春の光が差し込む朝 1つの教室が輝いている
教室のドアが開き
白杖を鳴らしながら入ってきたのは 柴崎いるまだった。
そのすぐ隣には、明るく笑う 桃乃らんがピッタリくっついて歩く
らん
らん
いるま
いるま
らん
らん
らん
らんは嬉しそうに笑いながら、 いるまの手をそっと握る
いるま
いるまは照れたように小さくため息をついたが
手を振りほどくことは無かった
そのあとにやってきたのは、 クールな雰囲気の男、暇なつ。
マスクをして、キャップを深くかぶっているけれど、その声はまるで声優のように通っていた。
なつ
後ろから着いてきたのは、 少し怯えたような顔の雨乃こさめ
こさめ
声、ではなく 手話と口の動きによる伝達だった
なつはゆっくりとした手話で返す
なつ
こさめは頷き、そっと目を伏せた
こさめ
ふと、こさめの心の中に あの頃の記憶が浮かび上がった
こさめ クラスメイト
こさめ クラスメイト
こさめ クラスメイト
こさめ
隣にいたなつが優しく こさめの背中を撫でる
その温もりに少しだけほっとする
最後にやってきたのは、 緑頭の緑川すちと 車椅子に座っている大川みことだった
すち
すち
みこと
みこと
すち
みこと
みこと
すち
みこと
優しいやりとりが教室の空気を ふわりと和らいでいく
先生が入ってきて 静かな教室に声が響いた
先生
けれど、いるまの眉がピクリと動いた
周りの人
いるま
脳裏を、過去の叫び声と 血の感覚がよみがえる
いるま
らんがすぐに隣で手を握った
らん
いるま
らん
いるま
そっと落ち着きを取り戻るいるま
そして、6人が顔を合わせる
この物語は、
それぞれの""特別""がある だけど、それは誰かにとっての ""当たり前""かもしれない
そんな深い思いが込められた、6人の物語
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