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コメント
3件
フォロー失礼します!
僕たちの幸せな記憶喪失見たくなってきたなぁ笑初めて知った笑
因みに、他の人の視点とかね、エピソードを見ると意外と伏線があるかもですね~。
ど~も!!
主ことらめあです。
またまたコンテスト作品です~っ!
え~、恐らくまた長いので指を休憩させながらね。
[僕たちの幸せな記憶喪失]という小説を参考にさせていただいてます。
登場人物⬇
桃
紫
黄
緑
水
赤
赫
とりあえずこんな感じですね、
なつくん推しの皆様。 申し訳ございませんっ!!! 嫌な方はブラウザバック推奨です。。。
では、注意です。
⚠️注意⚠️ 本人様には関係ありません。 パクリではないです。 こちらは主の二次創作作品です。 記憶喪失パロ 死ネタあり CP表現あり(主に公式ペア 紫桃、黄緑、水赤 地雷さんはお帰りください。 コメント欄では伏字等でお願いします。
もしも。
10年分の記憶がなくなってしまうとしたらどうだろう?
悲しむ。怒る。混乱する。
様々な感情が入り乱れてしまうだろう。
そんな中で喜ぶ。
そんな人は居るだろうか?
過去にあった嫌な記憶を消し、
新たな人生を歩めるということになる。
君はどう思うだろう?
人生の半分の記憶を失ってしまう。
高校生達の生活を見ながら、
考えてみて下さい。
知らない過去がある。
それはただの恐怖だ。
百
百
桃
この人は先輩だ。 編集部でアルバイトをしているらしい。
百
桃
乾いた笑みを、こぼしつつ、 俺は自分の過去を語り始めた。
確かに俺は高校三年生の時に 普通の人では体験しないような事を 体験している。
俺はー集団記憶喪失事件ーに巻き込まれたんだ。
無個性な俺の中で、かなり大きな出来事だ。
もうすぐ大学を卒業し、20歳になるが その内の10年間分の記憶がない。
ぽっかりと記憶に穴が空いたような気分だ。
幸いにも学習内容等は全て覚えていたため、 就職等に影響は何も無かった。
百
桃
桃
百
百
百
百
桃
百
百
桃
桃
ねえねえ、あのボカロ知ってる?
知ってる知ってる!あの集団記憶喪失事件に巻き込まれた人がつくったんだよね!
確か、空白的な、?
急に胸にある言葉が出されてドキッとした。
普段は気にもとめないような曲を 耳を済ませて聞いてみる。
何故か、そのメロディーはどこか懐かしく、 暖かみがあるようだった。
ザワザワ
いつも通りの騒がしい日常。
何一つ変わったりしない。
はずだった。
ガラッ
先生
心做しか何時もよりも空気が沈んだように感じる。
先生
いつもはとても元気な先生だが、 顔面を白く染めて教卓に立っていた。
これは現実世界の話なのだろうか?
先生
先生
先生
その言葉でふと昨日の学食を思い出すと 確かに味噌汁があった。
周りを見渡してみると皆青い顔をしていた。 頭を抱えたりしている人もいた。
緑
緑
緑
緑色の髪に黒メッシュが目立つ 委員長である友達のすちが発言した。
先生
教師の中に…?
衝撃的な事実に思考が停止した。
先生
水
急に1人が声を上げて立ち上がった。
普段は1人で居ることが多く、 学校もほとんど不登校気味の彼。 水野 小雨だ。
今の一瞬でクラス全員の視線を集めた。
水
先生
水
水野さんは、絶望したような様子で椅子に座り込んだ。
先生
緑
先生
10年分って、!!
治る薬はあるんですよね!?
どう責任とってくれるんですかっ!?
クラスが混乱に陥った頃。 俺はただ1人。
自分の嫌悪感から逃げ出せるかもしれない。
一瞬そんな考えが頭をよぎり、直ぐに消えた。
紫
そして、ふと周りを見渡すと。
周りと違い、窓の外をただ眺めているだけの彼がいた。
学年で1番成績が優秀な紫之宮 入間だ。
だが、そんなことを考えるよりも前にスマホを開き連絡をとっていた。
桃
それからふと考えてみると、 10年分の記憶がなくなるなんて。 知らない自分が生活しているようなものだ。 改めて考えるととても怖く、中々寝付けなかった。
お母さんはひたすら慰めてくれたが、 俺は心のどこかで別の人生を歩めるかも知れない と考えていた。
緑
桃
緑
桃
緑
緑
呆れたような口調ですちは話し続けた。
緑
桃
緑
みことというのはすちの彼氏だ。
別れるかどうか微妙と以前から少し聞いてはいたが、 こんなことになるとは思ってもいなかっただろう。
自然に忘れるのと、 強制的に消去されるのとでは かなり意味が変わってくる。
俺が真っ先に思い浮かべたのは明確だ。 この世にはもういない“彼”のことを。
決して忘れては行けない 彼と過ごした日々のことを。
お~い!すち~!! 後輩が呼んでるよ~!!
緑
緑
俺はそっと瞳を閉じる。
最後に会ったときの彼。 なつの姿が、鮮明に映し出されていく。 俺に何かを訴えている。
なつ。 なつとの悲しい過去から逃げれると一瞬でも思ってしまった俺を見抜いてるの? 俺は、どこまでもずるく、醜い人間だ。
桃
紫
桃
学年一が何のようなのか。
紫
桃
紫
そういえば、そんなのもあったような、、。ま
あの事件から約3日。
俺たちは放課後に資料室で集まり 作業をすることになった。
ホームルームか何かであまりものでなった係だ。
正直なところ、忘れていた。
紫
桃
桃
紫
紫
桃
桃
紫
桃
桃
紫
紫
桃
桃
紫
紫
紫
そう言って貰えると少し心が軽くなった。
桃
紫
いきなりタイムリーな話題を突っ込んできて思わず笑ってしまった。
桃
桃
ふと、本音が漏れてしまい焦ってしまった自分がいた。
紫
紫
桃
紫
桃
紫
桃
紫
桃
桃
ここら辺の過去の話は誰にも話したことがない。 ずっと蓋をし続けてきた部分だ。
桃
紫
ただ何も言わず、頷き続けてくれた。
桃
桃
重い空気が流れた。
だが、そんな沈黙を破ったのは彼だった。
紫
紫
桃
紫
桃
桃
紫
桃
桃
紫
桃
紫
紫
紫
桃
その時、小さな音が鳴り扉が開こうとした。
咄嗟に二人で身を隠すと、 見慣れた顔の男女二人が部屋に入ってくるのが見えた。
すちとみことだった。
今までの事、すちから聞いた話から推測するに 大事な話をしているというのは 簡単に想像がついた。
そう察した俺は、いるまに「どうする?」と目で問いかけた。
いるまは小さく頷き、後ろの方にある扉を指さした。
それが合図だと思い、すぐに荷物をまとめ なるべく話の内容も聞かないように 部屋を出ようとした。
でも、その時 すちのすすり泣く声が聞こえた。
緑
緑
桃
先ほど教室で見せた笑顔は無理やりにでも作ったものなのだろう。
紫 side
学校で衝撃的な事実が伝えられた。
記憶がなくなる。 この事件の発覚後に静かに家に帰ると 母親がリビングの隅でうずくまっているのが見えた。
本能的なものなのかはわからないが、 「これはやばい」と感じた。
俺は静かに足音を立てないように部屋に行こうとした。
母(紫
かすかな物音に気付いたのだろう。 そう言われた俺は諦め、リビングへと向かった。
母(紫
母(紫
紫
母(紫
母(紫
すでにもう情緒はボロボロだった。 俺がどうしようもないくらいに。
母(紫
紫
母(紫
そう怒り狂った母の頭には痛々しい傷があり、 これは自分のせいなんだと改めて思う。 ここからは逃げられないのだと。 改めて実感することが出来る。
紫
母(紫
母(紫
『速報です。 ○○県××市にある○×学校で集団記憶喪失事件が発生しました。 現在は事態を詳しく調べている最中です。 許されるものではありません。 私の息子も事件に巻き込まれ_。』
息子の話を切り出した父親に嫌気がさし、 俺はすぐにテレビを消した。
母(紫
紫
紫
母(紫
打ち込み用のキーボードや 何やらごつめのスピーカー。 ソフトウェアを立ち上げた俺は そこそこ性能の良い黒いヘッドフォンを耳に当てた。
俺が唯一生きている。 そう感じられるのは 音楽を聴いているときか作っているときだけだ。
手当たり次第過去の曲を流していると 中学生ころに作った初めての曲があった。 そういえば、記憶を失うということはこのことも忘れてしまうのか。 そう考えると中々に大きな喪失感に襲われた。
そして、ヘッドフォンを耳から外すと ふと、彼の事を思い浮かべる。 彼奴がカギだ。 俺が唯一失いたくない記憶の中には彼奴がいる。 教室で俺と同じようにただ遠くを見つめていた。 桃井 蘭が。
紫
桃 side
昨日いるまに訊かれた質問。 内心は凄くドキッとしていた。 彼_夏のことを。 勿論、嬉しいなどの感情ではない。 夏のことを忘れて嬉しいなんてそんな訳ない。 でも、罪悪感から解放されるかもと 一瞬でも思ってしまった俺に嫌気がさす。
緑
桃
緑
手に持った大量に書かれたメモ帳を見てすちがそう言った。 だが、昨日の様子が頭に思い浮かび心が締め付けられてた。
だって、すちのあんな表情 今まで見たことが無かったから。
桃
桃
緑
緑
緑
先生
先生
先生
先生
その言葉を聞き、何人かの生徒が泣き出してしまった。 そうだ、俺らの存在が消えるわけではない。 俺らはここに実在したのだ。 だからこそ、俺は過去に向き合わなければいけないと思った。
_八年前の夏の出来事。
赤
桃
赤
そう言って笑顔を見せたなつはいつも以上に輝いて見えた。
桃
赤
桃
桃
赤
桃
桃
赤
桃
赤
桃
一年前までは弟のりうらくんもよく遊びに来ていたが 最近は全くだ。 なつの言った通り年頃というものなのだろうか?
桃
赤
赤
初めて聞いたなつの将来の夢。 正直驚いた。 モデルも自らやっているものだと思っていたから。
赤
桃
赤
正直なつの親ならやりかねないなと思ってしまった。
後日の夜。 俺の姿が映った写真がSNSに挙げられていた。 なつが「俺の親友です」と書いて。 そのコメント欄にあった反応は悲惨なものばかりだった。
【え、意外な友達...笑】 【夏は誰でも関係なく仲良くしそうだよね】 【この二人が仲いいんだ、、想像つかな。】
赤
桃
赤
赫
赤
赫
赫
桃
赫
桃
赫
まっすぐな瞳で問いかけられ、 俺はすぐに答えることが出来なかった。 なつから距離を置こうとしているのを 全て見透かされたような気がして。
桃
赤
桃
少しずつ本物の友情にヒビが入り、歪になっていく。 そう感じた。
桃
紫
桃
紫
桃
紫
桃
紫
桃
紫
あまりその話をしたくないのかすぐに話題は切り替わった。
桃
紫
パソコンを見ていると目に飛び込んできたのは 『集団記憶喪失事件』 という文字だった。
紫
桃
紫
桃
言葉に詰まり、 咄嗟に逃げ出してきてしまった。
桃
桃
水
桃
そこに居たのは、殆ど学校に来なかった 水野小雨だった。
水
桃
俺は落ちてしまった水野さんのスマホを拾い上げた。 そこには、、
桃
水
桃
水
水
桃
俺は現実を受け入れられず、線香を一度しかあげていない。 なつの母親に会うのも怖くて_。
水
桃
水
水
水
急にそんなことを言い放った。
水
理解するのにしばらく時間がかかったが。 これはこんかいの記憶喪失事件についてだ。 俺のこれからの人生になつとの思い出は必要だ。 絶対に、忘れてはいけない。
水
もし過去に戻れるなら絶対にあの日に戻る。 なつあ俺の中学校まで、一人で会いに来てくれたあの日に。
中学三年生のころの夏。
なつは段々と有名になり、仕事も忙しく 学校に来れない日が増えた。 俺もなつと仲が良いことを不思議に思われ、 比べられることが増えた。
昔の純粋に仲が良かったあの頃に戻りたい。 何度そう願ったことだろうか。
桃
何やら校門のあたりがざわついている。 どうかあしたのかな?
桃
赤
桃
桃
赤
赤
桃
咄嗟に出た言葉。 一秒でも早くここから逃げたくて。 嘘なんてことはバレているだろう。
赤
桃
桃
赤
桃
赤
桃
赤
赤
そういって、駅とは反対方向に走り出した。 どうして急にそんなことを言い出したのか。 俺には想像もつかなかった。
桃
桃
その時、何かに抱きしめられた感覚があった。
桃
紫
紫
桃
紫
紫
紫
紫
桃
紫
高校受験の時に? その話ってまるで_。
桃
紫
紫
桃
紫
桃
紫
桃
紫
赫
桃
一瞬、なつが視界に映ったのかと思った。
赫
桃
赫
桃
何故りうらくんが会いに来たか なんて容易に想像できた。
俺が一番会いたくなかった相手。
『ねえ、らんさん。 ...中学生になってもお兄ちゃんと仲良くしてくれる?』
赫
赫
桃
赫
りうらくんも何も言い返してこないとは思わなかったのだろう。
赫
桃
赫
赫
赫
赫
ザワザワ
赫
人が集まってきたときに、 りうらくんはそう言って去っていった。
紫
桃
紫
桃
また長い沈黙が流れた。 そして、それを破ったのはいるまだ。
紫
紫
いるまの口から語られた過去は 中々に壮絶なもので言葉が出なかった。
桃
紫
俺といるまの状況は全然違う。 でも、お互いに忘れてはいけない記憶がある。 それは確かだ。 大切な人のことを忘れて、一体俺の人生には何が残るんだろうか。 確かに、今までとは違う人生を歩めるかもしれない。 でも、そんな人生に意味なんてないのではないか?
桃
桃
『...大人になっても、俺のこと忘れないでくれる?』
桃
【前はごめんね。仲直りしたい。また会えるかな?】
そう書いたメッセージには返事がなく、既読すらついていない。 このメッセージに返事が来るのを待つ間は心臓がはち切れそうだった。 でも、このメッセージに返事がくることは無かった。
桃
桃
紫
桃
桃
桃
紫
休日になり、俺はなつのお墓に来ている。
桃
桃
消えることのない罪悪感。 でも、どうせ忘れてしまうならすべて曝け出してしまおう。
桃
想像でしか会えない君。 その現実がただただ悲しい。 この出会いは奇跡だったと思う。 この奇跡をなかったことにはしたくない。
桃
桃
お墓参りに行ってからはしっかりと自分と向き合い、 どのようにして生きていくのかを考えた。 そして、もう。 卒業だ_。
緑
凄く目が腫れている。 しっかりとみことと話し合えたんだろうか?
桃
緑
緑
桃
緑
まっすぐと目を見てそう伝えてくれたすちを見て胸が震えた。
桃
緑
桃
一人になった俺は教室を見渡した。 雨乃さんは来ていない。 もしかしたら雨乃さんとなつのお墓詣りに行けたかもしれない。 もっとこうすればよかったという後悔が今になって押し寄せた。 それは勿論、いるまにとっても同じだ。 もっと早く思い出せば、長く居れたかもしれない。
紫
桃
紫
桃
紫
桃
紫
紫
桃
紫
桃
紫
紫
紫
桃
桃
紫
ついに卒業式がはじまった。 まだ開始してすぐだが、すすり泣く生徒の声が聞こえた。 外には沢山のマスコミが押しかけていた。 大人になった時には一体どんな記憶が残っているのだろう。 わからない。 これから、未知の世界で生きていくんだ。 不安はあるけど。 そう決めたから。
卒業式が終わり、 卒業証書を持ち、言われた通り資料室に来た。
桃
紫
桃
紫
桃
桃
紫
桃
紫
桃
桃
桃
紫
桃
紫
桃
紫
一枚の紙を渡された。
桃
紫
桃
桃
紫
紫
桃
桃
そして、いるまは首にかけていたヘッドフォンを取り外した。
黒く高価そうなそのヘッドフォンはいるまのトレードマークのようなものだ。
紫
桃
紫
そう言って、いるまは俺の首にヘッドフォンをかけてしまった。 まっすぐな瞳に拒否が出来なかった。
紫
桃
紫
記憶を取り戻す...。 そんなこと今まで考えたことなかった。 諦めてはいなかったけど、 そこまで考えることが出来なかった。
桃
紫
桃
紫
桃
紫
突然そんな事を聞かれても頭の中は空っぽだ。 まさか、いるまからそんなことを求められるなんて。 俺は必死に頭をフル回転させた。
桃
紫
考えをまとめる前に咄嗟に出しちゃった。 いいたいのはそういうのじゃなくて、、 何ていうかっ、もっと...。
桃
紫
桃
ちゃんと伝わったのかな?
俺といるまは二人とも都内の大学に進学するとはいえ、 距離は離れていて、とても生活圏で会うような範囲ではない。 だから、ここで別れてきっともう二度と会うことはないのだろう。
桃
紫
短い言葉に沢山の感情を込めてそう言った。
桃
紫
存在ごと確かめるようにしっかりと、強く。
紫
いるまが急にそんなことを言った。 忘れたい過去、忘れられない過去、忘れたくない過去 そんな様々な感情に振り回され、 俺たちは今日、卒業した。
これから先は未知の世界。 でも、何も恐れずに歩み続けよう。
大切な人から受け取ったものを少し見えない場所にしまっただけなんだ。
紫
桃
桃
紫
いるまのその一言で、 同じ教室に居ながらもはなしたことがなかった俺たち。 誰にも話したことがないような過去を話した。 いるまに出会えなかったら、俺の人生は止まったままだっただろう。
いるまは奇跡そのものだ。
例え、生きる場所が世界の端と端になっても、 いるまの幸せを心の底から願うよ。
もしも、また会うことが出来たら、 それは奇跡だろう。
あの事件から約三年半が経過した。
俺は大学生になったが、幼少期の事は何も思い出せない。
十年分の記憶が抜け落ちて、生きてはいけるけど、 まるで、ずっと夢の中にいるようだった。 だから、たまに不安になってしまう。 本当に生きていけるのか、と。
百
先輩が声を出した。
百
百
百
百
桃
取材開始から約30分 何も意見が出てこないので、 とても分かりやすいくらい諦めた顔になっていた。
桃
その時、聞いたことあるメロディーが流れてきた。
桃
記憶を少し取り戻せた人も居ると、 風の噂で聞いたが、どこまで本当なのか...。
桃
医師には無理やり記憶を戻すのもよくないと言われた。 なので、新しい環境に引っ越せて良かったのかもしれない。 過去の俺は未来に向けてノートを作ってたみたい。 黒いペンで”10年ノート”と綴られていた。
よほど友達が少なかったのかはわからないが、 ノートの半分も埋まってなかった。 ただ、親友のなつが亡くなったことは事細かに書かれていた。 自分でも読んでるうちに自然と涙が出たのを覚えている。
暇 なつ 永遠の親友。 ーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーー、ーーーー。 ーーーーーーー、ーーーーー、ーーーー。 ーーーー。ーーーーーーーーーーー。
ノートを読む限り、弟くんには嫌われている。 だから、会いに行くことは出来ない。 たった数秒だが、向こうから話しかけてくれたときは嬉しかった。 過去は変えれないから。 それでも、俺は親友のなつに毎年会いに行っている。
そして、”これから”を生きるという決意を誓うんだ。
桃
桃
バイト先の人
桃
バイト先の人
桃
カランカラン
桃
バイト先の人
???
バイト先の人
バイト先の人
桃
水
バイト先の人
水
バイト先の人
水
バイト先の人
水
バイト先の人
水
水
桃
水
バイト先の人
桃
水
グループで活動しているようで、 かっこ可愛いような四人組で活動しているそうだ。
桃
水
桃
水
桃
水
桃
その単語はどこか優しく俺の耳に残り続けた。
バイトが終わり...。
桃
桃
桃
桃
俺は背負っていたリュックサックと黒いヘッドフォンを外した。 この手紙は代表である緑山須知からのものだった。 俺が大学生になってからすぐに立ち上げられた会らしい。
桃
桃
活動目的は主に記憶を取り戻すことだ。
【凄惨な事件から早四年です。 いまだに戻らない記憶と向き合ってみませんか。】 という見出しで書かれている同窓会の招待状だった。
桃
卒アルを見てみても誰一人ピンと来ない。 どちらかというと「全員誰?」という感覚だった。 全く知らない人の卒アルを見ている気分だ。 その時、自分の顔写真を見つけた。
桃
桃
桃
まあ、あの”十年ノート”にもまとめていなかったし、 あまり関りのない人物だったんだろう。 この人が今や大人気作曲家になってるなんて...。
桃
桃
勿論、そんな記憶は何も残っていないし。 もしも記憶喪失事件後に作っているとしたら、 どのような気分でどのような顔をして作っているのだろうか。 ぁ、四之宮君、不思議な人ランキング一位だ...。
桃
【@____ 作曲】 わぁ、ほんとに有名人だ...。 【現役大学生です。】 【記憶喪失事件を乗り越え...。 新曲”空白”について語る。】 【ずっと自分が何者か分からないまま生きている。】 【そんな人に届けたい。】 その言葉に心臓が跳ねた。
桃
桃
そう思い、外したヘッドフォンをまた耳に当てた。 いつ買ったかも何も覚えてないが、 音楽に詳しい友達に『それめちゃくちゃいいやつじゃん!』と言われてからずっと使っているものだ。
桃
桃
桃
それは卒業式の日だった。
最終的に同窓会には行くことにした。
バス停でバスを待っていると、 後ろの女子高生が遅れたらどうしよう という不安の顔をしていた。
桃
え、い、良いんですか?
桃
あ、ありがとうございますっ!
そう言い、笑顔で見送り、俺はバス停のベンチで一息ついていた。
桃
桃
バスの電光掲示板に【遅延】の文字が書かれていた。 これは帰った方が良いってことかもしれない。 うん、きっとそうだ。帰ろう。
桃
桃
桃
急に立ち上がってしまったせいでぶつかってしまった。
???
桃
紫
桃
おもわず、アーティスト名感覚で呼んでしまった。 そう、まさか後ろに居たのは四之宮いるまだったのだ。
紫
桃
紫
桃
紫
紫
桃
そこで会話が途切れ、決まずい空気が流れた。
紫
桃
桃
紫
桃
紫
桃
紫
桃
紫
桃
紫
桃
桃
紫
桃
紫
桃
桃
紫
桃
紫
紫
桃
紫
桃
紫
桃
紫
紫
桃
そして、いつも持ち歩いている黒いヘッドフォンを鞄から取り出した。 四之宮君はそれを見て一瞬固まったように感じた。
紫
桃
紫
高校生の俺がそんな音質なんかにこだわってはないと思うんだけど...。 なんでこんなの持ってるんだろ。
桃
紫
桃
紫
紫
突然、今までと全く関係のない話題。
桃
桃
紫
桃
紫
気を取り直すようにスマホを操作した。 クリエイティブな人って独特な人多いらしいし、 四之宮君もそういう人なのかな? 改めて、ずらっと並んでいる曲を見ると、 四之宮君がどれほど音楽と向き合ってきたのかがわかる。 その時曲が再生された。 そして、それと同時に。
紫
桃
突然涙を零し、肩を震わせている。 曲は再生されているが、 動揺してしまい全く曲が頭に入ってこない。
桃
紫
桃
紫
記憶を取り戻してから...ずっと...?
桃
そう聞くと、静かにうなずいた。 そんな人ほんとうに居るんだ...。 しかも、俺に会いたかったって、、どういうこと?
紫
桃
紫
そんな、真実を聞いても頭の中は混乱したままだ。 俺と、四之宮君はどんな関係だったって言うの? 何か深い関係があったとしたら”十年ノート”に残っていないのはどうして? ...わかんない。思い出せない。何も。
『...”元気”だった?大学生の間。』
その時は引っかかりもしなかった言葉が胸の奥でジンジンと熱を帯びていく。 さっきまで違和感しかなかったものが何かを動かしていく。 あと一歩。ほんのあと一歩で掴めそうなのに_。
桃
紫
桃
そうお願いすると、四之宮君は真剣な目で俺を見つめた。
紫
だめだ。何も懐かしささえ感じない。 思い出そうとする俺を見て彼は「無理しなくていい」と言っている。 もやもやとした感情の時。 大きなクラクションが鳴り響いた。
桃
紫
桃
紫
桃
その時、脳に大きなヒビが入ったような痛みを感じた。 どうしてか、急にあのバスにいる四之宮君が思い浮かんだんだ。 頭の中で再生される蘇っていく記憶をなくさないようにしっかりと集中する。 記憶の中での中学生の俺が、四之宮君から渡されたヘッドフォンで 四之宮君が流す音楽を聴き始める。 ここまで思い出したその時_。
桃
あれは始まりの記憶。 四之宮君との出会いの時。
桃
俺は恐る恐る下の名前で呼んでみる。
紫
記憶を失ってからはずっと空っぽの人生だった。 でも、あの日君と誓ったんだ。 罪悪感ごと抱えて生きていくってね。
桃
紫
会いたかった。ずっと。 俺の知っているいるまに。 ずっと空白の時間を過ごしている間も心のどこかで。 暖かい記憶はすべて涙へと変わっていく。 これは一体どれほどの確立、奇跡なんだろう。
紫
夢を叶えたいるまがここに居る。 過去を知っている分、大変な道のりだったこともよくわかる。 それでもいるまは”元気”で居てくれた。
紫
紫
桃
紫
紫
桃
紫
自分のことをこんなに大切に思ってくれてるなんて思ってなかったから反応に困ってしまった。
桃
桃
紫
紫
桃
紫
桃
そして、最終ページをめくった時。 【四之宮いるま】 【忘れたくない大切な人、思い出せなくてもいいからまたどこかで会いたい。】
桃
短文なのに沢山の感情がこもっているように感じた。 どこにも記されてなかったのに、こんなところに書かれていたなんて。
桃
紫
桃
紫
紫
突然、流れるように告白をされて思考が停止した。 まるで時が止まったように過去の事を思い出す。 好きという言葉に心が揺れ動かされる。 _俺たちは事件に巻き込まれ記憶を失った。 だからこそわかる。 大切な人から貰った優しさ、愛情を自分の一部にするしかないんだ。
桃
一度、記憶を失って気付いた。 一緒にいながら、今を忘れたくないと思えたら それは愛だ。
桃
いるまの目をまっすぐ見ながらそう伝えると、 一瞬驚いたような表情をしてから、 今を噛みしめるように「うん」と涙声で言った。
あなたと生きたい。 影も光も。 あなたとなら一緒に見たい。 もうどこか遠いところから応援するのではなく、 いるまの人生に深く関わりたい。 そう思った。
彼と見つめ合い、 しばらくしてから、首にかけていたヘッドフォンを頭に装着した。
桃
そして話を戻すと、彼はそっと再生ボタンを押した。 少しして曲は再生され、音が流れ始める。
”奇跡”という曲名が机に置かれたスマホに書かれていた。
おかえりなさい!! めっちゃ長文でした~...。 お疲れ様です!!!
是非賞とれると嬉しいです!!
コンテストとは別に他の人編を見たかったらコメントください!!!
時間はかかりますが、書きますので!!
コンテストは遅くなってしまい申し訳ございませんでした!!!
いいね・フォロー・コメント宜しくです!! おつめあ!! 次回➤特別編(コメントあれば。