今日は七夕祭り
綾瀬神社には立派な笹やお祭りの屋台が出ていて 子供から大人迄 沢山の人で賑わっている。
綾瀬神社の本堂を少し外れた所に在るこのトンネル。
トンネルを抜けて、木の茂った裏道を少し歩くと 其処に広がる僕達の秘密基地。
初兎ちゃん、今日こそ来てるかな
…なんて。
もう10年以上会ってないのに。
僕は秘密基地に入る。
居ないか…
h.
h.
あー… 分かってる心算なだけで 心の何処かでは初兎ちゃんが居る事を 本気で期待してたのかも、w
居る筈なんて、無いのにな…
僕は寝転がって空を見上げる。
h.
h.
視界に広がる、星屑で出来た美しい川
雲で少し隠れてしまっているが
h.
だけど
やっぱり、初兎ちゃんと一緒に見たかったな…
叶うわけの無い願いが、頭を過る。
h.
お土産だけ置いて帰るか…
そう考え、 僕は秘密基地を出た。
パサッ、
トンネルの出口辺りの分かり易い場所に花束と林檎飴を置く。
h.
僕はまた空を見る。
今年も初兎ちゃんには会えなかったけど、
せめて
h.
見ている事を信じて、僕は空に向かって言う。
h.
h.
歯が震え、言葉が詰まる。
声を発そうとしても喉から出るのは嗚咽だけ。
僕は其の儘 崩れ落ちる。
涙が、アスファルトに染みを作っていく。
h.
暗いトンネルに、僕の声が響いた。
*⋆⁺⊹ 三話に続く ⊹⁺⋆*
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