巳波
もしかして亥清さん…虫歯ですか?
トウマ
え、マジ?
虎於
虫歯ァ?
悠
…
巳波
口、開けて貰えますか?
20分休憩に入った今、みんなが俺の秘密を暴こうとするのは当然の時間だとはわかっている。
けど…み、せる…
ここで口を開けないと怪しまれるのは分かってる。
…けど…
悠
なんでもない
虎於
とか言わねーよな
悠
…
巳波
心配なんですよ
トウマ
そーだよ。ここ最近調子わりーからさ
悠
んん…大丈夫だから!……っておわっ!?!?
虎於
つかまえた
悠
はなへっ!!
悠が口を開けた隙に虎於にがっちりと口の端を掴まれた。
虎於
なんもねーなら開けられるだろ?
悠
…あ。
もっと粘るかと思ったら案外簡単に口を開けてくれたことに3人は拍子抜けしてしまう。そんな中悠は『左はそこまで侵食されてないしそっちだけ見せればいいかな』なんてことを考えていた。
巳波
えっと…右ですか?左ですか?
悠
左…
巳波
し…失礼しますね…?
巳波は悠の口の左端を優しく掴み、じいっと眺めた。
巳波
あ…ここ、少し黒ずんでますね。
悠
ん…
トウマ
あれ、でもコイツさっき右頬抑えてなかったか?
あぁ、もう最悪。