瑠璃
朝目を覚ますと涙を流している
そういうことが時々ある
また、あなたの夢を見た
いつだっけ
あなたと出会ったのは…
確か、今のような雨の日だった
小さい頃、私は雨が大好きだった
お気に入りのカッパに長靴
瑠璃
歌を歌いながら
公園に向かった
どれくらい遊んだだろうか
いつの間にか雨が強くなっていた
──屋根で雨宿りしよっ
さっきまでのテンションは どこにいってしまったのだろう
長靴の中にも雨が入ってきて
カッパもびちょびちょ
瑠璃
いつの間にか
瑠璃
眠りについていた
目を覚ました時にはあなたの家にいた
???
1番最初にあなたの顔が見えた
???
まだ私は小さかったため なんと返せばいいか分からなかった
???
くれたのは
瑠璃
???
???
──温かい…
──ココアってこんなに おいしかったっけ…
???
瑠璃
瑠璃
???
瑠璃
瑠璃
私はどうしても家に帰りたくなかった
???
私の家はお金持ちで
お父さん、お父様は会社の社長
お屋敷のような家に住んでて 執事も何人かいる
私は家にいる人全員が嫌いだった
1人の執事の原田さんだけが 大好きだった
原田さんだけが私に優しくしてくれる
ほかの人たちは私をいじめてくる
『このドレスを着なさい』
『さっさと車に乗りなさい』
私だって遊びたい
周りにいる子たちが 羨ましくてたまんなかった
だから雨の日だけ お屋敷から抜け出して遊んだ
???
???
あなたはなぜか悲しい顔をした
???
❬ピンポーン❭
???
瑠璃
???
瑠璃
──じゃあね
心の中で、そう呟いた
次、目が覚めた時には 自分のベッドの上にいた
原田さん
瑠璃
原田さん
瑠璃
瑠璃
原田さん
原田さん
瑠璃
──原田さんは優しいな…
いつの間にか雨はすっかりやんでいた
元気よく遊んでいる 子供の声が聞こえる
瑠璃
──私も普通の子に生まれたかった
──早く雨、降らないかな
──あの人と遊びたい…
私の遊び相手は 原田さんしかいないと思ってた
でも、今はあなたもいる…
雨が降ったときは
家を飛び出していきそうだ
瑠璃
やっと雨が降った
──あの人、来るかな?
──でも、この前約束したもんね
──大好きなあの人に会えるんだ
──?
──大好きな人……?
???
瑠璃
???
???
瑠璃
???
──名前、聞きたいな
???
瑠璃
???
瑠璃
???
瑠璃
翔太
瑠璃
翔太
瑠璃
瑠璃
瑠璃
翔太
翔太
瑠璃
翔太
瑠璃
翔太
瑠璃
翔太
──ドキッ
瑠璃
この時、翔太くんが
大人っぽく見えた
原田さん
瑠璃
原田さん
なんで気付いていなかったのだろう
この時、あの人に気づかれていたなんて
瑠璃
原田さん
瑠璃
パシッ
瑠璃
お父様
お父様
瑠璃
お父様
瑠璃
お父様
瑠璃
お父様
瑠璃
お父様
瑠璃
お父様
瑠璃
お父様
瑠璃
お父様
お父様
瑠璃
瑠璃
お父様
瑠璃
お父様
瑠璃
お父様
お父様
お父様
瑠璃
お父様
バタンッ
そういって部屋を出ていった
──すでに結婚相手が決まっている…
──外にも出られない
──なんで今気づいたの…
──あの人と私は結ばれる運命じゃないんだってこと…
トントンッ
原田さん
原田さん
瑠璃
お父様
お父様
政弘
お父様
政弘
バタンッ
政弘
瑠璃
政弘
──笑顔……
瑠璃
政弘
瑠璃
政弘
政弘
瑠璃
政弘
政弘
この時思った
ちょっとおっちょこちょいで 面白そうな人だな、と
瑠璃
政弘
瑠璃
──でも、私にはあの人しか……
──翔太くんしか…
政弘
瑠璃
政弘
──翔太くんと一緒だ…
瑠璃
政弘
瑠璃
このまま沈黙が続き、 気まずい空気になった
政弘
瑠璃
政弘
瑠璃
バタンッ
瑠璃
──なんだよ
──もう、やだ…
お父様
瑠璃
お父様
瑠璃
お父様
瑠璃
お父様
お父様
瑠璃
お父様
瑠璃
──引っ越したら、原田さんがいなくなる
──翔太くんとももう会えない…
お父様
瑠璃
ここで「いや」と言ったらひどい目にあいそうだったから
「はい」としか答えられなかった
──どうすればいいの…
雨が強くなってきた
──もしかしたら翔太くんがいるかもしれない……
原田さん
瑠璃
原田さん
瑠璃
原田さん
原田さん
瑠璃
原田さん
原田さん
瑠璃
原田さん
──原田さんの笑顔、久しぶりに見た
瑠璃
──原田さんはいつでも優しい
私は家を飛び出した
瑠璃
翔太
ギュッ
翔太
瑠璃
翔太
翔太
瑠璃
翔太
瑠璃
翔太
翔太
瑠璃
瑠璃
瑠璃
翔太
瑠璃
瑠璃
翔太
瑠璃
ギュッ
瑠璃
翔太
瑠璃
翔太
翔太
──いま、瑠璃って呼んだ…
瑠璃
翔太
瑠璃
翔太
瑠璃
翔太
翔太
翔太
翔太
翔太
瑠璃
瑠璃
瑠璃
瑠璃
瑠璃
翔太
翔太
瑠璃
瑠璃
翔太
瑠璃
お父様
瑠璃
お父様
瑠璃
翔太
お父様
瑠璃
バチンッ
瑠璃
翔太
翔太
翔太
お父様
お父様
瑠璃
お父様
翔太
お父様
瑠璃
瑠璃
翔太
翔太
チュッ
瑠璃
お父様
翔太
お父様
瑠璃
──私も大好き。
──ありがとう
今、あなたは何をしているんだろう
こんな昔のこと、 思い出してもどうにもならないのに
でも、雨が降ったら必ず思い出す
今では雨が嫌い
あなたを思い出すから
あなたを思い出すたびに
『だめだ、思い出したらだめ』
そう思い、胸が締め付ける
でも、好きなんだ
大好きなんだ
ありがとう。
ありがとう。。
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