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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

ガンッバンッ

ムーチョ

お前なかなかやるな

神坂琴音

あんたもね。

神坂琴音

私ここまで追い詰められたことあんまりないんだよ?

ムーチョ

そうか。

ムーチョ

なんでお前は麻倉彩乃の味方をする?

神坂琴音

は?

神坂琴音

んなの決まってんじゃん。

神坂琴音

あの人は私を外に連れ出してくれた人だからな。

ムーチョ

神坂琴音

少しだけ私の過去を教えてやるよ。

私の家は和の家元【神坂家】だった

私はそこの28代目の巫女として産まれた

周りの大人は私を私として見てくれない

神坂母

いいですか。琴音

神坂母

貴方は神坂家の87代目の巫女なのです。

神坂母

貴方の意思はこの家には必要ありません

母がそう言った時

私は悟った

この家にいる限り

私は私を殺さないといけなくなる

だから一回逃げた

逃げて、逃げて、逃げた

でも、すぐに捕まった

それから私はずっと監禁された

心を巫女にするために

そんなある日だった

彩乃がうちに来たのは

コンコン

神坂琴音

!?

私はこの時から耳が良かった

小さな音を探り出せるぐらいに

玄関の方からだった

麻倉彩乃

この家のお庭にボール落としちゃったの!

麻倉彩乃

とってもいいですか?

神坂母

いいわよ。

神坂母

急いで取ってね。

麻倉彩乃

はーい

足音が向かってくるのは 私の監禁されてる部屋のところだった

ボールを取り終わったのか

帰ろうとした足がピタッと ドアの前で止まる

麻倉彩乃

失礼します。

ドアを開けて入ってくる

その時のことは鮮明に覚えてる

麻倉彩乃

貴方なんでここにいるの?

神坂琴音

・・・

麻倉彩乃

お名前は?

神坂琴音

・・・

麻倉彩乃

私、麻倉彩乃!

神坂琴音

・・・

麻倉彩乃

んー

私が何も答えないからか

彩乃は考え出した。

その時

神坂母

貴方何をやってるの!

母が部屋の中に入ってきた

神坂母

早く出ていって!

やっぱりこうなる

心の中で期待しなくて良かったと 感じる自分がいた

麻倉彩乃

あの、少しいいですか?

神坂母

何?

麻倉彩乃

なんでこの子はこの部屋に閉じ込められてるの?

純粋な質問だ

普通は気になるよ。

神坂母

この子は我が家の87代目の巫女なの!

神坂母

巫女は神と対話をするため孤独でないといけないの!

麻倉彩乃

なんで?

神坂母

初代がそう言ってたの!

麻倉彩乃

初代もだけど孤独じゃないよ。

神坂母

!?

神坂琴音

!?

何を言ってるのか意味がわからなかった

初代が孤独じゃないなんて 今の人には分かるわけがないのだから

神坂母

何を馬鹿な!

麻倉彩乃

だって孤独なら87代目まで続くわけがない

神坂母

!?

神坂琴音

!?

麻倉彩乃

孤独じゃなくて誰かと支え合えたから出来たんだよ。

麻倉彩乃

神様はね。

麻倉彩乃

対話なんてしなくていいの。

麻倉彩乃

だってね。私の心にもいるもん!

麻倉彩乃

神様!(^^)

神坂母

!!

神坂琴音

!?

この時は驚いた

家の人も父ですら母には逆らわなかった

母が86代目の巫女だったから

麻倉彩乃

誰かとの縁が神様と私たちを繋いでくれる

麻倉彩乃

神様も孤独じゃないの。

麻倉彩乃

12支の物語に出てきた子達はみんな神様の友達なの

麻倉彩乃

神様は人間では1人でもお友達と呼べる12支がいたから孤独じゃない

麻倉彩乃

貴方は孤独だったの?

母に問いかけたその目は 暖かくて優しかった

神坂母

貴方の言う通りだわ。

神坂母

私は今の旦那に出会うまで1人だった

神坂母

周りの人も信用できないくらい

神坂母

私の旦那も言ってた

神坂母

人の縁があるから神がいるんだって

神坂母

私も信じてたはずなのに

神坂母

人との縁を

麻倉彩乃

なら、今からやり直せばいいの!

神坂母

今から?

麻倉彩乃

うん!

麻倉彩乃

大人も間違えがある

麻倉彩乃

それを気づかせてくれるのが子供の仕事だってお母さんに言われた!

神坂母

!?

神坂母

貴方はとてもいい子ね

そう言って母は私の監禁を解いてくれた

神坂母

遊んでらっしゃい

神坂母

なるべく怪我はしないように

神坂琴音

お母さん

その時の母の目はいつもと違う

優しくて暖かい目だった

その日から母も家の人もみんな 私のことを大切にしてくれた

でも、1番は彩乃が私を私として 見てくれたことが何より嬉しかった

神坂琴音

だから、私は彩乃の笑顔が好きだ!

神坂琴音

いつも楽しそうに無邪気にしてる彩乃が好きだ!

神坂琴音

心の底から

神坂琴音

人を思いあえるあの子が大好きだった

ムーチョ

・・・

神坂琴音

でも、壊された

神坂琴音

あの笑顔が消えた

ガンッ

神坂琴音

彩乃のあの笑顔が

神坂琴音

私の希望が

神坂琴音

消えたんだよ!

ガンッバキッ

ムーチョ

グッ!

神坂琴音

彩乃は人のことばかりで自分のことは二の次だった

神坂琴音

だから私は彩乃を守らないとと思った

ガンッ

ムーチョ

ガハッ!

神坂琴音

あの時の彩乃の笑顔が取り戻せるなら私はなんだってする

神坂琴音

人を殺すことにも躊躇しない

神坂琴音

それが私の彩乃〔初恋〕に対する忠誠だ!

ムーチョ

っ!

神坂琴音

あの子は知らないだろうな。

神坂琴音

あの子の笑顔が私らの救いだったことに

俺らはアイツを信じなかった。

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