テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
繰り返す日常
何も変わらない日々
そんな人生に退屈をしていたっけ
昔はずっと辛くて手一杯だった
今は、ずっと光へ進んでいる
俺は何かの“変化”を求めていた
そんな俺に希望の一筋の光が差す
そんなお話
タイマーの音が部屋に響く
その音で、俺は目覚める
おんりー
重く鉛のような体を起こし
カーテンを開ける
あぁ…そうか、今は…
花弁が舞う季節だった
今日はまた全てが変わる日らしい
窓を開けてみると、一つの花弁が部屋を舞う
そんな光景に何も感じない
俺は高校3年生になる
でも、この流れは何度も見た
繰り返しがとても長い
外は、まだ朝の光が薄いままで人はまだいない
でも、それも良いものなのだろう
おんりー
考え事して時間を無駄に使ってしまった
そんなことどうでもいいのに
急いで窓を閉めて、キッチンへと向かった
数分後、良い香りがキッチンを包む
最近この匂いは嗅いだから、何も感じない
今日も、味噌汁、ご飯、夕飯の余り物で良いや
味噌汁を煮込む音はとても居心地が良い
と、そんなことを考えている間に
完成したので、朝食をしようと
リビングへ向かった
おんりー
もういない母親から教えてもらった
礼儀の作法はしっかりとするタイプだ
もう退屈でつまらないけれど
1人、静かに食べる音が聞こえる
俺以外、家の中でおはようと言う人はいないだろう
そして、味はしないので、特にこだわらない料理
そんな料理を俺は今、腹に満たしていく
おんりー
箸を置いて、手を合わせる
そんな小さな細かな音も精細に大きめに聞こえる
俺は、昨日のうちに準備をしておいた
学校のカバンを背負って、家を出る
玄関でよく見る家族写真のあの頃に戻りたい
でも、叶わない
家を出ると、雨のような花弁が俺を迎える
そんな花弁の道には、新入生達がたくさん歩いている
その笑顔を見るたびに、なぜか胸が苦しい
俺は、鉛のような足を懸命に動かして、学校へ向かう
その際も、走る音や喋る音、なんでも聞こえた
でも、笑い合う声はどうしても胸を苦しめる
いつの間にか学校の目の前で驚いたが、よかった
これでやっと、うるさい音から逃れれる
うるさいのは嫌いなんだ
教室に入ると、みんな騒いでいてうるさかった
挨拶も何も返ってくることなく、席に座る
早めに授業の準備をした
この時間帯が一番嫌でもある
いちいちうるさくて、…あぁ…
街の景色は、桃色に染まっていた
やはり変わり目の季節だからだろう
俺は、静かに暖かな風に浴びる
午前の授業はやり切った、あとは午後だけと思いたいが…
俺はサボることにした
面倒だし、分かるから
あと…
人と関わりたくない
触れてほしくない
俺にも安息に休める場所を教えてくれ
急にドアが開いて後ろを振り返る
そこには、俺の運命を変える者がいた
おんりー
俺は、鋭い目つきで、彼を見つめる
おおはらMEN
俺よりもかなり身長が高めな男が笑いながら近づいてくる
少し身構えて、後退りをしてしまう
おおはらMEN
おんりー
おおはらMEN
おんりー
おおはらMEN
おんりー
おおはらMEN
おんりー
おおはらMEN
おんりー
退屈…って
おおはらMEN
おんりー
おおはらMEN
そうだったんだ…
虚ろだったのか…
おおはらMEN
彼の声は心配で染まっている
おんりー
おおはらMEN
そして、沈黙の空気が流れていく
おんりー
てっきり、うたた寝をしていた
それは、紅く輝いている
体を起こそうと体を見ると
うちの学校の上着のブレザーが俺の体を覆っていた
これは、誰が掛けてくれたのだろう
そう思い、名前を見る
大原芽衣
あぁ…彼だったのか
返さないとまずいな
俺は、体を起こして、大原の上着のブレザー
荷物を持って、学校を後にする
街は、赤焼け色で染まっている
桃色の花弁も、その光に照らされつつ空を舞う
街は、だんだんと静かになっていく
変わらない生活はもううんざりだ
俺は、気がつくと、もう布団にいた
時間が経つのは遅くて、ぼーっとしていたら
いつの間にか全てが終わっていた
あと、大原に返さないと…
そう考えていたら、眠りに落ちていった