夜になり、六つ子たちはそれぞれの部屋に散っていた。けれど、カラ松だけは珍しくリビングに残っていた。ソファに座り、腕を組んで天井を見つめている。
カラ松
(お前は変わらなくていいよ、…か……)
そこへおそ松がやってくる
おそ松
まだ起きてんのかよ、カラ松
カラ松
おそ松こそ…
おそ松
ま、なんとなくな。……つーか、さっきのことだけどさ。言い忘れてた
おそ松
俺たち、変わっていくのも悪くないけど、変わらないとこがあるのも、いいよな。例えば、お前がいつまでも“カラ松”でいるってことが、俺はちょっと安心するって言うか
カラ松
……俺もだよ。誰より適当で、でも誰よりみんなのことを見てるお前が俺には一番“おそ松兄さん”に見える
おそ松
お、ちょっとカッコつけたな?
カラ松
当然だろ?俺は“カラ松ボーイ”だからな
2人の間にふっと笑いが生まれた。静かな夜に、ほんの少しだけあたたかい空気が流れる
おそ松
もう一度言うぞ!俺、長男だからな!
カラ松
フッ……