これがサダメだから

気が付くと、草原にいた

木も無い、ただ広い草原

奥を見ても、ずっと奥を見ても続いている世界

空は薄暗く、ほんのり星が浮かぶ

その中に、キラキラと月が輝く

それが、私ことサキの現在地

声をかけてきたのは水色の着物を着た男性

こんな場所になんで人がと思い、身を引く

振り絞るようにして声を出し、男性に話しかける

シイン…？

漢字は思い浮かばないし、やっぱｶﾀｶﾅなのかな？

心を読んだように微笑む男性

本当にこの世界はなんなのだろうか

死後の世界という言葉を聞き、言葉が上手く出ない

私はなぜ死んだのだろうか

笑いながらつぶやくが、声が聞こえない

カミサマ、どうしたんだろう？

信じ難い話

この方は神様で､チートのような能力

神様は締めに入っていた

だから、私はとめたんだ

このことが知りたくて

教室が映る

いじめを受けていた私が見えた

弁当をゴミ箱に入れられたり

雑巾を投げつけられたり

ハンカチで押さえつけられたり

女子たちが話す

ここから

窓の外に放り投げられる

それはいとも自殺を装って

口のハンカチは解け

私は死にますという紙を書かされて

私はこの世から去った

いじめで殺されるとは…

訳の分からない呪文を唱えられ、私は意識を落とした

私は神様となった

何故か…というと

１０年に一度、前世の時不幸だった人が神様になるらしい

だから私は、ここで10年間働き続ける

新たな人を、迎え入れる

これが運命だから

ここが

“死後の世界”だから