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魔術騎士学園 廊下

書斎から出たジェイダは廊下を早歩きし、 エルニはそんなジェイダを追いかけていた。

エルニ

話を信じられないのはわかるわ。

エルニ

だけどお願いよ!

エルニ

"アタシと一緒に真相を突き止めて欲しい"のよ!

ジェイダ

でもそれはこの学園から出る事になるだろ?

エルニはジェイダに「この学園から抜け出して一緒に旅に出てくれ」と頼んだ。

しかし学園が我が家同然であるジェイダはそんな簡単に実行はできない。

ジェイダ

学園長に約束されてるんだ、ここから出る訳には行かない。

寮生学校であるこの学園の生徒は外出するには届出を出し許可を得る必要がある。

しかしジェイダは学園長から【いかなる理由があっても学園から出てはいけない】と言いつけられていた。

「ここが君の家だから」「悪魔と呼ばれる君は学園から出れば狙われてしまうから」と言って。

エルニ

アナタ、プリエ様と学園長どちらが大切なの!?

エルニ

それに、あの男は……

アフェット

やあ、ジェイダくん。
エルニくんも一緒なのかい。

ジェイダ

学園長……!

アフェット・ルナティック

魔術騎士学園の学園長、穏やかで優しくて生徒から慕われる温厚な人物だ。

アフェット

学園の雰囲気には馴染んだかな、エルニくん?

エルニ

はい,おかげ様で。

エルニ

改めまして突然の編入を許可してくださりありがとうございます。

アフェット

どう致しまして。

アフェット

あぁ、そうだジェイダくん。

アフェット

今日の深夜0時にまた学園長室に来なさい。

ジェイダ

はい、学園長。

アフェット

それでは、私はこれで失礼するよ。

エルニ

……。

エルニ

深夜0時に何をするのかしら?

ジェイダ

何って、悪魔祓いだぞ。

エルニ

悪魔祓いですって…?

ジェイダ

ああ。
見ての通り、私は魔力もないし姿もこんなだ。

ジェイダ

あまりにもおかしいだろ?

ジェイダ

悪魔に取り憑かれてる可能性があるから週に一回悪魔祓いをしてもらってるんだ。

ジェイダ

光魔法をこう、ブワーッって私にぶつける感じ!
それで悪魔が逃げてくんだとさ!

エルニ

……しい。

ジェイダ

え?

エルニ

そんなおかしいわ!!

エルニ

悪魔祓いはそんな簡単なものじゃないわ!

エルニ

光魔法なんかで出来はしない、そもそも一般的な魔法なんて使わないはずよ!

エルニ

ジェイダ、アナタは騙されてるの!

ジェイダ

騙すって…学園長がそんなことするはず…!

エルニ

プリエ様はアナタが人間だって証明してくれたじゃない!

ジェイダ

ッ……!

エルニ

目が悪くなった原因もそれよ!

エルニ

アナタの目が光魔法を長時間浴びて余分な光を吸収するようになってしまったせいなのよ!

ジェイダ

な、なんで……

ジェイダ

なんでお前がそれを知ってるんだ!?

ジェイダ

目が見えないなんて私言ってなかったのに!

エルニ

それ…は……

エルニ

……。

エルニ

…話すしかないそうね。

エルニ

お願いジェイダ、今から言うアタシ話を信じて欲しいの。

ジェイダ

……。

エルニ

アタシね、時を戻してきたの。

エルニ

3年後からね……。

〜エルニが時を戻す前の時空〜

プリエ

ジェイダ、エル。

ジェイダ

プリエ様、いかがなさいました?

プリエ

私は少し遠出をする予定が出来ました。

プリエ

長くかかると思うけど、お留守番出来る?

エルニ

任せて頂戴!

ジェイダ

私たちはもう15だもんな!

プリエ

いい子ね、2人とも。

プリエ

片道で1ヶ月のところまで行くことになっているから、帰ってくるには2ヶ月はかかるわ。

プリエ

それまで待っていてね。

ジェイダ

プリエ様…中々帰って来ないな。

ジェイダ

もう三ヶ月も経つっていうのに……

エルニ

それほど遠くに行ってるんでしょうね…。

エルニ

でも大丈夫よ、そろそろ帰ってくるはずだもの。

ドン ドン

誰かが塔の扉をノックした

ジェイダ

!!!

エルニ

!!!

ジェイダ

帰ってきた!

エルニ

行きましょう!

〜塔の玄関前〜

ジェイダ

プリエ様、お帰りなさ……

扉を開けたらそこにいたのは数人の男性だった。

自警団

私たちは自警団の者です。

自警団

訃報を伝える為に参りました。

エルニ

訃報ですって……?

自警団

魔女プリエ・ラピュセルは自殺しました。

ジェイダ

は……?

エルニ

そんな…まさか…!

エルニ

アタシは信じないわ…!

エルニ

プリエ様の遺体が見つかったとでもいうのかしら!?

自警団

はい。

自警団

遺書もこちらに記されております。

エルニ

そんな………。

自警団

プリエ・ラピュセルが居なくなった以上、此処を撤去することになりました。

自警団

そこの男の子は速やかに荷物を持って実家へ帰りなさい。

エルニ

そんな、いきなり過ぎるわ!

自警団

大人しく帰りなさい。

自警団

私たち【大人】の言う事を否定してはいけませんよ。

エルニ

ッ……。

自警団

そこの女。

ジェイダ

は、はい……?

自警団

君は連行させてもらう。

ジェイダ

はぁ!?

自警団

以前から街で君の逮捕依頼が出ていてね…。

自警団

今まではプリエ・ラピュセルに引き留められていたから目を瞑っていたが……

エルニ

ジェイダが何をしたって言うのよ!?

自警団

"悪魔である可能性が高い"
それだけのことです。

ジェイダ

私は悪魔なんかじゃない!

エルニ

そうよ!
プリエ様だって証明していたもの!

自警団

黙れ。

自警団

とにかく貴様は連れて行く。

ジェイダは彼らに取り押さえられて撤退されてしまった。

ジェイダ

辞めろ!離せ!

エルニ

ジェイダ……ッ!

エルニはジェイダを助け出そうと抵抗したが、無謀だった。

彼も自警団に取り押さえられたから。 エルニは元より非力だったらから。

自警団

お前はとっとと荷物をまとめて帰るんだ。

エルニ

それからアタシは実家に帰された。

エルニ

たった半日のことだったでしょうね。

エルニ

それから数日程経った時、自警団が再びアタシのところにやってきた。

自警団

あの女は孤児院に送ることになった。

エルニ

…ってね。

エルニ

でも、嘘だったのよ。

エルニ

現にアナタはこの学園に引き取られてる。

エルニ

それに気づかずアタシはそこら中の孤児院を回っている筈もないジェイダを探してた。

エルニ

5年間もね……

行方を探しているうちに、アナタは孤児院には引き取られてなかったことが分かった。

逮捕されてから間も無く魔術騎士学園に引き取って貰っていたと。

それに気づいたのは20歳になった時だったわ。

普通ならジェイダは学園を卒業したはずだった。

なのに、一つおかしいことがあったの。

学園の卒業者の名簿にジェイダの名前がなかった。

だから、学園長に直接聞きに行った。

そしたら……

アナタは瞳孔がこれでもかってくらいに開いてて

瞳には正気が感じられなくて

まるでお人形みたいになっていた。

アフェット

悪魔祓いをしていたら壊れてしまったんだ。

アフェット

だから、こうやって私が責任を持って面倒を見ている。

エルニ

な"ッ……!!

アタシはあの男に掴み掛かった。

あの時のことはよく覚えてない。

だけど、暴力沙汰を起こして自警団に連れていかれたのは確かだったわ。

自警団

次からはこんな失態を犯すんじゃない。

エルニ

……はい。

アタシは厳重注意されて釈放された。

ジェイダのことが受け入れきれずに放心したまま家に帰った。

でも、放心してる暇なんて無かった。

家に帰ったら両親が殺されていた。

エルニ

父さん、母さん……ッ!?

信じられないことが盾続きで起こって何がなんだかわからなかった。

盗賊

お前か、殺害依頼が出ていたのは…!

エルニ

……!

盗賊らしき人間が背後に立ってた。

アタシは咄嗟に魔術を奮ってソイツを捕獲した。

エルニ

アンタの…アンタの仕業ね!?

エルニ

アタシたちが何したって言うのよ!
どうしてこんなことを…!

盗賊

知らない。

盗賊

俺はただ命令に従っただけだ。

盗賊

"プリエの弟子を殺せ"……という命令にな。

エルニ

なんですって?

盗賊

ま、あの変人魔女だ。

盗賊

誰かに矛先が向かれてたっておかしくない。

盗賊

それこそ、5年前の事件とかな。

エルニ

何を言っているの…?

エルニ

プリエ様は自殺したじゃ……

でもよく考えたらおかしいわ。

流れるように訃報が届いてアタシたちはすぐに強制退去させられた。

魔女の死を片付けるにはあまりにも事がスムーズに進みすぎていた。

何故アタシはそれに気がつかなかったの?

やり直したい。

全部全部やり直したい。

プリエ様の真相を明らかにしなきゃ

家族を救わなきゃ

ジェイダを助け出さなきゃ

でも……どうやって?

時を戻す魔法はあまりにも規模が大きくて難しいことを前提に犠牲も必要になってくる。

時を戻すには最低でも1人の命を生贄にしなきゃいけない。

エルニ

1人の命……

エルニ

……あぁ、居るじゃないの。

アタシの目の前には家族を殺した憎い男が1人いる。

時を戻すのに使われた生贄の命は最初から存在しなかったことになる。

一石二鳥ね。

〜エルニが時を戻した現在〜

エルニ

……こうしてアタシは3年過去に戻ってきたってワケ。

エルニ

おかげで前よりも身体能力は低下しちゃったし、本当はプリエ様が亡くなる2年前に戻りたかったけどね。

エルニ

ジェイダ。
アフェットはアナタにとっては命の恩人だから、アタシを疑う気持ちもわかる。

エルニ

でも、プリエ様が隠蔽されたままでいいのかしら?

エルニ

どうか、考えて頂戴。

エルニ

アナタがどうするべきなのか_

ジェイダ

エル…私は……

ジェイダ

今の話をまだ受け入れきれてない。
……けど

ジェイダ

お前の言う通り、真実を知らないまま過ごすのは嫌だ。

ジェイダ

私はお前に着いていく。

エルニ

ありがとう、賢明な判断だわ。

Eternal・Echos(エターナル・エコーズ)

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