芽衣
っ!!
芽衣
(これってすっごくまずいんじゃ!?)
和海
おっと
和海
その前に聞かせてよ
和海
和海
君はホストやってるのかな
芽衣
えっ
芽衣
ホスト?
芽衣
(…あ、確かに)
芽衣
(ベストだし後ろ髪まとめてるし)
芽衣
(そう見えなくもない、かな)
和海
格好もそうだけど
和海
さっきあの女の人が言ってた名前
和海
源氏名でしょ
シュウ
シュウ
そうだが
シュウ
何か問題でも?
芽衣
えっ!?
芽衣
(当たってた!!)
芽衣
和海さんすご…
和海
まあね
和海
んで
和海
なんでホストなんて人間の真似事してるのかな?
シュウ
俺の勝手だろう
和海
つれないなあ
和海
少しぐらいお喋りに付き合ってよ
シュウ
時間稼ぎでもしてるのか?
和海
まさか
和海
誰も助けに来ないよ
シュウ
そうか
シュウ
だとしてもお前に教える義理はないな
和海
それもそうだけどね
シュウ
ああ
シュウ
シュウ
というわけで
シュウ
芽衣を渡して貰おうか
和海
俺が渡すと思う?
シュウ
思わないな
シュウ
でも
シュウ
あまり俺を見くびるな
芽衣
(なんで)
芽衣
(あんなに余裕あるんだろ…)
和海
ははっ
和海
バレてたか
芽衣
(さっきの女の人も言うこと聞いてたし)
芽衣
芽衣
─待って
芽衣
(私あの時なんでシュウについてったの?)
芽衣
(顎掴まれて…目が合って…)
芽衣
(そこから覚えてないけど)
芽衣
(なんか言われたような…)
芽衣
芽衣
目が合った…?
芽衣
(さっきの人も私も)
芽衣
(目が合ったから…!?)
芽衣
っ和海さん!!
芽衣
目え瞑って!!
和海
?どうしたの急に──
シュウ
ほお…察しがいいな
ガシッ
和海
!?急に何して
シュウ
『動くな』
和海
っ!?
フラッ
芽衣
和海さん!!!
和海
っ…なんだこれ…
シュウ
っはあ…
シュウ
流石は吸血鬼
シュウ
意識までは…飛ばないのか
芽衣
(?シュウ苦しそ──)
グイッ
芽衣
わあっ!?
芽衣
なにっ──
チュ…クチュッ
芽衣
んむっ
芽衣
んんっ…むぅ
芽衣
(っなにされて…!!)
芽衣
んんっ…ん…っはあ
芽衣
いきなりなんで…!?
シュウ
なんでも何も無いだろう
シュウ
逃げるなと言ったはずだが
芽衣
そ、れは!
芽衣
勝手に連れてこられたら誰だって…!!
シュウ
ほお
シュウ
この状況で言い返せるとは
シュウ
肝が据わってるな
シュウ
シュウ
あの男が動けない今
シュウ
自分がどれだけ危険か解っていないな
芽衣
っ…
芽衣
(怖い…!!)
シュウ
さて
シュウ
あの男に危害を加えられたくなければ
シュウ
今度は自分の意思で付いてこい
芽衣
!!!
シュウ
間違っても逃げれると思うな
芽衣
(っ…和海さんが無事なら…)
芽衣
(…でも…)
芽衣
(この路地さえ出ればっ)
シュウ
何を考えている?
シュウ
言っておくが
シュウ
人混みに紛れようが何をしようが
シュウ
俺はお前を見つけられる
シュウ
だから諦めろ、芽衣
芽衣
…
和海
っ…芽衣ちゃん
和海
俺は大丈夫だよ…
和海
…ごめんね…
芽衣
っなんで
芽衣
なんで謝るんですか…
芽衣
来てくれたのに…
シュウ
ほら
シュウ
早く
芽衣
…分かった
和海
…芽衣ちゃん…!!
芽衣
(ごめんさい和海さん)
芽衣
(今は…こうするしかないんです)
シュウ
いい判断だ
シュウ
行くぞ
シュウ
付いてこい







