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愛してるのに、愛せない

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愛してるのに、愛せない

1 - 愛してるのに、愛せない

♥

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2018年10月10日

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瑠璃

っ…………

朝目を覚ますと涙を流している

そういうことが時々ある

また、あなたの夢を見た

いつだっけ

あなたと出会ったのは…

確か、今のような雨の日だった

小さい頃、私は雨が大好きだった

お気に入りのカッパに長靴

瑠璃

あめぇあめぇふれぇふれぇ母さんがぁ~♪

歌を歌いながら

公園に向かった

どれくらい遊んだだろうか

いつの間にか雨が強くなっていた

──屋根で雨宿りしよっ

さっきまでのテンションは どこにいってしまったのだろう

長靴の中にも雨が入ってきて

カッパもびちょびちょ

瑠璃

はぁ……

いつの間にか

瑠璃

zzz…

眠りについていた

目を覚ました時にはあなたの家にいた

???

あっ起きた!

1番最初にあなたの顔が見えた

???

大丈夫?

まだ私は小さかったため なんと返せばいいか分からなかった

???

これ、飲む?

くれたのは

瑠璃

ココアだぁ~!(ニコッ

???

(ニコッ

???

よかった!喜んでくれて!

──温かい…

──ココアってこんなに おいしかったっけ…

???

そろそろ家の人が来てくれるはず…

瑠璃

………

瑠璃

やd……

???

瑠璃

やだ…

瑠璃

帰りたくない

私はどうしても家に帰りたくなかった

???

なんで?

私の家はお金持ちで

お父さん、お父様は会社の社長

お屋敷のような家に住んでて 執事も何人かいる

私は家にいる人全員が嫌いだった

1人の執事の原田さんだけが 大好きだった

原田さんだけが私に優しくしてくれる

ほかの人たちは私をいじめてくる

『このドレスを着なさい』

『さっさと車に乗りなさい』

私だって遊びたい

周りにいる子たちが 羨ましくてたまんなかった

だから雨の日だけ お屋敷から抜け出して遊んだ

???

そうだったんだ…

???

あそこのお屋敷の子か…

あなたはなぜか悲しい顔をした

???

ごめん…

❬ピンポーン❭

???

あっ来たよっ

瑠璃

原田さんだといいなぁ

???

次雨が降ったときは俺と遊ぼうな?

瑠璃

うんっ

──じゃあね

心の中で、そう呟いた

  

次、目が覚めた時には 自分のベッドの上にいた

原田さん

お嬢様、お目覚めになられましたか

瑠璃

原田さん…

原田さん

先ほどの西島様の家ではおとなしくしてましたか?

瑠璃

うんっ

瑠璃

ココアくれたよっ!

原田さん

それはよかったですね

原田さん

あまり危険な事はなさらないでくださいね?

瑠璃

わかったぁー!

──原田さんは優しいな…

いつの間にか雨はすっかりやんでいた

元気よく遊んでいる 子供の声が聞こえる

瑠璃

いいなぁ…

──私も普通の子に生まれたかった

──早く雨、降らないかな

──あの人と遊びたい…

私の遊び相手は 原田さんしかいないと思ってた

でも、今はあなたもいる…

雨が降ったときは

家を飛び出していきそうだ

瑠璃

いってきまぁーす!!

やっと雨が降った

──あの人、来るかな?

──でも、この前約束したもんね

──大好きなあの人に会えるんだ

──?

──大好きな人……?

???

あっ!来たっ!

瑠璃

あ!

???

(ニコッ

???

何して遊ぶ?

瑠璃

おにごっこ!!

???

いいよ!

──名前、聞きたいな

???

あ、そういえば自己紹介したっけ?

瑠璃

いや、まだです!

???

ほんと、ちっちゃいのにきちんとしてるね!

瑠璃

////

???

俺は西島翔太。12才の中学1年です。

瑠璃

私は長谷川瑠璃で、えっと…9才の小学3年生で…えっと………

翔太

瑠璃ちゃんって言うんだ!

瑠璃

うん///

翔太

おにごっこしよ!

瑠璃

うん!!

瑠璃

笑笑

瑠璃

翔太くんおもしろいぃー笑笑

翔太

笑笑

翔太

あっあれ、原田さんじゃない?

瑠璃

あっほんとだ!

翔太

帰るの?

瑠璃

うん

翔太

そっか…

瑠璃

今日はありがとう!!

翔太

また遊ぼうな?

──ドキッ

瑠璃

う、ん///

この時、翔太くんが

大人っぽく見えた

原田さん

楽しかったですか?

瑠璃

うん!

原田さん

それはよかったです

なんで気付いていなかったのだろう

この時、あの人に気づかれていたなんて

瑠璃

雨だ!

原田さん

よかったですね

瑠璃

いってきまぁーす!!

パシッ

瑠璃

???

お父様

ちょっと待ちなさい

お父様

なに勝手に抜け出してるんだ

瑠璃

……

お父様

あれだけダメだといっていただろ

瑠璃

ごめんなさい

お父様

最近、公園に行ってるらしいが

瑠璃

はい…

お父様

誰か友達?でもできたのか

瑠璃

………

お父様

誰だ

瑠璃

………

お父様

まあいい。原田もクビだな

瑠璃

えっ…なんで…

お父様

あいつもお前にあますぎる

瑠璃

や、やだ……っ

お父様

お前が悪いんだぞ

お父様

しょうがない

瑠璃

っ……

瑠璃

これ以上外には出ないので原田さんだけはクビにしないでください……っ

お父様

お前はそれでいいのか

瑠璃

!?

お父様

もしかしてその友達?が好きになった……のか…?(笑

瑠璃

そ、そんなこと…

お父様

ハッハッハ!!!!

お父様

ああいう奴らと俺ら金持ちは別世界だ

お父様

もうお前には結婚相手が決まってるからな(笑

瑠璃

そ、そんな…

お父様

まあ原田はそのままにしとくよ

バタンッ

そういって部屋を出ていった

──すでに結婚相手が決まっている…

──外にも出られない

──なんで今気づいたの…

──あの人と私は結ばれる運命じゃないんだってこと…

トントンッ

原田さん

お嬢様~

原田さん

今、お父様から、結婚相手を紹介するということで…ドレスに着替えろと………

瑠璃

…っ……わかりました

お父様

あっやっときたか

お父様

この人がお前の結婚相手、糸井政弘さんだ

政弘

初めまして。お父様が紹介された通り、糸井政弘です。

お父様

じゃ、これで俺は失礼するよ

政弘

はい

バタンッ

政弘

あの、瑠璃さん、ドレス、素敵です。

瑠璃

ありがとうございます…

政弘

緊張しすぎてやばいっ(ニコッ

──笑顔……

瑠璃

あの、ほんとに私の結婚相手なんですか

政弘

え、あ、はい////

瑠璃

………

政弘

あ、えっと、……

政弘

キスしていいですか!?!?

瑠璃

はい?

政弘

あ、すみません///

政弘

結婚するってなったら……えっと…すみません///

この時思った

ちょっとおっちょこちょいで 面白そうな人だな、と

瑠璃

でも…

政弘

瑠璃

あ、すみません…

──でも、私にはあの人しか……

──翔太くんしか…

政弘

瑠璃さんは小学3年生ですよね

瑠璃

あなたは?

政弘

中学1年生です

──翔太くんと一緒だ…

瑠璃

あ、そうなんですね

政弘

………

瑠璃

…………

このまま沈黙が続き、 気まずい空気になった

政弘

あ、じゃあそろそろ僕、いきますね

瑠璃

はい

政弘

じゃあ、また、

瑠璃

はい

バタンッ

瑠璃

はぁ……

──なんだよ

──もう、やだ…

お父様

どうだ?政弘くん、カッコいいだろ?

瑠璃

……ハイ…

お父様

あの人の親が俺と仲がよくてな~

瑠璃

…………

お父様

これからは政弘くんと一緒に暮らすから、お前はここの家とはおさらばだ。

瑠璃

え、私まだ9才なのに……

お父様

大丈夫だ

お父様

お手伝いさんをたくさんつけるからな

瑠璃

原田さんも?

お父様

原田は俺の家の手伝いだからな

瑠璃

え、

──引っ越したら、原田さんがいなくなる

──翔太くんとももう会えない…

お父様

明後日に引っ越す予定だからな

瑠璃

……ハイ…

ここで「いや」と言ったらひどい目にあいそうだったから

「はい」としか答えられなかった

──どうすればいいの…

雨が強くなってきた

──もしかしたら翔太くんがいるかもしれない……

原田さん

お嬢様、外にでないと、約束したんですか

瑠璃

うん……

原田さん

私のことなどどうでもいいのに…

瑠璃

原田さんはいつも優しいね

原田さん

私はお嬢様が笑顔になってくれればいいのです

原田さん

なので、私はクビになっても、お嬢様が笑顔になってくれればそれでいいのです

瑠璃

原田さん……

原田さん

ほら、外に行って遊んできてください

原田さん

私が全て責任をとります

瑠璃

原田さん…

原田さん

西島さんと会えるといいですね(ニコッ

──原田さんの笑顔、久しぶりに見た

瑠璃

ありがとう……(ニコッ

──原田さんはいつでも優しい

私は家を飛び出した

瑠璃

いるかな……?

翔太

あっやっと来た…!

ギュッ

翔太

え?/////

瑠璃

…っ

翔太

泣いてる?

翔太

大丈夫?

瑠璃

ごめんなさい…っ

翔太

え…?

瑠璃

ほんとにごめんなさい…っ

翔太

え、

翔太

ちょ、ちゃんと話そ?

瑠璃

うん……

瑠璃

あのね…

瑠璃

私、結婚相手がいるの……

翔太

あ、やっぱり……そうなんだね……

瑠璃

それで明後日に引っ越すことになった…っ

瑠璃

だから明日雨が降らなかったら今日で最後。

翔太

え……

瑠璃

本当にごめんなさい…っ

ギュッ

瑠璃

え……?///っ

翔太

謝らないで

瑠璃

だって私がわるi…っ

翔太

悪くない

翔太

瑠璃は悪くない

──いま、瑠璃って呼んだ…

瑠璃

だって……っ

翔太

好き

瑠璃

え……?

翔太

大好き

瑠璃

……っ

翔太

でもごめん…

翔太

俺が悪い……

翔太

かなわないのは分かってる

翔太

分かってるんだけど…

翔太

言いたかった……

瑠璃

……っ

瑠璃

私も好き

瑠璃

大好き

瑠璃

大好きなんだよ?

瑠璃

大好きなんだけど……っ

翔太

わかってる

翔太

ありがとう……

瑠璃

こっちが言いたいよ

瑠璃

ありがとう。

翔太

(ニコッ

瑠璃

(ニコッ

お父様

おい

瑠璃

!?

お父様

なにしてんだ?ここで

瑠璃

お父様…

翔太

え、お父さん…?

お父様

あれだけ言ったのに…!

瑠璃

あ、……

バチンッ

瑠璃

い…たっ………

翔太

大丈夫!?

翔太

ちょ、、

翔太

さすがにお父さんでも叩くのは……

お父様

だまれっ!

お父様

お前もほんとだめな女だな

瑠璃

っ……

お父様

お前はこんな男と結ばれる運命じゃないんだ!

翔太

お父様

はやく乗れっ

瑠璃

瑠璃

……は…ぃ…

翔太

っ……

翔太

ごめん……

チュッ

瑠璃

!?

お父様

なっ…!?

翔太

ありがと、大好きだから

お父様

早く乗れっ!!!!

瑠璃

………

──私も大好き。

──ありがとう

今、あなたは何をしているんだろう

こんな昔のこと、 思い出してもどうにもならないのに

でも、雨が降ったら必ず思い出す

今では雨が嫌い

あなたを思い出すから

あなたを思い出すたびに

『だめだ、思い出したらだめ』

そう思い、胸が締め付ける

でも、好きなんだ

大好きなんだ

ありがとう。

ありがとう。。

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