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その瞬間、クラス中で笑いが起こる。
普段目立たない奴らも、クスクス笑ってる。
いいよな、お前は。
惜しかった、ですか。
俺、今回も結構がんばったんですけどね。
雨乃はよくやったのに、俺はよくやってないんですかね。
まあ、そんなのキャラの違いだ。
クラスでの立ち位置が上だって決まってるやつは、いつだって人気者だし
先生と仲良し、みんなと仲良し
なかよしこよし、青春を謳歌してる。
ほら、今だって口角上げて談笑中だ。
同級生も、教師も、家族も
誰も、俺を見てくれない。
…そんなこと、分かってるんだ。
手に持っていた解答用紙が、ぐしゃりと歪む。
ああ、俺まじで誰にも見られてないんだ。
みんな、雨乃を見てるんだ。
だから、俺が突っ立ってたって誰も注意しないんだ。
知ってるよ、知ってる。知ってるけど
…でも
期待してよ、なんて
俺が言うのは、我儘か。
なんとも言えない気持ちが溢れてきて。
俺は、駆け出した。
なるべく音を立てないように。でも、はやく足を動かした。
廊下に出てみても、誰にも声をかけられない。
教室の中は、まだ暖かい雰囲気のまま。
俺だけが、取り残されていた。