雄 英 の 片 翼 .

血で染まった雲と羽。

目の前には私の”家族たち”が 倒れている。

唯一生き残った弟が、何かを叫んでいる。 でも私にはもう誰の声も届かない。

私の手は血で染まっている。

私は”正義”に騙され、この手で、家族の命を奪ってしまった。

「違う、私は………」

それからは早かった。

気づいた頃には私は堕とされていた。

眩しすぎる光の中で、 嗚咽混じりの弟の声が聞こえた。

「行かないで、」

私はこの世界に来てすぐ、道端で 倒れていたらしい

最初に拾ってくれたのは、優しい女の人。 決して裕福じゃなかったけど、幸せだった

けど……その幸せは長くは続かなかった

お母さんが亡くなってから、色々事情が あってヒーローの2人に引き取られた

この人たちに出会ってなかったら─── きっと、今の私はいないだろう

私は今日も、本当の正義を見つけるために ヒーローを志す。

髪を整えるとき、手の先がリボンに触れる。 光を受けた水色が、ふわりと揺れた。