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まーがりん
7
桜が風に舞う、春の帰り道だった。
世界から置いていかれた気がしていた。
笑い方も、泣き方も、生き方さえ忘れてしまった僕は
今日もただ足元だけを見て歩く。
舞い落ちた桜が肩に触れても、綺麗だなんて思えなかった。
アナタ
その一言に、ゆっくりと顔を上げる。
春風に揺れる桜の向こうで、あなたが笑っていた。
まるで、天使が人の姿になったみたいだった。
差し伸べられた手は、冷え切った僕の世界へ、そっと春を運んでくる。
その瞬間、止まっていた世界が息を吹き返した。
舞い散る桜がこんなにも綺麗だったなんて、今日まで知らなかった。
──ああ。
天使なんて、おとぎ話だと思っていたのに。
あの日、桜の下であなたに出会ってしまったせいで
僕はもう、信じるしかなくなった。
コメント
1件
うわあ、このエピソード、すごく静かで美しかったです。「天使なんておとぎ話だと思っていたのに」という一文が、まるで主人公の世界が反転した瞬間をぎゅっと掬い取っていて刺さりました。春の柔らかい光と、冷え切った心の対比が鮮やかで、読んでいるこちらの空気感まで変わった気がします。続きがすごく気になります。