かんら。
かんら。
かんら。
かんら。
かんら。
かんら。
かんら。
かんら。
俺の想い人には、彼氏がいる。
ペラペラと 分厚い本のページを捲る。
教室中ガヤガヤと賑わっていて、 少し鬱陶しく感じる。
外は蒸し暑く 遊びに行きたいと 思ったことは無い。
本の世界だと、 こんな現実を忘れて 自分だけの世界に 閉じ籠れる。
紫
青
遠くから 大きく元気な声が聞こえる。
あぁ、まただ。と思った。
紫
青
紫
無邪気に笑うその顔。 辺りを魅了するその声。 明るい性格、 綺麗な見た目。 全てが愛しい。
紫
青
紫
紫
あ、それ、聞きたくなかった、
心がズキズキと痛む中 ゆっくりと意味を教えた。
青
紫
青
紫
桃
紫
後ろから飛び付いてきた彼。 この人は初兎の彼氏だ。
仲が良さそうに お喋りをする。 正直、嫉妬心しかない。
紫
桃
紫
彼と居る時、あなたはいつも幸せそうで。
青
口から溢れたこの言葉。 俺は現実を受け入れたくない。 こういう、性格だから。
もう、諦めた方が、良いのかな。
勉強をする二人を背に 俺は本を読み進めた。
辺りは薄暗く、 霧に包まれた。 あれ、もう夜、?
あ、そうだ。 俺は、初兎を ここに呼んだんだっけ。
「助けて」って。
これで来なかったら、 もう耐えられないかも。
紫
青
紫
息切れを抑えきれない彼。 ふらふらと歩いて、 滝のような汗をかいて。 走ってきたんかな、 心配してくれたんかな、?
青
紫
青
紫
一瞬戸惑ったように見える。 顔を歪めて、でも真っ直ぐ見てきて、 すると、
紫
彼の一粒の涙が 頬を伝っているのが見えた。 薄暗くても分かる。
ボヤッと鈍く光る街灯が 反射し、彼の目から滴る雫は うっすら輝いているように見える。
青
情けないな、と思ったが 蝕まれた心に 感情は無かった。
『返事は、いらない。』と言われ 動揺していた。
あれ、お前も泣いとるやんか。 街灯のお陰か 光っているように見える。
俺が本当に好きな人は、 ないちゃんやっけ、? 頭が追い付かない。
紫
青
彼が俺を好きなのは知ってた。 ずぅっと前から。 イジるのが楽しくて、 見捨てちゃってた。
青
青
紫
目の前の男は 猫の目を細めて ニヤッと笑った
好きな人置いて行くとか、 あり得んねんけど...、!
『君の全てを、俺にくれませんか?』 そう言った彼は、 薄暗い闇の中に消えていった。
セミの鳴き声が響く 暑苦しい教室。
あぁ、戻って来たんだなぁと。 心の隅で思った。
教室の隅で丸まり ほぼ一人で居た。
ガラガラ、と教室の扉が開いた時、 スゥッと息を吸った。
紫
??
??
紫
あの時、俺はとっくに 蝕まれてたんだなって気付いたのは ほんの数分前。
寂しがり屋の一匹兎は 目の前の猫の餌食となり、 甘い世界に溶け込んだ。
かんら。
かんら。
かんら。
かんら。
かんら。
かんら。
かんら。
コメント
17件
76タップ!?これが!?三角関係とか美味しすぎ... センスありすぎますよかんら様、どんだけ頭フル回転させたらこうなるんですか!?(は?)1000人おめでとうございます🎉✨😆✨🎊これからも応援させて貰います!!!✨✨
やばですなぁ....ストーリー構成とかもう神ですね....✨ ガチなんか感動しました....! ほんと好きです....(? 改めて1000人おめでとうございますっ!無理のなさらないようがんばってくださいませ....
神作…✨ 尊…最高です…✨ 色々な意味でありがとうございます…美味しかったです☆ 続き楽しみにしてますッ ✨!