ある日少女が生まれました
その少女はすくすくと育ちました
悪い心の少ない子になるようにと
それ相応の名がつけられて 育ちました
人見知りな少女でした
泣き虫な少女でした
強がっていても 元は弱い少女でした
ある日、弟が生まれました
ある日、妹が生まれました
彼女は長女として 生きていくことになりました
両親は自分達よりも数の多い 子供の教育に大忙しでした
彼女はなるべく手のかからない
「いい子」に育ちました
手のかからない
それが当たり前となっていきました
ある日、彼女は傷つきました
体ではなく、心の方
彼女に無責任にかけられた一言が
彼女を大きく悩ませました
やがて彼女は自殺を決意しました
止められました
解決に向けての動きは 何もなかったくせに
無責任に「やめろ」と
「いい子」の彼女は従わざるを 得ませんでした
あれから二ヶ月が経過しました
九月一日
決意したあの日は自殺者が 最も多い日でした
十一月一日
彼女の学校で文化祭がありました
楽しそうな音楽部
彼女の友人は軽やかに 楽器を弾いていました
十一月二日
進学先について聞かれました
死にたい、と思っていても
それを口に出すことは できませんでした
辛い。痛い。助けて。
言えたならどれだけ 楽だったでしょうか
進学するなら さっさと今から死にたい
場所を構わずそう感じました
十一月三日
幸せであり不幸な日でした
自室では泣いたのに
好きなことをしているうちに 生きたくなるのです
こんな幸せ いつでも捨てられるのに
どうして彼女は 生きているのでしょう
今日も彼女の嫌いな朝がくる
私は今日も
死にたいを繰り返す
コメント
6件
好きです。 主さんには何年かかっても追いつけそうにありません(๑˃̵ᴗ˂̵)
時には人生にも不都合が必要だね 何の不都合もなく育つと、 自分は恵まれているのにって 思って、何かあっても自分を 責める…、語彙力皆無のコメント 失礼
自☆☆☆るのもダメだけど、死にたいを繰り返すっていうのも何か可哀想…悲しい話ですね