TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

ー朝ー

太宰

…っ!!!(バッ!

乱歩

わぁ!ビックリしたぁ…どした太宰…

太宰

……夢で中也出てました……(真顔・布団を握りしめている)

乱歩

……へぇ

乱歩

で?どんな夢?

太宰

朝の教室で、中也が普通に“先輩おはようございます”って言ってきて

太宰

僕が“おはよう♡”って返したら

乱歩

返したら?

太宰

中也が逃げました

乱歩

なんで???

太宰

追いかけたら校舎が猫カフェになってて

太宰

中也は猫に囲まれてて

太宰

僕が近づいたら“修学旅行お土産遅いっす”って言われました……

乱歩

情報量多すぎない?

太宰

しかも最後、猫に変身しました

乱歩

中也が?

太宰

はい

乱歩

……重症だね

太宰

でも起きた瞬間、ちょっと寂しかったです

太宰

……夢の中の中也、ちゃんと触れたのに

乱歩

朝から切ないこと言うなぁ

スマホを手に取る。

画面を見て、少し迷ってからメッセージを打つ。

《おはよう》

《夢に出てきてくれてありがとう》

送信。

一方、学校。

中也

……

スマホが震える。

《おはよう》

《夢に出てきてくれてありがとう》

中也

……は?

中也

……夢の内容まで報告しなくていいんすけど……

そう言いながら、少しだけ口元が緩む。

中也《おはようございます》

中也《ちゃんと朝ごはん食べてくださいね》

ホテル。

太宰

……っ(即にやける)

太宰

朝から中也優しい……今日も生きれる……

乱歩

朝食会場行くよ

太宰

はい!!!

太宰

(今日も一日、頑張ろう。中也に報告するために)

太宰

次あれ〜!!!あれ食べたい!です!!

(指さす先には湯気もくもくの屋台)

乱歩

いいねー!!!八つ橋アイス!

乱歩

抹茶とニッキのハーフにしよ〜

国木田

待てと言っているだろう!!!

国木田

今は自由行動じゃない!班行動だ!

太宰

え〜国木田くん堅い〜

太宰

修学旅行は“思い出を作る行事”だよ?

乱歩

そーそー

乱歩

国木田くんの理想ノートにも“楽しい思い出”って書いてあるでしょ?

国木田

……書いてはいるが!

太宰

ほら、乱歩さんと僕で買ってくるから!

太宰

国木田くんはそこで待っててね!

国木田

おい太宰!!勝手に――

ダッ💨

国木田

……あいつ本当に……!

屋台前。

太宰

わぁ……京都の味……

太宰

中也にも食べさせたいな……

乱歩

また中也?

太宰

はい

乱歩

……ほんと好きだね

太宰

え?尊敬ですよ、尊敬

乱歩

はいはい

店員

はい、八つ橋アイスお待ちどお!

太宰

ありがとうございます!

乱歩

写真撮ろ写真!

カシャ📸

太宰、即スマホ操作。

《中也〜!京都で八つ橋アイス食べてる!》

《抹茶味!今度一緒に来ようね!》

送信。

数秒後。

ピコン♪

中也《……修学旅行中に何送ってきてんすか》

中也《……美味そうですね》

中也

はぁー…(授業つまんないなぁ…まだかな先輩…)」

太宰

……(満面の笑み)

乱歩

はいはい、ごちそうさま

太宰

まだ食べてないですけど?

乱歩

心の方が甘すぎ

    

   

  

一方その頃、班の後方。

国木田

……

国木田

……戻ってこい太宰ーーー!!!!

京都の街に、国木田の叫び声が響いた。

太宰

待ってよ国木田くぅ〜ん!

国木田

待つのはこっちの台詞だ!!

国木田

全体集合の時間を3分過ぎている!!

太宰

え〜?まだ3分だよ?

太宰

人生的には誤差誤差♪

国木田

修学旅行に誤差という概念はない!!

乱歩

国木田、太宰は放っとくと迷子になるよ

太宰

失礼な!ちゃんと地図アプリある!(逆方向を指差している)

国木田

それ清水寺と真逆だ!!!

太宰

えっ……ほんとだ……京都って難しい……

国木田

当たり前だ!!

国木田

ほら、さっさと列に戻れ!

太宰

はーい……

ー歩き出して数歩ー

太宰

……あ

国木田

今度は何だ

太宰

中也から返信来てた

国木田

……

国木田

今は見るな

太宰

一瞬だよ一瞬!

ピコン♪

中也《迷子にならないでくださいよ》

中也《先輩、方向音痴なんですから》

太宰

……

乱歩

ニヤけてる

国木田

……太宰?

太宰

中也に心配された……

太宰

京都来てよかった……

国木田

修学旅行の感想それか!!!

乱歩

でもさ

乱歩

太宰、さっきから歩くスピード早くない?

国木田

……確かに

太宰

だって

太宰

早く帰って、中也にお土産渡したいじゃん

国木田

修学旅行は“帰ってから”までが修学旅行だ!!

太宰

じゃあ、全力で“帰り”も楽しむね♪

国木田

そういう意味じゃない!!!

京都の街で、今日も太宰は元気で、

国木田の胃は痛い。

乱歩

国木田ー太宰ーおみあげどうするー?他に買うー?

国木田

そうだな…1000円ほどで済ませるとしたら…

太宰

うーん…中也とのお揃いは買ったしー…

乱歩

じゃあ逆に聞くけどさ

乱歩

中也ってどんなの好きそう?中也ってどういう子だと思う?

太宰

えーっと

太宰

小さくて

国木田

おい

太宰

強くて

国木田

まだ許容範囲だ

太宰

可愛くて

乱歩

はいアウトー!

太宰

えっ!?なんで!?

乱歩

“可愛い”を素で出すのは重症だよ太宰

国木田

……自覚はあるのか?

太宰

えー?事実を述べただけだよ?

乱歩

はいはい

乱歩

じゃあ次。中也は“何をもらったら喜ぶか”で考えよっか

太宰

うーん……

太宰

派手なのは好きじゃない

太宰

でも、ちゃんと意味があるやつは大事にする

太宰

あと

国木田

あと?

太宰

実用的だと最初は文句言うけど、結局毎日使う

乱歩

……

乱歩

それ、完全に好きな人の観察眼だよね

太宰

そうですか?

国木田

……否定はできん

乱歩

じゃあ決まり!

乱歩

ストラップとかキーホルダーとか、小物!

太宰

あ、それいい!

太宰

鞄につけられるし、無くしにくいし

国木田

値段も抑えられるな

太宰

……あ

乱歩

なに?

太宰

猫のキーホルダー、もうお揃い持ってた

乱歩

重ねるな!!!

国木田

同じ系統を増やすな!

太宰

じゃあ……

太宰

小さいお守り

乱歩

お?

太宰

“学業成就”とかじゃなくて

太宰

“無事帰還”とか“安全祈願”のやつ

国木田

……理由は?

太宰

中也、無茶するから

乱歩

……

乱歩

それ渡すとき、絶対軽く照れながら渡すでしょ

太宰

え?

乱歩

『別に深い意味はないんだけどー』って言いながら

太宰

言いませんよ!

国木田

言うな

太宰

……多分

乱歩

ほら、あそこの神社

乱歩

小さいお守りいっぱいあるよ

太宰

行きます!

国木田

……本当に目的を忘れるなよ

太宰

大丈夫です!

太宰

これは“帰った後”のための重要任務なので!

乱歩

修学旅行中に、もう帰りのこと考えてる人初めて見た

太宰

うーん…(ジー

乱歩

めっちゃ真剣だね

国木田

まぁ人にあげる物ですし、おい太宰、時間には間に合わせろよ

太宰

分かってるよ国木田くーん

太宰

…これとこれ……いや、こっち?(ジー

乱歩

うわ、眉間にシワ寄ってる

乱歩

テストの時より真剣じゃない?

太宰

失礼な

太宰

でも……中也、雑に扱いそうだから

国木田

褒めているのか貶しているのか分からん

太宰

紐は丈夫な方がいいし

太宰

色は派手すぎると“ガキっぽい”って言いそうだし

太宰

でも地味すぎると付けてくれないし……

乱歩

はいはい、はいはい

乱歩

それ“プレゼント選びあるある”じゃなくて“中也限定あるある”だから

太宰

……

国木田

決まらないなら、直感で選べ

太宰

直感かぁ……

ふっと視線を動かす。

小さくて、深い藍色の布地。

銀色の鈴が控えめに揺れるお守り。

太宰

……これ

乱歩

お、決まり?

太宰

うん

太宰

派手じゃないけど

太宰

ちゃんと存在感ある

国木田

……中原向きだな

乱歩

はいはい、国木田も認めた〜

太宰

じゃあ会計行ってくる!

国木田

走るな!迷子になるな!時間を見ろ!

太宰

大丈夫だってば〜!

―――数分後。

太宰

買えた!

乱歩

顔がもう“渡す未来”見てる顔

太宰

……そんなことない

乱歩

じゃあ聞くけどさ

太宰

なに?

乱歩

中也に渡すとき、なんて言うつもり?

太宰

太宰

……

太宰

『修学旅行のお土産』って言う

乱歩

それだけ?

太宰

……

太宰

『無事に帰ってきたから』って

乱歩

はい優勝〜

国木田

……帰るぞ。本当に時間だ

ーそれからー

中也

(明日は先輩が帰ってくる…おみあげとか、あるのかな…まぁ良いけどよ)

中也、スマホをちらっと見る。

通知は……ない。

中也

……別に、忙しいんだろ(修学旅行だし)

中也

……

ベッドに仰向けになって、天井を見る。

中也

(別に……別に、連絡なくてもいいし)

そう言い聞かせて、スマホを伏せる。

……数秒後。

中也

……

そっと、もう一度スマホを手に取る。

通知:なし。

中也

……だよな

修学旅行。

班行動、自由行動、夜は友達同士で騒いで。

先輩がスマホ見る暇なんて、ないに決まってる。

中也

(俺が気にしすぎなんだよ)

分かってる。

分かってるのに――

中也

……

指が、無意識にトーク画面を開く。

最初らへんのメッセージは、

《行ってきます、中也♪》

中也

……行ってらっしゃい、って言ったし

中也

それで終わりだろ

小さく息を吐いて、スマホを置く。

――ピコン♪

中也

……?

画面が光る。

名前表示。

【太宰】

中也

……え

一瞬、動けない。

心臓がドクン、と鳴る。

中也

……

慌てて開く。

《今新幹線!》

《めっちゃ疲れた!》

《でもね》

中也

……

《早く中也に会いたい》

中也

………………

一気に顔が熱くなる。

布団を掴む。

中也

な、なに言ってんだよ……!

震える指で返信。

《お疲れ様です》

《無事で何よりです》

送信。

数秒後。

《素っ気ない〜》

《でも可愛いから許す》

中也

許すってなんだよ……!

スマホを胸に押し付ける。

中也

(……忙しいんだろ、って思ってたのに)

中也

(ちゃんと……俺のこと考えてたんじゃん)

画面が、また光る。

《明日、放課後》

《ちょっと時間ちょうだい》

中也

……?

《渡したいものあるから》

中也

……おみあげ……?

《それもある》

《でも一番は》

一瞬、入力中。

《帰ってきたって、伝えたい》

中也

……ばか

小さく笑って、

指でゆっくり打つ。

《分かりました》

《待ってます》

送信。

中也は、そのまましばらくスマホを見つめて――

中也

……明日か

布団に顔を埋めた。

少しだけ、

眠れなくなった夜だった。

俺の先輩は予測不能

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

47

コメント

2

ユーザー

めっちゃ青春してるぅぅツンデレちゅやかわよい👍

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚