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ガタンッ

天羅(そら)

うぇ...?

昼の放課。 決して心地よくなく夢から醒めると緑髪の男が私を見下ろしていた。

???

分かってるよな?

天羅(そら)

(うぅー.....泣)

天羅(そら)

(今日もまた....か)

私にはこの男、ゾロが何を言おうとしているのか分かった

天羅(そら)

...わかりました

ゾロ

んじゃ、楽しみにしてるぜ

この男はいつものように薄気味悪い笑みを浮かべ教室を去っていった

これは、「面倒なことになりたくないから時間を開けてから来い」という彼なりの合図なのだ。

天羅(そら)

(そろそろ行っても良いかな。)

今日の命令は「飲み物を買ってくること」

何を買えばいいのか言わないくせに、気に入らないものだともう一度買ってこいと命令される。

だが今日の命令は当たりだ。

なぜなら過去にこの命令は何度もされたことがあって、彼の好きな飲み物は分かっているから

天羅(そら)

(要するに、麦茶を買ってこればいいんだ...!)

天羅(そら)

(今日は授業に遅れなくて済みそう)

私はいつもよりは軽い足取りで自動販売機へと向かった

いつもの東校舎3階の階段横にある自動販売機で事を済まそうとしたが、私は絶句した

前まであったはずの麦茶が炭酸に変わっていたのだ

天羅(そら)

(嘘でしょ.....?!)

あの男は炭酸は嫌いだと過去に言っていたような気がする。

私は再度買い物を命令されることを恐れながら、渋々130円の水を購入した。

天羅(そら)

(水なんかじゃダメかなぁ....)

天羅(そら)

(麦茶がなくなってたって正直に言おう....)

ここは生徒会室。

そうだ。そもそもあの男、ゾロは学校1イケメンと騒がれている生徒会役員の1人なのだ。

なぜそんな高嶺の花のようなゾロが私に構うのか。それには満更でもない訳があった。

ドジな私がゾロの逆鱗に触れてしまったからだ。

そもそも、何か理由がなければ私のような平凡な女に構う男ではない

ゾロ

チッ

ゾロ

何分待たせる気だ

ゾロは大きく舌打ちをした後私を軽く睨みつけた

天羅(そら)

ごめん....

天羅(そら)

あの、ね...麦茶を買おうとしたんだけど炭酸に変わってて

天羅(そら)

仕方なく....水にしました

ゾロ

ほぅ

ゾロ

遅刻しといて言い訳か

天羅(そら)

ち、違...!

ゾロ

何も違くねーよ

ゾロ

大体お前は俺に”助けてもらってる”立場なんだからな

ゾロ

麦茶がねぇならほかの自動販売機も回ればいい話だろ

天羅(そら)

(うっ....言葉が出ない)

天羅(そら)

次からはちゃんとやるから...

ゾロ

あ?

ゾロ

そもそも次なんてねーよ

ゾロ

お前は今命令を無視したってことだからな

天羅(そら)

..............

ゾロ

ったく

ゾロ

いいから水貸せ

天羅(そら)

あっ、はい.....

シュッ

私は数メートルほど前にいたゾロに少し重たいペットボトルを投げて渡した

天羅(そら)

(許してもらえるなんて思ってなかった....)

天羅(そら)

(今日は機嫌がいいのかな?)

ゾロ

もう要は済んだ

ゾロ

さっさと戻れ

天羅(そら)

は、はいっ!

私は急いで生徒会室を飛び出した

教室に戻って自分の席に着いたが

まだ事が収まることはなかった

ゾロと同じく学校1のイケメンと騒がれているローが話しかけてきたのだ

ロー

おい

天羅(そら)

天羅(そら)

なに....?

ロー

今の今までどこへ行ってた

天羅(そら)

ジュース買いに行ってただけ....

ロー

....そうか

クラスや廊下にいた女子たちが騒ぎ始めた

無理もないだろう。平凡な女子高生とあのローが会話をしているのだ。

ロー

今日お前の家に....

天羅(そら)

!!?

バッ

私はすぐに彼の口を塞いだ

いきなり教室で物騒なことを話し始めたのだ。

ちなみに彼は物騒なことなどとは自覚していない

天羅(そら)

ちょっと来て....

できればしたくなかったが、私は彼の手を引いて誰もいない階段の隅へ隠れるように逃げ出した。

天羅(そら)

私たちが付き合ってるのは秘密って約束したよね...?

ロー

俺はしたつもりはない

天羅(そら)

もう!...困るのよ

ロー

俺は困らない

天羅(そら)

ただでさえイケメンって騒がれてるんだからね?

天羅(そら)

私なんかと付き合ってるってバレた暁には◯されるわ

ロー

それはそれで面白そうだ

天羅(そら)

まったくあんたって人は....

ロー

とりあえず俺は約束を守る義理はない

ロー

それと俺が言おうとしてたのは

ロー

今日お前の家に泊まる

天羅(そら)

え、急になに言い出すの?

天羅(そら)

無理だよ...部屋汚いし

ロー

なら俺の家へ来るか?

天羅(そら)

それはそれでやだ

天羅(そら)

あんたが何しでかすか分からないもの

ロー

まあ男の家に年頃の女が泊まりに来るってのは

ロー

そういうことだよな

天羅(そら)

...........

ロー

そういえばこの前撮ったお前の寝顔写真があったような

天羅(そら)

!!!??

天羅(そら)

ちょ、今すぐ消して!

ロー

それはできねぇな

ロー

いい脅しの材料になる

天羅(そら)

あんたまで私を脅そうっての?

ロー

ロー

あんたまで...とは何の話だ

天羅(そら)

あ、いやなんでも....ないよ!

天羅(そら)

というかもう授業始まっちゃう!

天羅(そら)

急いで戻らなきゃ...!

ロー

?あぁ...そうだな

私はローの背中を押しながら急ぎ足で教室へと向かった

ゾロ

...ククッ

ゾロ

いい話を聞いたなぁ

“学校1イケメン”ゾロとローに取り合いされたら...

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