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一人の少女がベンチに腰かけ、ため息混じりに零した。

少女

どうして私はこんなに畏怖嫌厭されるんだろう、、

見知らぬ少女

どうしたんだい?

俯いていた少女はその声に驚き、弾かれたように顔を上げた。

すると、頭上から自分を見下ろす不思議な空気を纏う見知らぬ誰かがそこに立っていた。

少女

…あっち行って。

素っ気なく発した自分の意思とは真逆な言葉に自分自身が落胆する。

見知らぬ少女

畏怖嫌厭されてもいいじゃないか。

少女

え?

少女

(聞こえてたのか…)

自分の失態を突き付けられた少女は彼女の目を見れなくなり俯く。

見知らぬ少女

僕だってそんなもんだよ。

苦笑いするその子の声色は自分とは違い、清々しく迷いがない調子だと心の内で悟る。

少女

…どうしてそんなことが言えるの。

見知らぬ少女

だって、畏怖嫌厭されるだけで、孤独とは違うじゃないか。

当たり前の事を言われて何かに気がつく自分が確かにそこにいたと頭を殴られたような衝撃に襲われた。

見知らぬ少女

畏怖嫌厭って言葉は悪いようで新しい出会いにも導いてくれる言葉でもあるよ。人は1人じゃ生きれない。嫌われる自分にも変わり者は寄ってくることがある。その人達は意外といい人の事も多いのさ。

胸を張って言ってのけるその子が自分にはこの上なく偉大に思えた。

見知らぬ少女

だから似た者同士、友達になろうよ。

そう言って、少女は自分に向けて手を差し出した。

少女

変わり者だね。

差し出された手を取りながら立ち上がる。 その瞳には迷いが消え失せ、笑顔が垣間見えていた。

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