テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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兎さん達の正しい眠り方

第1話 - 兎さん達の正しい眠り方

366

2023年12月25日

#青春恋愛

#殺人

#ハッピーエンド

#オーバードーズ

#一次創作

羽映ありか

宇佐美密

────死ぬ。生きる。死ぬ。生きる。死ぬ。生きる。死ぬ。生きる。死ね。

宇佐美密

はあっ、はあ

宇佐美密

（息を吐くと同時に、まるで夢から醒めたように）

宇佐美密

（霞んだ世界が
晴れていく）

宇佐美密

（忘れていた分を取り返すように傷が痛み出す）

宇佐美密

（全てを実感した）

宇佐美密

（生きている。）

宇佐美密

（途方もなく悲しい）

宇佐美密

（……それにしても
派手にやらかしたな）

宇佐美密

（アドレナリンのせいか
何も感じなくて）

宇佐美密

（思いのほか
抉ってしまった。）

宇佐美密

（切り口が隠れるほど
血まみれだ）

宇佐美密

（左腕が真っ赤に
溺れている）

宇佐美密

（あまりにも悲惨で）

宇佐美密

（さらに他人事みたいに
漫然と眺めている自分が
結構滑稽で）

宇佐美密

（思わず笑ってしまう。）

宇佐美密

（酸化して固まった血
だらけの階段は）

宇佐美密

（まるで
深夜ドラマのセット）

宇佐美密

（僕と同じ）

宇佐美密

（安っぽくて
面白みがない）

宇佐美密

（なのに僕は、その茶を塗り替える鮮やかな朱のコントラストに）

宇佐美密

（美しいと感じられる要素を見つけようとしている。）

宇佐美密

…………馬鹿っぽいな

宇佐美密

（さあ何か食べないと）

宇佐美密

（ジャムパンを炭酸水で
流して飲む）

宇佐美密

（まったくおいしくない。
というより、）

宇佐美密

（甘いということは
分かるのだけれども）

宇佐美密

（なんだか味がしない）

宇佐美密

（僕は哀れで醜いんだ）

宇佐美密

（欲を貪るなんて、
齧りつくなんて。）

宇佐美密

（カッターナイフも
錆びてきたし）

宇佐美密

（なんて僕は弱いんだ）

宇佐美密

（本当は
首を切り裂いてやりたい）

宇佐美密

（腹を
混ぜてしまいたいのに）

宇佐美密

（昼休憩はまだ十三分も
ある）

宇佐美密

（そうだ）

宇佐美密

（このまま仮眠しよう）

宇佐美密

（でも目を瞑れば
見えてしまう）

宇佐美密

（粘液が溶けた繊維を絡め取り食道管を滑るさまが）

宇佐美密

（内臓の細胞一つひとつが呻きながら蠢くのが）

宇佐美密

（生の虫が僕を蝕んで
食べ尽くすところが！）

宇佐美密

（僕は喰われてしまうのだろうか）

宇佐美密

（怖い。生きたくない）

宇佐美密

（鉄に似た匂いに
吐き気がした）

宇佐美密

（でも嬉しい事は
あるんだった）

宇佐美密

（生活費に充てていたバイト代の余りが今日、）

宇佐美密

あ

宇佐美密

（キッチンに義母さんが
いた）

宇佐美密

（乾いた唇を舐めて、艶の失くなった髪を梳かすこともせず）

宇佐美密

（僕のピルケースを掴んで
佇んでいた）

義母

…………
ベンゾジアゼピンって

義母

なあに？

宇佐美密

これは

宇佐美密

（溜まったお金で行った
心療内科で）

宇佐美密

（処方されたばかりの
睡眠剤）

宇佐美密

（四ヶ月ぶりに買えた）

宇佐美密

（でも。見つかった）

宇佐美密

（通学鞄に
隠していたのに）

宇佐美密

……僕のだ

宇佐美密

返してよ

義母

薬ってね
毒なの

義母

あたしにはわかる

宇佐美密

義母さん

義母

ああ、酷い隈だわ

義母

本当に可哀想……

義母

でもひいくんのこと
あたしは愛してるからね

義母

大切な一人息子だもの

宇佐美密

違うよ

宇佐美密

姉さんもいる

義母

姉さんだなんて。変な子

義母

家政婦のことね？

義母

あの泥棒猫

義母

あたしのパパを
盗って消えたんだわ！

宇佐美密

（高校を中退して彼氏とマンションで同棲することになっても）

宇佐美密

（毎月二万円を
置きに帰ってきて）

宇佐美密

（料理と掃除と洗濯までしてくれた産み親の違う姉）

宇佐美密

（いつからか
来てくれなくなった）

宇佐美密

（いつまでも不衛生な環境と絶えまない暴言に諦めてしまったのかもしれない）

宇佐美密

（どうであろうと）

宇佐美密

（義母さんの記憶には
何も無い）

義母

パパは、パパは
悪い奴に攫われたのよ

義母

いつか戻ってくるからね

宇佐美密

父さんは逃げた

宇佐美密

忘れたの

宇佐美密

ギャンブルの借金だけ
残したんだよ

義母

ひいくんひいくん
死ぬのは止めて

義母

お願いよ

義母

異物を取り込むのは
いけないことなの

義母

偉い子だから、分かる
でしょ？

宇佐美密

……別に自殺するための
道具じゃないよ

宇佐美密

悪い物じゃないんだ

宇佐美密

ただ
眠れなくて苦しいから

義母

ひいくん、やあよ

義母

あたしを置いて行っちゃ
嫌！

宇佐美密

（充血した目が輝いた）

義母

体を汚しちゃ駄目なのよ

義母

救われるには、
健やかで清らかなままで
いなくてはならないの

宇佐美密

（久しぶりに聞く呪詛には決して）

宇佐美密

（信じる者の喜びなんて
含まれていなかった）

宇佐美密

（悶えるくらいに醜い
哀しみだけ）

義母

だいじょうぶ

義母

きっと、うまくいく

宇佐美密

（焦点の合わない両眼が
逸らされた）

宇佐美密

（蛇口からは勢いよく
水が落ちている）

宇佐美密

（喉が絞められていく
気がした）

宇佐美密

…………それ
病院で貰ったんだ

宇佐美密

保険に入れていないせいで、高かったんだよ

宇佐美密

義母さん

義母

そう

義母

でも

宇佐美密

（義母さんが蓋を取る）

宇佐美密

（緩慢な動作で
容器を逆さにした）

宇佐美密

（白い粒達が重力に従い）

宇佐美密

（黒い口に
呑まれていった）

義母

必要ないの、

義母

偽物なんて

宇佐美密

（義母さんは泣いていて、
涙を拭いもしない）

宇佐美密

（銀のシンクに
叩きつけられて）

宇佐美密

（プラスチックの箱が
割れる）

宇佐美密

（そして錠剤は流れる）

宇佐美密

（僕の希望の一切が
吸い込まれていった）

宇佐美密

（缶のように潰されるのを、膿のように溶けていくのを、）

宇佐美密

（僕は知っている。）

男子生徒

ウサギちゃん
来月退学するんだって

男子生徒

は！？

男子生徒

職員室で絶賛話題沸騰中ー

男子生徒

盗み聞きした奴がいる
らしい

男子生徒

えでも
来月卒業式じゃん

男子生徒

なんで？なんで？

男子生徒

なあ
なんでなの？

男子生徒

うるせえよ。しつこい

男子生徒

まあ仕方ないのかもな

男子生徒

親のダブル不倫で離婚した
泥沼家庭だぜ

男子生徒

親戚に引き取られたとて、
何かはあるんだろ

男子生徒

あーあーはいはい

男子生徒

不登校の理由、
ようやくわかったわ

男子生徒

いやおまえ

男子生徒

他クラスの人の出欠
なんで把握してんの

男子生徒

……引くなよお

男子生徒

俺ウサギちゃんとまだ挨拶
すらしたことないんだぞ！

女子生徒

────ウサギくん？

宇佐美密

…………え

宇佐美密

何？

女子生徒

大丈夫？

女子生徒

すごい顔してる

男子生徒

うわ。まじだ、
真っ青じゃん

女子生徒

あと一限あるけど
とりあえず早退しちゃえば

男子生徒

ウサギくん寝不足なん？

宇佐美密

うん
……昨日勉強しすぎて、

男子生徒

あ。もしかして

男子生徒

番がいなくなるの
やっぱりショック？

男子生徒

つがい？

男子生徒

いや、ウサギさん同士

男子生徒

共鳴するものでも
あんのかなーって

男子生徒

寂しくて死ぬとかさ？

女子生徒

ねえ
ほんとにつまんないから

男子生徒

冗談だって！

男子生徒

……恋敵に塩なんか
送りたくないけどさあ

男子生徒

元気だせよ、ウサギくん

男子生徒

明日クリームパン
奢ってやるわ

宇佐美密

ありがとう

女子生徒

そういえばウサギくん、
昼休憩のとき
いつもいないよね

男子生徒

てか
なんで立ってるんだ？

男子生徒

倒れそうだぞ。座れよ

宇佐美密

平気だよ

宇佐美密

…………じゃあ

宇佐美密

水でも買ってくる

宇佐美密

（あった。保健室）

宇佐美密

（こんな校舎の端
だったっけ）

宇佐美密

（人気が全然ないんだな）

宇佐美密

（糸を張ったのと似た冷たさが、辺りに漂っている）

宇佐美密

（それにしても寒い。
もう完全に冬だな）

卯﨑晴日

…………

宇佐美密

…………

宇佐美密

着いたよ。ウサキさん

宇佐美密

入ろう

卯﨑晴日

……うん

宇佐美密

（肩を抱えたまま抑えた声で囁くと、僅かに頷いた）

宇佐美密

（首元の距離にいるウサキさんに気を削がれて）

宇佐美密

（動揺を上手く隠せているか不安になる）

宇佐美密

あ

宇佐美密

（そういえば）

宇佐美密

（二時以降は確か入れなかった規則があったような）

宇佐美密

……れ

宇佐美密

（扉は抵抗することなく、滑らかに開く）

宇佐美密

…………失礼します

宇佐美密

（誰も居ないのか？）

宇佐美密

（ルーズリーフの切れ端が床に落ちている）

宇佐美密

（只今不在という文字の横に、おそらく養護教諭らしき人の名前が書かれてあった。）

宇佐美密

僕達だけみたいだ

宇佐美密

ベッドの使用許可って、確か要らなかったはずだよね

宇佐美密

座って休んでいて

卯﨑晴日

…………

宇佐美密

（俯いているせいで顔が影に隠れているけど）

宇佐美密

（薄い肩で呼吸をする様子は苦しそうで）

宇佐美密

（僕まで
息が詰まりそうになる）

宇佐美密

答えられたらで良いよ

宇佐美密

今、調子はどう？

卯﨑晴日

…………さっきよりは

卯﨑晴日

すこし、まし。

宇佐美密

そっか。安心した

宇佐美密

（少しでも物音を立てれば掻き消えてしまいそうな）

宇佐美密

（細い声だった）

宇佐美密

（久しぶりに見たな）

宇佐美密

（昨年クラスが同じだったけれど）

宇佐美密

（あの頃より、更に痩せている気がする。）

宇佐美密

（自動販売機の横で
ふらついていた彼女を
見つけたとき）

宇佐美密

（僕の幻覚なんじゃないかと思った）

卯﨑晴日

────えっとね

卯﨑晴日

最近

卯﨑晴日

ちょっと貧血気味で

卯﨑晴日

偶然、ウサミくんが

卯﨑晴日

見つけてくれなかったら

卯﨑晴日

私

卯﨑晴日

ずっと、
あそこで倒れてたと思う

宇佐美密

（言葉を覚えたての拙い子みたいな喋り方）

宇佐美密

……六限のあとは

宇佐美密

いつもあそこで飲み物を
買っているから

卯﨑晴日

そうなの

卯﨑晴日

助けてもらえて、嬉しい。

卯﨑晴日

ありがとう

宇佐美密

（ウサキさんは
昔と変わらず）

宇佐美密

（蕾が膨らむような
笑い方をする）

宇佐美密

…………よかった、

宇佐美密

（良かった。）

宇佐美密

（ウサキさんに会えたのが僕で、なんて）

宇佐美密

（再び沈黙が訪れると、）

宇佐美密

（二人きりだということを
一気に自覚させられて）

宇佐美密

（こんな状況で
緊張している僕は）

宇佐美密

（まったくもって善い人
ではないんだ）

卯﨑晴日

宇佐美密

ウサキさん？

宇佐美密

（スカートのポケットから瓶が現れる）

宇佐美密

（ガラスの縁に唇を
付けると）

宇佐美密

（カプセルの半分ほどが
口の中へ消えた）

宇佐美密

それ、は

卯﨑晴日

ビタミンＤのサプリだよ

卯﨑晴日

…………ウサミくん

宇佐美密

え？

卯﨑晴日

バイト。

卯﨑晴日

してるんでしょ

卯﨑晴日

校則違反なの、
わかってるよね

宇佐美密

…………なんで？

卯﨑晴日

別に噂になってるわけじゃ
ないよ

宇佐美密

（ウサキさんが咳をした）

卯﨑晴日

…………
話すの、懐かしいな

卯﨑晴日

ちっちゃい頃は
よく遊んだね

卯﨑晴日

密くん

卯﨑晴日

ずっと私の命綱だった

宇佐美密

卯﨑さん

卯﨑晴日

小学生のプロポーズなんて

卯﨑晴日

真に受けるほうが
おかしいよね

卯﨑晴日

でも

卯﨑晴日

私を好きって言ってくれたの、密くんだけなんだ

宇佐美密

（滑らかな手つきで頬を
撫でられて）

宇佐美密

（引き返せないと悟った）

卯﨑晴日

私に光をくれたひとが

卯﨑晴日

幸せでないことが
許せない

宇佐美密

（波のような瞳の渦に
巻き込まれていく）

卯﨑晴日

宇佐美密

（篭った熱に触れて）

宇佐美密

（お互いの恋が伝染った）

卯﨑晴日

ねえ

卯﨑晴日

「ウサギは寂しいと死ぬ」
って言われてるの

卯﨑晴日

知ってる？

卯﨑晴日

本当はデマなんだよ

卯﨑晴日

兎はね。病気になっても

卯﨑晴日

飼い主に
助けを求められないの

卯﨑晴日

たとえ苦しくても、

卯﨑晴日

悟られないように
隠してるんだって

卯﨑晴日

健気だよね。

卯﨑晴日

すごくつらいのに、

卯﨑晴日

一人で
がんばってきたんだね。

宇佐美密

（何も答えられない僕の青を、優しく拭ってくれる）

宇佐美密

（いつかのように）

宇佐美密

（こんどは彼女のほうが
抱きしめてくれた）

卯﨑晴日

私が辞めること、聞いた？

卯﨑晴日

なんだかどうでもよく
なっちゃったの

卯﨑晴日

…………密くん。

卯﨑晴日

私としよう

卯﨑晴日

心中しよう

宇佐美密

（卯﨑さんが僕に渡した
ジップロックに）

宇佐美密

（僕が冀求してやまなかった証の名前が記してある）

宇佐美密

……これって

卯﨑晴日

あのねっ

卯﨑晴日

私も眠れてなくて。えっと

卯﨑晴日

効くんだよ

卯﨑晴日

とにかく飲んで

宇佐美密

（掌に載せたそれらには）

宇佐美密

（まるで真珠のような価値がある）

宇佐美密

（僕は躊躇なく噛む）

宇佐美密

（狂うような苦さだった）

宇佐美密

（喉を渇かしながら、
機械的に胃に沈めていく）

卯﨑晴日

こどもでごめんね

卯﨑晴日

宇佐美密

（甘くて涼やかな声が
聞こえる）

宇佐美密

（あれ）

宇佐美密

（なぜか卯﨑さんが
いる）

宇佐美密

（穏やかに笑む顔の背景は、アリスブルーの天井
だった）

宇佐美密

（僕は倒れているのか？）

卯﨑晴日

ベンゾジアゼピン系睡眠剤の副作用

卯﨑晴日

密くん
知ってて買ったんでしょ

卯﨑晴日

今日のために勉強したの

卯﨑晴日

眠気

卯﨑晴日

ふらつき

卯﨑晴日

倦怠感。あと

卯﨑晴日

健忘

宇佐美密

（どうして）

卯﨑晴日

大丈夫、心配ないよ。

卯﨑晴日

茉緒（まお）さんのスマホは回収してあるし

卯﨑晴日

中学が離れてからも、
密くんのことは見てたもん

卯﨑晴日

元から人間って生き物はね

卯﨑晴日

忘れるべきことを
忘れやすくなっているの

卯﨑晴日

だから理想を全部あげる！

卯﨑晴日

あなたを殺してあげる

卯﨑晴日

私が密くんを助けるの

卯﨑晴日

失敗したら私、
犯罪者として
逮捕されちゃうね

卯﨑晴日

成功するかな？

宇佐美密

（心もとなさげな口調に
反して）

宇佐美密

（掠れた声に、酔いそうな量の幸せが詰まっている）

卯﨑晴日

疲れたね。休んでね

卯﨑晴日

起きたら
二人で生きていこうね

宇佐美密

（そうか）

宇佐美密

（僕は夢を見ているのかもしれない）

宇佐美密

（そうだ）

宇佐美密

（夢なのであれば。）

宇佐美密

晴日

宇佐美密

─────

宇佐美密

（僕は、
君にキスをされながら）

宇佐美密

（何を言ったんだっけ）

宇佐美密

（…………）

宇佐美密

（もうわからない）

宇佐美密

（体が重い）

宇佐美密

（眩しくて）

宇佐美密

（瞼が開かない）

はい　あげる

わぁ！

すてき

はるひ

なあに？

すきだよ

わたしもひそかくんがすき

おとなになったら結婚しよう

うん　絶対だよ？

そういえばね

植物にはみんな花言葉っていうものがあるんだって

そうなんだ

そうなの

だからね　ふたりでお祈りしよ！

この白詰草のティアラと指輪に誓って

わかった

必ず守るから

ぼくがいるひとりぼっちにしない

えへ　ヒーローみたい

────ひそかくん

僕？

そうだよ

（花のように笑う人だな）

（たしかに僕は、
密という名前だったように
思えてきた）

名前、わかる？

…………ごめん。
申し訳ないけど僕

色んなことを
忘れているんだと思う

君は誰？

貴方の、恋人だよ

晴日
っていうの

……はるひ……

晴日？

そう！

わぁ、うれしいな

密くんが覚えていない間に

私には言いそびれていたことがあったの

なに？

あのね。

わたしも

私も、
君が好きだ。よ

（はにかむ顔が
酷く愛らしかった）

（飴細工に似た
きれいな愛を啄む間）

（柔らかい草の香りがした
ような気がして）

（歪な形の冠が堪らなく）

（途方もなく
懐かしいと思った。）

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●ベンゾジアゼピン系睡眠剤の副作用:眠気,ふらつき,倦怠感,健忘 ●ビタミンＤ過剰摂取の症状:食欲不振,嘔吐,脱力感,神経質 ●白詰草の花言葉:｢幸運｣｢私を思って｣｢約束｣｢復讐｣

羽映ありか

プロフィール

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兎さん達の正しい眠り方

第1話 - 兎さん達の正しい眠り方

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