強がりで弱い私は
”消えたい”
と願っていた。
でも
弱音は吐いていいんだと
君が気づかせてくれた──。
序章『しゃぼん玉』
「行くよー!」
光夏(幼)
光夏(幼)
咥えたストローの先にぷわんと 空気の雫が生まれた。
いびつに膨らんだ透明な球体の表面は、空から降り注ぐ光をめいっぱいに浴びて、ピンク、金色、青、水色、黄緑、紫と次々に色彩を変えて煌めく
𓈒 𓏸 𓐍 𓂃 𓈒𓏸 𓂃◌𓈒𓐍 𓈒 𓏸 𓐍 𓂃 𓈒𓏸 𓂃◌𓈒𓐍 𓈒 𓏸 𓐍 𓂃 𓈒𓏸
冬哉(幼)
春乃(幼)
ただのしゃぼん玉なのに、 春乃と冬哉はまるで世界の危機が 救われたかのような歓声を上げた。
私は呆れつつも、 口許が緩むのを堪えきれない。
光夏(幼)
光夏(幼)
次々と生まれては飛び立っていく無数の光の玉が、 ゆらゆら漂いながら私たちを包んだ。
光夏(幼)
春乃(幼)
冬哉(幼)
弾けた笑い声はしゃぼん玉と混ざり合い、 澄みきった青空へと昇っていく
千秋(幼)
光夏(幼)
千秋(幼)
光夏(幼)
光夏(幼)
千秋(幼)
千秋(幼)
千秋(幼)
千秋(幼)
千秋の言葉に、私と春乃、冬哉は顔を見合わせた
誰にも口には出さなかったけれど、 それぞれがその瞬間、この町に来るまでの彼の暮らしぶりを思ったのが分かった。
冬哉(幼)
冬哉(幼)
冬哉(幼)
冬哉(幼)
千秋(幼)
冬哉(幼)
冬哉(幼)
冬哉(幼)
光夏(幼)
私は肩をすくめて笑い、 ストローの先に石鹸液をたっぷり含ませる
冬哉(幼)
千秋(幼)
冬哉(幼)
冬哉(幼)
冬哉(幼)
冬哉(幼)
千秋(幼)
冬哉(幼)
光夏(幼)
私がストローを吹くと同時に、 千秋と冬哉が走り出した。
肌ではほとんど感じられないのに、 でも確かに風は吹いてるらしく、生まれたしゃぼん玉は すぐに四方八方へと広がっていく。
春乃(幼)
冬哉(幼)
しばらくして吹き疲れた私は、 少し休もうとブランコに座った。
すると千秋もやってきて、私の隣に腰を下ろした。
光夏(幼)
冬哉(幼)
冬哉(幼)
冬哉(幼)
光夏(幼)
光夏(幼)
光夏(幼)
千秋(幼)
千秋(幼)
冬哉(幼)
冬哉(幼)
冬哉(幼)
冬哉(幼)
光夏(幼)
千秋(幼)
光夏(幼)
千秋(幼)
光夏(幼)
光夏(幼)
千秋はまだ知らないだけなんだ。
自分がどんなに特別な人なのか
でも、私はたくさん知っている、 千秋の素敵なところを。
今の私には上手く言葉に出来ないけど・・・・
早く自分で気づけたらいいね、
千秋(幼)
千秋(幼)
千秋(幼)
千秋(幼)
千秋(幼)
千秋(幼)
光夏(幼)
光夏(幼)
千秋(幼)
千秋(幼)
光夏(幼)
光夏(幼)
千秋(幼)
千秋(幼)
光夏(幼)
光夏(幼)
光夏(幼)
光夏(幼)
ゆっくりと時間をかけて、 両手にも収まらないほどに大きく膨らませた しゃぼん玉は、まるで生き物のように小さく震え その動きに合わせて1色ごとに色を変える
千秋(幼)
千秋(幼)
千秋(幼)
千秋(幼)
千秋(幼)
千秋(幼)
彼は絵を描き始めるととんでもない 集中力を発揮して、話しかけても 反応しなくなるのを知っていたので、
私はしゃぼん玉を吹きながら 他のふたりへ目を向けた。
冬哉(幼)
冬哉(幼)
春乃(幼)
千秋(幼)
なんて穏やかな時間だろう…
この時間が永遠に続けばいいのに──。
光夏(幼)
しゃぼん玉が力尽きたように 一気に落ちていく。
そして地面に触れるか触れないかのところで 音もなく弾けて消えた。
まるで、 初めからしゃぼん玉なんてなかったかのように。
───生まれてすぐに、
壊れて消えた・・・
ブチッ
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!