限り悪気が あった訳では無さそうだった。 …………いやまあ何も言わずに 連帯保証人にしたのは悪いんだけどさ。 でもこの友人の内の性格は 親友である俺がよく知っている。 俺になすりつけようとした上 での行為ではないと。
ゆあん
今ここで俺が逃げたら友人の命は すぐにでも無くなるんだろう。 ……まあ結局逃げれもしないのだが。
__友人の命と、俺の平穏。 名残惜しいが今どちらの方が 大切かなんて明白だった。
ゆあん
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ゆあん
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ゆあん
とまあこのようにして今に至る訳だが。
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ゆあん
''身体を張る''
やはり予想はしていた。
今までは平凡な学生''だった''はずの俺。 当然今あるお金で返せる訳が無い。
となるとやっぱりこいつらに 提案された方法しかない訳で。 ''そういう''意味というのは恐らく 俗に言う男専門の風浴店に出される ということなんだろう。
こんな展開ドラマとかで 見た事あるなぁ…… なんて場違いな事で考えつつ まだマグロ漁船に出されるだとか 臓器売られるとかよりかは 良かったのかななんて 無理やり納得させる。
ここまで来た俺はもう諦めの境地だ。
うわぁ……。 どこの誰かも分からない奴に 抱かれんのかな、俺。 しかも毎日。
ほんっと、最悪だ。
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ゆあん
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ゆあん
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リーダーらしき男を先頭に 後ろにいた取り巻きの奴らに 両サイドを陣取られ更には背後にも 配置される完全体制。
逃す気は無いって事かよ笑
……もう全て諦めるしかないか。
ばいばい、俺の青春。 なんか売られるみたいだわ。
青春が売春に……なんちって笑 そんなくそほど笑えないボケに 何とか苦笑いしてみる。
自分のこの先の人生を表したか のように真っ黒で治安の悪い車に 案内され抗うこともせず そのまま乗り込もうとした。
だが、そんな時___。
???
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いきなり背後から声がして 俺が振り返る…… より先に勢いよく振り返ったのは 俺が囲んでいた男達。
更に次の瞬間俺の事なんて そっちのけで前へ1列に並べ そのやってきた男に対して 深く頭を下げていた。
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ゆあん
ボス…………? こいつらの1番の リーダーなのだろうか。
高級感に溢れた上着に身を纏い この場にいる誰よりも身なりと その容姿が整った男。
だがいくら凝視してみても このボスと言われている男の方が 明らかに若かった。 今深く頭を下げている奴らの方が 長く生きている様にも思えるが。
年齢は関係ないのか…?
……一体どういうことなのだろう。
…………てか俺これ逃げれちゃうよ? いいの?
先程まで俺も囲っていた男達は 俺より前に出て更に先にいる 若い男の方を向いているので 今こちらに背を向けている状態。 その男達との距離ができた おかげで俺の自慢の足を使えば このままここを去れそうだ。
だが瞬間そんな俺の意図を 見抜いたかのようにボスと言われる この男の視線がこちらへと移った。
???
ゆあん
???
ゆあん
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???
ゆあん
黙ってやり取りを見ていると 若い男がこちらへゆっくりと 歩いてきてそのまま男を近づけながら じっと見つめてきた。
やはり近くに来られると威圧感が 凄く思わず息を飲む。 …………これがボスか。
そして時間にして数秒にやりとした 笑みを浮かべ近づいたそのままの距離でその男が信じられない事を発した。
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ゆあん
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ゆあん
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ゆあん
まるで状況が理解できなかった。
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ゆあん
???
???
ゆあん
見た目に反し随分と明るく時には 能天気で時にはとんでもない威圧感を 放つこのよく分からない男に 脳は振り回されっぱなしだ。
……だけどとりあえず身体を 売ることは免れたのだろうか……? もしそうならだいぶ良いのでは。
そう思うことで何とか混乱する 頭の中を処理し若い男にいそいそと 背中を押されながら先ほど 乗せられそうになっていた黒い車 とはまた別の車に乗せられて そのまま発進した。
移動中も俺の隣に座って にこにこと楽しそうにしている ボスと言われるこの男。 何を考えているのか分からず 一周回って1番怖い人物である。 俺は一言も発せず ただ必死に考えていた。
この人たちは 何をしている人なんだろう。
……借金の取り立て?……ヤクザ? 暴力団……じゃないといいな。
このボスのここまでの 雰囲気を見ればそこまで怖い集団でも ない気がするのは気の所為だろうか。
???
そんな事を悶々と考えている うちに目的地に着いたらしい。
ゆあん
だが車を降りた所で目の前に 広がったのはいかにもというような 見上げるほどの大きく怪しい建物。 流石に広すぎてビビった。 家何個分だよこれ。
そしてその建物内へと入っていく 途中遭遇する全ての人が 横を歩くこの若い男に向かって 深く頭を下げていく。
…………マジでボスなのかこの人。
心のどこかで性格が ここまで明るいのなら… と疑っていた俺はここに来てそれを 実感し改めて大きな衝撃を受ける。
???
???
???
ゆあん
そして後には更なる 衝撃の事実に後悔することとなる。
コメント
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新ストーリーどどんどん恋が実る予感‼️
神作確定演出(?)!!!✨✨ 続き楽しみにしてます😆
うゎー続きめっちゃ楽しみぃー⋆⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝