チャイムが鳴ると同時に、教室はアリの巣をつついたような騒ぎになった。
休み時間。転校生──神城悠真の周りには、すぐに人だかりができる。
モブ達
モブ達
モブ達
Ωもβも、誰も彼もが彼を囲む。
王子様を前にして浮き立つその顔は、玲司からすれば滑稽にしか見えなかった。
蒼井 玲司
蒼井 玲司
蒼井 玲司
玲司は窓際の席で黙ってノートをめくる。
群衆に背を向け、視線さえ向けない。
けれど、ふとした瞬間に視線がぶつかった。
人垣の向こう、悠真の薄灰色の瞳がまっすぐこちらを見ている。
笑みを浮かべたまま、ずっと。
蒼井 玲司
次の瞬間──悠真が人だかりをするりと抜けて、玲司の机へやって来た。
蒼井 玲司
玲司は睨みを隠さず言い放つ。
神城 悠真
悠真は柔らかに笑い、玲司の机に片膝をついた。
神城 悠真
蒼井 玲司
玲司はページをめくる手を止めず、淡々と答える。
神城 悠真
蒼井 玲司
玲司の紫の瞳が、鋭く悠真を射抜いた。
一瞬、空気がぴんと張り詰める。
だが悠真は微笑を崩さず、むしろ楽しげに目を細めた。
神城 悠真
神城 悠真
蒼井 玲司
神城 悠真
神城 悠真
玲司の眉がわずかに動く。
悠真はそれを見逃さず、ふっと冷ややかな笑みを浮かべた。
神城 悠真
玲司は舌打ちし、ノートを閉じる。
蒼井 玲司
神城 悠真
神城 悠真
悠真の声は、あくまで優しく穏やか。
けれどその奥底に、なにか不穏な響きがあった。
玲司の胸に、冷たい苛立ちと、説明できないざわめきが広がっていく。
コメント
2件
やりますねぇ。

ヤバ尊。( ´ཫ`)