~病院 処置室前~
病院に着くと、すぐ処置室に 運び込まれるエマ
俺はその様子をただ 見ているしか出来なかった
ドラケン
(…俺がもっとしっかりしていれば…ッ)
少し時間が経った頃…
マイキーが飛び込んでくる
マイキー
ケンちん!!
マイキー
エマは!?
ドラケン
…まだだ…
マイキー
無事、なんだよな!?
ドラケン
あぁ、きっと…
ドラケン
…マイキー、すまなかった
マイキーに頭を下げる
マイキー
…ケンちんが謝ることじゃねぇよ
マイキー
悪いのは運転手だ
何も知らないマイキーの言葉が 深く胸に突き刺さる…
ドラケン
(俺が…ッ)
ドラケン
(俺が、もっと早く行動していればこんなことにはならなかったんだよ…ッ)
グッと拳を握りしめる
マイキー
ケンちん、頭上げろって
マイキー
な?
ドラケン
わりぃ…
マイキー
心配すんなって
マイキー
エマならきっと大丈夫だ
その言葉と同時に処置室の扉が開く…
医師
佐野エマさんのご家族の方ですか?
マイキー
はい、エマは!?
医師
大丈夫ですよ
医師
命に別状はありません
医師
ですが…頭に大きな衝撃が加わったことによって意識が戻るかは…
医師
…申し訳ありません
頭が真っ白になった
マイキー
……そう、ですか
マイキー
…ありがとうございました
医師
病室は、321号室になります
医師
傍に居てあげてください
マイキー
わかりました
マイキー
行くぞ、ケンちん
マイキーに声をかけられ ハッと我に返る
ドラケン
…あ、あぁ
病室に着くと、ベットには たくさんの管に繋がれ眠っている エマの姿があった…
痛々しい姿から 事故の衝撃が伝わってくる…
マイキー
…エマ…痛かったよな…
エマの手を取り、呟くマイキーの 声が…言葉が…
俺に重くのしかかる
ドラケン
……
マイキー
……
マイキー
…ケンちん、悪い
マイキー
今日は帰る
マイキー
…エマを頼んだ
去っていくマイキーに俺は 何も言えなかった
ドラケン
(俺のせいで…こんなことになっちまったんだ)
ドラケン
エマ…
ドラケン
守ってやれなくて悪かった…
ドラケン
…今日は俺も帰るわ
ドラケン
お前の兄貴も心配だしな
ドラケン
…今度こそ、俺が守るから早く覚ませよ
続く…