呪いの王の変わらぬ寵愛【2】

*花御と対峙する虎杖と東堂。虎杖は神楽坂、東堂は真希を抱きかかえていた。*

*パンダは真希と伏黒を抱え、神楽坂と共に森の奥深くに入って行った。*

*東堂かま見守る中。虎杖は素早い 蹴りの連続で花御の体勢を崩す。*

*虎杖が放った一撃は花御を後退させる。しかし雑念の混じったその拳は、黒く閃くことはなかった。*

*東堂は虎杖の頬に 平手打ちをした。*

「黒閃」

打撃との誤差0.000001秒以内に、呪力が衝突した隙に生じる空間の歪み…。

威力は平均で通常の2.5乗。「黒閃」を狙って出せる術師は存在しない。だが、しかし…。

「黒閃」を経験した者と、そうでない者とでは、呪力の核心との距離に天と地程の差がある。

打撃との誤差0.000001秒以内に、呪力が衝突した瞬間。空間は歪み…。

呪力は黒く光る！

*黒い稲妻のような一撃は今までとは違い、花御の腕を粉砕するの後方へと吹き飛ばす。*

*神楽坂は走る脚を止め、 森の周囲を警戒し始めた。*

*パンダは真希と伏黒を抱えながら白虎の背中に乗り、森の中へ消えて行った。*