桃
あ、赤ッ!!!
そこには
窓の外を眺めている赤が居た
桃
赤ッ!!!
赤
……クルッ
こっちを見てきたと思ったら
何かを言いたそうに
口をパクパクし始めた
赤
ぁ……、
ようやく声を出したかと 思ったら
赤
ごめ"ッな"さ"…い"
赤の優しい声では無く
喉が潰れたような
声だった
赤
ポロポロ
俺の袖を弱々しく掴んで
それが漸く放てた一言だった
桃
あ、ポロポロ
それが悲しくなって
俺は赤の体をそっと
抱き締めた
桃
赤…赤…赤ッポロポロ
桃
ごめんな…
桃
庇えなくてポロポロ
桃
いつも一人にさせてポロポロ
俺が放てた
唯一の声だった
桃
赤…赤…赤ッ
桃
ごめんなポロポロ
桃
庇えなくてポロポロ
桃
いつも一人にさせてポロポロ
赤
!!!
俺がずっと欲しかった声だ
俺がずっと求めてた声
赤
う"ぅ、ポロポロ
ずっと泣いてて
俺はいつの間にか
眠ってしまった
桃
……
眠ってしまった…???
桃
はぁ、
あんな声になってしまったなんて……
けど赤は
赤は
赤は
桃
俺が愛してる赤だ…。
どんな姿になろうと
どんな声になろうと
俺は…
桃
赤がすきだ…
兄弟としてじゃない…
いや、そもそも
兄弟じゃない…
"義理"の兄弟だ
桃
……
だったら付き合っても良いのかな…?
……まぁいいか
欲望には叶わない
桃
待っててね赤ニコッ
桃
必ず彼女にするからチュ
桃
……
桃
皆に目覚めたって報告するかぁ~
ガチャン
赤
……カァァァァ
この二人の数年後には
綺麗なキクの花模様の指輪が
はめられているとか