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冬乃
彼
彼は力強い目でこちらを見据え続けている
冬乃
まぁ仕方も無いことだろう
とっくに消灯時間は過ぎている
そんな中で高校生が1人でこんな場所を彷徨いていたら警戒されてもおかしくは無い
冬乃
彼
冬乃
彼
冬乃
彼
彼は何かを言いかけたが咄嗟にその口を閉じた
もしかして……
冬乃
彼
何かを考えるように少しの間を置いて彼は静かに頷いた
冬乃
そう言うと彼は少し顔を綻ばせて優しく私に微笑んだ
__ドキッ
その瞬間私の頬がじんわりと熱くなっていくのが分かった
冬乃
そう感じてると同時に彼は、ペンとメモ帳を取り出し何かを書き始めた
と、さほど経たないうちに内容を書き終えたのか彼はメモ帳を私に見せてきた
彼
その言葉を見ると同時に私も空高く昇っている月を眺める
冬乃
冬乃
そう呟いた時、悠李はトン、トンと私の肩を叩いた
悠李
冬乃
月に夢中になって忘れていたが、もうそろそろ時計の針は午後11時半を指そうとしていた
冬乃
悠李
冬乃
悠李
冬乃
悠李
そう言い、再び優しく微笑むと月明かりに照らされていた彼は暗闇へと進んで行った
本当は…月に夢中になっていたんじゃない
時計の針の迫りくる時刻に勘づいていなかったわけじゃない
ただ…彼との時間に私は夢中になっていたんだ
彼ともっと居たいと願ってしまっていたんだ
いつもは長くて退屈なだけの夜
でも今日は違う
とても短くてとっても大切な夜の時間
冬乃
そうポツリと呟いた私は、彼とは反対方向の暗闇へと進んで行った
そう、この夜が私と彼の…
私と悠李の長くて切ない物語の始まりだったんだ───