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ある日

機械の町に流れ星が落ちた

それは明らかに人工物で

僕達フリーの機械は

それの処理をすることになった

ウデナガ

…なんだこれは?

タンソク

わからない

タンソク

とりあえず掃除しよう

ウデナガ

わかった、動かせないものがあれば言ってくれ

ウデナガ

短足のお前には無理だからな

タンソク

へいへい…

俺たちコンビは欠陥品で

付けるパーツを間違えたせいで

体が異様に長かったり短かったりする

タンソク

おい、これ人じゃないか

ウデナガ

おいおい、隕石に当たった奴がいるのか?

タンソク

いや、ちがう…

タンソク

人じゃない

ウデナガ

は?何言ってんだ?

ウデナガ

どういうことだよ

タンソク

天使がいた

ウデナガ

は?

タンソク

羽根が生えた女の子だ

ウデナガ

羽根ぇ?幻想の生物がいる訳ないだろ

タンソク

見てみろって

そこには頭髪が無く

儚げな体格をした少女がいた

彼女の背中には羽根が

正確には、外付けされた巨大な肺が付いていた

羽根の根元は金具で固定されており

その羽根は小刻みに息をしていた

ウデナガ

どうするよその子

タンソク

分からん、とりあえず回収しよう

ウデナガ

回収してどうする?

タンソク

それは家で考えよう

ウデナガ

人間様を見捨てる訳にも行かないしな

タンソク

幸い処置が必要なほどの怪我もなさそうだし、問題ないだろう

ウデナガ

良くもまぁ助かったものだ

タンソク

相当頑丈なマシーンに乗ってきたみたいだな

ウデナガ

破損が酷すぎてなんの機械なのか全く分からないな

タンソク

穴を埋めるのは他の奴に任せて連れ帰ろう

ウデナガ

そうだな、俺らじゃ役不足だからな

タンソク

それ誤用で真逆の意味らしいぞ

ウデナガ

マジ?

タンソク

マジマジ

ウデナガ

ただいまー

タンソク

おかえり

ウデナガ

一緒に帰ってきたけどな

タンソク

ただいま言ったのにおかえり無いの嫌だろ

ウデナガ

たしかに

ウデナガ

んで、どうするよこの子

タンソク

あー…

ウデナガ

ガッツリ生きてるし天使だし

タンソク

んー…

タンソク

この子が起きてから考えようぜ

ウデナガ

お前後回しにしてないか?

タンソク

ちげーよさすがに本人の意見を聞かないとな

ウデナガ

あー、天使様だし人間様と同じ扱いみたいなもんか

タンソク

そそ、起きるまでスリープしようぜ

ウデナガ

次の仕事は入れないのか?

タンソク

この子優先

ウデナガ

了解

天使ちゃん

ん…

ウデナガ

おはよう

天使ちゃん

ゔぁ!

ウデナガ

驚かしてすまん

ウデナガ

腕が変に長いが、悪いロボじゃないから

天使ちゃん

あぁ…ぁ…

タンソク

ゆっくりでいいんで体で痛む場所を教えて下さいね

天使ちゃん

あ…はい…特には…

タンソク

なら良かったです

タンソク

あなたの名前を教えてくれますか?

天使ちゃん

名前…

天使ちゃん

わからないです

タンソク

なるほど。

ウデナガ

困ったな

タンソク

天使ちゃんとでも呼びましょう

天使ちゃん

天使…ちゃん?

タンソク

あなたのように羽根のある人間を天使と呼ぶのです

天使ちゃん

羽根…

ウデナガ

羽根にしては些かえげつない見た目をしてるがな

タンソク

見たところマスクを付けないでこの星で生きれるように

タンソク

肺を拡張してあるみたいですね

ウデナガ

ほほー、考えるなぁ

天使ちゃん

あの…

ウデナガ

ん、どした?

天使ちゃん

あ…何から聞けば…

タンソク

あー、そうだね、まず、僕達はロボットで

ウデナガ

この星で唯一枷なく暮らせる知能を持った物だ

タンソク

人間たちは殆どが宇宙船に乗ってて

タンソク

定期的に空気清浄機を送り込みいつかこの星に戻ろうとしてるんだ

ウデナガ

我々は残された人間のお世話とこの星のケアを任されている

タンソク

我々を作った代償として空気汚染が進んだんだがな

ウデナガ

皮肉だねぇ

天使ちゃん

そ…そうなんですね…

タンソク

君は見たところ肺が外に出ているんだ

天使ちゃん

そうなんですね…

タンソク

多分、この地でも呼吸出来るように改造されている

天使ちゃん

改…造…

タンソク

肺が大きければ、呼吸が強くなるだろうという、短絡的な考えだろうね

ウデナガ

代わりに手と足を失っているようだけどね

タンソク

手足が無いのは不自由だろうが、我々は協力をするから

タンソク

これからどうしたいか好きに決めてくれ

天使ちゃん

うーん…

天使ちゃん

迷惑じゃなければここに居させて欲しい…です…

タンソク

了解しました

タンソク

我々は人間様の為に作られたので

タンソク

迷惑とか存在しません

ウデナガ

食べ物は貰ってくるから安心しろよな

タンソク

これからは片方を残して作業した方が良さそうですね

タンソク

1人で残すのは心配です

ウデナガ

んや、お前が残れ

タンソク

交互で良くないか?

ウデナガ

俺の方が作業に向いてる

タンソク

足が短い俺よりは、か

タンソク

悔しいが事実なのでそうしよう

ウデナガ

うい、ご飯と飲み物貰ってくるわ

タンソク

いってら

天使ちゃん

わざわざ…ありがとうございます…

タンソク

いえ、これからよろしくお願いします

天使ちゃん

あ…よろしくお願いします…

天使ちゃんとの生活は

何不自由無いと言えば嘘になるが

とても有意義だった

互いに腕や、足や、その両方に欠陥があり

そのコンプレックスを気にせず話すことが出来たからだ

この時間は彼女の年齢から推測するに

あと40〜50年は続きそうだと目測していたが

彼女の体は普通ではなかった

天使ちゃん

ゲホッゲホッ

タンソク

大丈夫?

天使ちゃん

んん…ここの所ずっと咳が出る…

タンソク

空気汚染の影響かな…?

タンソク

でもだとしたら肺は綺麗なままなんだよね…

天使ちゃん

ゴホッ…なんだろ…

タンソク

体に痛みとかある?

天使ちゃん

んー…

天使ちゃん

わかんないかも…

タンソク

そうかぁ…

ウデナガ

ウデナガも心配です

タンソク

そうだなぁ、医者に見てもらうか

ウデナガ

そやな、超久しぶりに移動するぞ天使ちゃん

ウデナガがお腹に手をかけたとき

天使の腹に穴が空いた

タンソク

天使ちゃん!?

ボロボロと崩れた彼女のお腹からは

真っ白の肺が沢山出てきた

天使ちゃん

うぅ…痛いよ…

ウデナガ

ごめん…ごめんよぉ!

ウデナガが必死に崩れた肺を戻そうとするが

グチャグチャになった中身が治るとは思えない

タンソク

天使ちゃん…気づけなくてごめん…

天使ちゃん

うぅ…うぅ…

天使ちゃん

たんそくさんは…悪くない…

タンソク

こんな病気知らなかった…ほんとにごめん…

天使ちゃん

んーん…ありがとうね…

天使ちゃんが動かなくなった

彼女のお腹には大きな肺が敷き詰められていて

肺だと思っていた所に最低限の心臓などが入っていた

彼女は肺のために生まれたのだ

肺が死んだら彼女も死ぬ

そして…

またこの星に天使を乗せた

空気清浄機がやってくる。

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コメント

6

ユーザー
ユーザー

配信で読ませていただきました!🍅🐤さん達にも好評でした。

ユーザー

誰かさんが読んでいるのを見ていましたけどいい作品でした!

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