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新しい環境に慣れない中今日は少し早帰りで気が楽だった。 今日は少しだけゲームでもしちゃおうかな、なんて考えてランドセルを背負う。

ノキオ

ねえローズちゃん

ローズ

ん、なあに?

彼は確かノキオくん、だったハズ。 ピノキオに憧れて入った男の子。

ノキオ

今日の課題めっちゃ多くない?

ローズ

あ〜 大変そうだよねぇ!

ノキオ

ね〜…

ノキオ

……

……ぇえ? この会話のために引き止めたの? まぁ嫌ではないけども 無の時間が流れる。

ローズ

じゃあ笑 私そろそろ……

ノキオ

あ まって!

ローズ

へ?

どうしたんだろ 私なんかやっちゃったかな? 不安になる。

ノキオ

……

ノキオ

あ、あ〜 えっと また明日 ね

ローズ

あぁ、うん じゃあね!

えぇ???? 不安煽られる〜〜〜 なんだったのぉ?

不思議に思いながらゆっくり昇降口へ向かった。

雨が思っていたより降っていた。 天気予報にはなかったのになぁ…… でもまあ折り畳み傘あるからいいんだけどね。

ガサゴソ傘を探していると隣には先程まで一緒に話していたダンボールが。

ノキオ

はあー?雨とか聞いてねぇし

わかる〜 てか、雨に濡れたら大変そうだなぁ ロボかどうかは知らないけど可哀想である。

ローズ

濡れたら大変でしょ?一緒に帰る?
嫌だったら全然いい!!

まさか話しかけられるとは思ってなかったのか 目を大きく開かれる。

ノキオ

いいのか?俺そんな、初めてで

拒否されなくて良かった… ちょっと傷つくところだったわ

ローズ

折り畳み傘だから狭いかもだけど、

ノキオ

全然いい!ぜんっぜん!むしr……

ノキオ

……とにかくありがとうな!

えぇ??笑 いや聞こえてるよ?誤魔化すな? 言及しても恥ずかしいだけだから掘り下げないけどさ!!!

そこから時々会話しながらゆっくり歩いていった。

ローズ

私が持つと屈まないといけないし首痛くない?
大丈夫?

ノキオ

じゃあ俺が持つよ?

傘を手渡す瞬間手ごと握られる。

ノキオ

今日 傘入れてくれて、あ りがと

ローズ

へ?ああ、そんなの全然いいよ。
…てかいきなりかしこまんないでよ〜ドキドキしちゃったじゃん!!

手はまだ繋がれたまま。体温が伝わって一緒になりぬるくなる。

ローズ

手、はこれ どしたの

ノキオ

……あ あ〜っは、何やってんだろ おれぇ〜

ノキオくんは笑っているが照れくさいのか目を合わせてくれない。 私も顔が熱くなっているのが分かってしまうほどで、 恥ずかしくてもうよく分からない。

ローズ

大丈夫?もう手離すよ?

ノキオ

…うん

恥ずかしくなりながらもゆっくりまた歩き出す。

…距離 さっきより遠くない? くっそー!気を使わしちゃった? 途中までは良かったものの私が照れたことがなーんか悔しくてからかったのが良くなかったのかも、 そう思い遠くなった彼の肩を見つめる。

濡れてるじゃん。しかもちょっとダンボールがふやけて来てる。

ローズ

ねえ そっちの肩濡れてるよ

ノキオ

いやそれは出来る男だからさ?

ローズ

んは、なにそれ!

さっきまでタジタジだったのに。 面白くて笑っちゃう。

ローズ

良いから!!もっとくっついてよ

ノキオ

う、ん。

肩がぴったりとくっつく。 体温高くない?腕というか全身がすごく暖かく感じ、思わず顔を覗く。

雨音が聞こえない気がした。 そこには視線が元から目線が張られていたようで見つめ合うみたいになる。

口をへの字に硬く結んでこちらを見ていたノキオくんは不安になるくらい赤かった。 ノキオくんの帽子と同化しちゃうくらい顔から首、耳ぜーんぶ真っ赤。 足にかかる雨粒と湿った空気。一生忘れることはないんだろうなと実感する。

ノキオ

な、なんだよ

ローズ

えぇ?そっちが先に見てなかった?

ノキオ

見てないし

ローズ

うそお笑笑

無理矢理逸らした目はまるでサカナみたいにすいすい泳いでいた。 その瞬間

バッシャア

ローズ

ぁえ?

いきなり過ぎてよく分からなかった。気づいた時には全身がびっしょり。

ノキオ

はぁ?ふざけんなよ!あの車!!

どうやら車が水溜まりを通った時の水を全身に浴びてしまったらしい。

ローズ

いや だいじょぶだから!

ノキオ

はぁ?できるかよ、大体あんな速d…

固まってしまった。

ローズ

どしたの、ねえ

ノキオ

いや ぁの、ふ ふく が

服?何が? 不思議に思って自分の身体を見下ろす。

ローズ

ぁ…

相当な水に濡れてしまったのは体感で分かっていたが、まさかここまでとは。 確認した服は濡れて半透明になり下着が少し透けてしまっている。

ノキオ

見ないようにするから!

ローズ

…あぁ、うん!ありがとう!

ノキオ

俺ん家すぐそこだから、あの 服とか貸す し

視線が合わないまま私達は歩みを進めて行った。

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