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2件
喜んでもらえて良かったー!! 私もこの2人気に入ったので、ゆっくり続き書いていこうかなと思います👍
ありがとうございます😭✨想像以上で設定まで完璧でした!感謝しかないです!!
海薗 魁流(うみぞの かいる)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
いつもの様に学校の屋上で授業をフケていた俺は、ごろんと仰向けに寝転んでムカつく程晴れた空を眺めていた
少しすると授業終わりのチャイムが鳴り響く
屋上は滅多に人が来ないから気に入っているが、チャイムの音が馬鹿デカく聞こえるのだけは難点だった
海薗 魁流(うみぞの かいる)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
こんなにも嫌々学校に来ているのには理由があった
そもそも学校は大嫌いだ
だが、俺はこの学校に守ってやんなきゃいけない奴が居る
家が古くからの付き合いで、何か知らないけど代々守ってるらしくて俺も親父に「守れ!」って怒鳴られた
俺の親父は組の頭を張ってるだけあってかなり強い
この地域の暴走族の頭をやらせてもらってる俺も、親父にはまるで歯が立たない
そんな親父に頼まれたんなら、やるしか生きる道は無い
今日の帰りはうちのシマをパトロールでもするか...と考えていると、ガチャッと屋上の扉が開いた
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
不機嫌そうな表情で現れたのは、俺の守らなきゃいけない奴
神宮寺 千愛
俗に言う"天才"ってやつで、成績は常にトップ
運動神経はまぁまぁ良いし、センコーからの信頼も厚いらしい
顔も良いし、背も何気に高いし、文句無しの優良物件
ただ、唯一の欠点が性格にあった
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
神宮寺千愛はとにかく口が悪い
しかも俺にだけ
そんな千愛の裏の顔を知っている俺は、どーにもコイツを可愛く思えない
守ろうって気が全く湧かないし、何なら話さえしたくもない
別に嫌いって訳じゃ無いが、口を開けば毒しか吐かないような奴と話をしたいなんて誰も思わないだろう
海薗 魁流(うみぞの かいる)
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
俺はグッと拳を握って何とか衝動を堪える
コイツを殴ったらマジで親父に刺される可能性がある為、我慢するしかないのだ
海薗 魁流(うみぞの かいる)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
ゲシッと背中を軽く蹴られ、前のめりになる
別に嫌いって訳じゃ無い...が、流石にキレそう
理不尽に守りたくもない奴を守らなきゃいけないし
その守るべき相手は俺にだけ口悪くて、俺に簡単に手や足を出してくる
ここまでコイツの事を殴ってないの、マジで褒められてもおかしくないだろ
俺はすぐに立ち上がらず、グダグダと体を左右に揺らした
海薗 魁流(うみぞの かいる)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
中々立ち上がろうとしない俺に気付き、千愛は顔をしかめる
普段学校の中ではニコニコと笑顔をまき散らしているのに、俺の前ではこんなに眉間に皺が寄るのか
それがどうしたって感じなんだが、どうにも優越感が生まれてくる
まぁ、可愛げが無くてもあんな猫被りな態度取られるよりはマシか
ちょっと普段の好き放題を後悔させてやろう...
俺はそう考え、すぐ傍で俺を小突く千愛の腕を引っ張った
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
バランスを崩して前のめりになった千愛の胸ぐらを掴み、もっと低く屈ませる
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
千愛の顔がすぐ目の前まで近付く
毎朝ばーちゃんと一緒に焚いているらしい線香の匂いがふわっと香った
海薗 魁流(うみぞの かいる)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
キツく睨みをきかせ、俺は低い声で牽制する
千愛は一瞬驚いた表情をみせたが、すっと目を細めて舌打ちをした
海薗 魁流(うみぞの かいる)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
呆れた様なイラついた様な、そんな表情の千愛が触れる
無理矢理に交わされたキスは
海薗 魁流(うみぞの かいる)
そんな間抜けな感想から始まった
数十年前に廃墟になった場所
ここは染み付いた血の匂いが微かに香る、端くれ者の溜まり場だった
海薗 魁流(うみぞの かいる)
除隊を命じられた奴
除隊を命じられた奴
海薗 魁流(うみぞの かいる)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
除隊を命じられた奴
海薗 魁流(うみぞの かいる)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
除隊を命じられた奴
海薗 魁流(うみぞの かいる)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
除隊を命じられた奴
海薗 魁流(うみぞの かいる)
除隊を命じられた奴
バタバタと落ち着きの無い足音を響かせて、男は俺の前から走り去った
海薗 魁流(うみぞの かいる)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
俺は最高に虫の居所が悪かった
今出ていった元メンバーが主犯となり、何も関係の無い一般人が巻き添えとなる喧嘩が先日起こってしまった
それだけでも厄介でクソだと言うのに、その巻き込まれた一般人はある暴走族チームに復讐の依頼をしたらしい
そのチームは悪い噂しか無いんじゃないかと思うくらい、下衆で卑劣な最悪のチームだった
俺のチームは今夜、そのクソチームとやり合う事になっている
人数は多分あっちの方が多い
そもそも、何をしてくるか分からない相手に下の奴らを連れて行くのはリスクが大きすぎる
行くとしたら俺と、幹部組と...一番隊の連中くらいが妥当だ
海薗 魁流(うみぞの かいる)
戦力になるのは23人だけ
相手はその何倍も人数が居るのは確実だろう
勝てないとは微塵も思っていないが、重労働になるのは間違い無い
俺は素早くスマホを操作し、今夜の戦争に備えて幹部の奴らにメッセージを送った
そしてもう一人、メッセージを送らなきゃいけない奴がいる
海薗 魁流(うみぞの かいる)
それはもちろん千愛だ
返事が返ってくる言はほぼ無いが、守らなきゃならない存在である為何かと連絡をしておかなければいけなかった
海薗 魁流(うみぞの かいる)
千愛が俺の言葉を聞かないのは分かっているが、一応伝えておかないと何かあったら俺が親父に殺されかねない
海薗 魁流(うみぞの かいる)
相変わらず既読だけは馬鹿早いが、やはり返事は返ってきそうに無い
海薗 魁流(うみぞの かいる)
ふと、この前屋上でキスされた事を思い出した
あの後は特に何かに発展する事は無く、俺はタカセンの前に連れて行かれた
キスされた意味も、キスの後から全く喋らなくなった千愛の考えてる事も、何にも分からない
俺はスマホをズボンのポケットにしまい、ゆっくりと立ち上がる
海薗 魁流(うみぞの かいる)
ジャリジャリと廃れた建物を歩く足音に、俺の呟きは溶けて消えた
真っ暗な倉庫には小さい窓からの光しか入っていない
時刻は22:00
来る決戦の時だった
海薗 魁流(うみぞの かいる)
相手チームの総長
相手チームの総長
薄暗い倉庫にも目が慣れてきた
階段の上に居た敵のトップは、鉄の手すりにもたれ掛かり俺達を見下ろしている
相手チームの総長
圧倒的な人数差を前に、敵のトップは高らかに笑う
その下品な笑い声に、うちのメンバーが数人舌打ちをしたのが聞こえた
海薗 魁流(うみぞの かいる)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
相手チームの総長
相手チームの総長
相手チームの総長
相手チームの下っ端
連れて来い?
何だ...誰か連れてきてんのか?
敵のメンバーが奥に下がり、少しして「離せ!」と声がした
海薗 魁流(うみぞの かいる)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
聞き覚えの有りすぎるその声に、全身から血の気が引いた
拳を握る手に力が入り、手の中にはじっとりと嫌な汗が出ている
相手チームの総長
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
悪い予感は見事に的中した
引きずるようにして俺らの前に現れたのは、紛れも無く千愛だった
勝つ為に、相手を貶める為に手段は選ばないチーム
聞いていた以上のゲス野郎集団だ
怒りと焦りで頭の中が沸騰しそうに熱くなる
どうにか拘束を逃れようと、千愛はもがいている
相手チームの下っ端
千愛を押さえ付けていた敵のメンバーが大きく手を振り上げた
叩き付ける様に殴る事は容易に想像出来る
この場所からは絶対に間に合わない
海薗 魁流(うみぞの かいる)
相手チームの下っ端
倉庫中に響き渡る程声を張り上げ、殴ろうとしている奴に威嚇をする
どうやら上手く効いた様で、敵は殴る手をピタリと止めた
誰もが俺の声に怯んだその時、素早く動く影が1つあった
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
相手チームの下っ端
相手チームの総長
千愛は動きを止めた奴の脇腹に体当たりをかまし、その勢いのまま走り出す
慌てて千愛を捕まえようと、敵チームは1歩遅れて動き出す
千愛の走る方向、拘束されている状況
そこから導き出される千愛の最善の策は...
海薗 魁流(うみぞの かいる)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
引き連れた仲間に指示を出し、そして俺は真っ直ぐに走り出す
間に合え、間に合えッ!
相手チームの総長
海薗 魁流(うみぞの かいる)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
相手チームの総長
相手チームの下っ端
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
千愛を追う敵の手は届かず、千愛の体は手すりを越えて落下する
拘束されていて受け身は取れない
倉庫内とは言え、普通のマンションの2階から飛び降りるのと同じ高さ
まず、無事ではいられないだろう
海薗 魁流(うみぞの かいる)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
何とか身を捩って千愛は体を縮こませる
そうだ、それで良い
後は俺が...!!
ードガッ!ー
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
受け止めてやる
あの後
千愛が飛び降りて死んだと思い込んだ敵のチームは、逃げ出す奴がほとんどだった
頭を張っていた奴と1部の幹部はしっかり捕まえ、親父の伝手で然るべき所に引き渡した
海薗 魁流(うみぞの かいる)
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
俺はと言うと
事件があった昨日は千愛を家に泊まらせ、今日の午前中には病院に連れて行った
幸い、かすり傷と軽い打撲で済んだ様だ
医者からそう診断は貰ったのだが、イマイチ信用出来ない
いや、信用出来ないんじゃなくて単純に心配なんだ
千愛が本当に無事なのか確証が持てず、家に帰ってからも10分置きぐらいで安否を問い掛けていた
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
右腕を叩かれ、激痛が走る
自分の体の心配をしろと言ったくせに、そんな強く叩く奴いる?
千愛のついでに俺も病院で怪我の具合を診てもらったが、なんと右前腕骨がポッキリと折れていた
やはり2階の高さから落ちる男性を受け止めるのは、容易な事じゃなかった様だ
ギプスでガチガチに固定された右腕を見て、よく千愛を守った、と褒めてやる
巻き込んでしまった事は親父にこっ酷く叱られたが「魁流の言う事を守らずに夜1人で出歩いた俺が悪いんです」と千愛が庇ってくれたお陰で命は無事だった
海薗 魁流(うみぞの かいる)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
バツが悪そうに謝る千愛
何だか顔が赤く見えるのは気のせいだろうか?
海薗 魁流(うみぞの かいる)
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
萎らしい千愛はすぐに引っ込み、不愉快だと眉間に皺を寄せて千愛は返事をする
海薗 魁流(うみぞの かいる)
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
真剣に話す俺を見て、千愛は珍しく間抜けな顔をしていた
海薗 魁流(うみぞの かいる)
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
神宮寺 千愛(じんぐうじ ちあき)
海薗 魁流(うみぞの かいる)
千愛は真っ赤な顔で毒を吐き、荒々しく部屋を出て行った。
ーENDー