リグリス
ったく、ケチなジジイだぜ。
リグリス
もう一晩泊めてくれたっていいじゃないか!
ガヤガヤ…
リグリス
ちっ…
リグリス
[そろそろ故郷を出て半年か…]
リグリス
[この生活にも慣れてきたな…]
少年、リグリス・リースは、道端の石を蹴って空を見上げた。
安い宿や住み込みで働ける場所を転々として来た生活にも慣れてきた頃。
リグリス
[宿代が1晩分払えなくたって良いじゃないか]
リグリス
[せっかくあそこ気に入ってたってのに…]
リグリス
[街人も全員つめてーし…もううんざりだ…]
リグリス
はあぁぁ…
もう今日何回目のため息か分からない。
ただ、故郷に帰りたい…そう思った。
でも、そんな弱音は吐いていられない
ここで生きていくと決めたからには、最後まで生きる。
リグリス
諦めないからな…
何千回目の決意かは忘れた。
しかし、そんな数多の決意のうち
[この時]だけは、運命がリグリスを見ていたようだった。
ふと、空がキラリと輝いた。
そんな気がして見上げた先には、大きな鐘。
それを包容するのは、立派な建物。
リグリス
…?
リグリスと同じ年幅の者たちが、どんどん門の中へ歩んでいく。
案内人
入学先の方はこちらでーす!
案内人
こちらにお並びくださいね〜
リグリス
!
門を潜ると、そこには
キラキラと輝く噴水。
これでもかと磨きあげられた像。
様々な色の、満開の花。
リグリスは、人混みをかき分けながら受付へと進んだ。
リグリス
あの、ええと…入学生なんすけど
案内人
あら、ではこちらのローブをどうぞ!
案内人
我が魔法学校の学生である証です♪
リグリス
ありがとうございます…
リグリス
[俺は、思い立ったらすぐに動く。]
リグリス
[後先考えないから、多分大変な事になると思う]
リグリス
[これが悪癖なのも、知っている。]
リグリス
[けど、それでも]
ザッ
リグリス
[動かない事には、何も始まりはしないから]
ただ、
優雅で自由に歪曲する水。
重厚な音を立てながら人々を目で追う像。
祝うように花弁を撒き散らす花々。
そして…
キラキラと輝いて、人々を虜にする[魔法]
それだけが、リグリスを夢中にさせたのだった。
これは、ある1人の[少年]と
その仲間達が、世界を救う話。






