テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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MBTIデスゲーム

第5話 - 例えば君が傷ついて⋯

201

2024年05月11日

#MBTI

カワ

INFJ

です、が⋯⋯

INFJ

私は違いますよ。

ESTJ

貴方が犯人か犯人じゃないかは、貴方を含めた私たちが決めるのよ。

ISFJ

E、ESTJさん⋯！

ESTJ

大丈夫よ。

ESTJ

私たちは、絶対に本物の犯人を特定する。

INFJ

⋯⋯⋯⋯。

ISTP

⋯INFJ。

ISTP

お前、昨日話していたよな。

INFJ

何を、ですか？

ISTP

⋯⋯お前の、ルーティーンについてだ。

ISTJ

ルーティーン⋯？

ISTP

あぁ。

ISTP

昨日、お前は⋯、

ISTP

｢いつも早起きして、部屋を掃除している｣

ISTP

と、言っていたよな。

ENFP

⋯⋯！

INTP

へぇ。

ESTP

その部屋って、どこの部屋のことなんだよ？

INFJ

⋯⋯中央部屋、です

ENTP

それにしては、中央部屋さぁ⋯

ENTP

昨日の状態のままだったよなぁ？

ENTP

掃除されていたようには見えないよなぁ。

ESFJ

た、たまたま今日は、ってことは⋯？

ESTJ

それはどうかしら。

ESTJ

今日だけたまたま、なんてこと⋯

INFJ

⋯はい。そうですよ。

INFJ

今日、私はいつも通りに早く起きることができなかったのです。

INFJ

だから、掃除ができていなくて⋯。

INTJ

それ、嘘だろ？

INFJ

⋯⋯どういうことですか？

INTJの発言に、皆が注目する。

INTJ

今日、中央部屋に一番最初に来たのは⋯

INFJ

INTJさん、でしょう？

INTJ

いいや、違う。

INTJ

ESFPだ。

⋯⋯！！！

ENFJ

し、しかし⋯。今日ESFPを見た人は、誰もいないはずじゃ⋯

INTJ

それはそうだろうな。しかし、足跡を見れば、何があったのかは分かる。

ENFP

は？？足跡？？？？

INTJ

中央部屋は、靴による足跡が残りやすい床になっている。

INTJ

そして、その足跡は数時間経つと、乾いて消えるようになっていた。

INTJ

俺が今日、中央部屋に着いた時、2つの足跡があった。

INTJ

まず、一番薄かった足跡が、ESFP。

INTJ

そして、濃い方の足跡が⋯

INTJ

INFJ。お前だった。

INFJ

⋯⋯⋯⋯。

INFP

で、でも⋯

INFP

足跡なんて、本当に合ってるの⋯？

INFP

誰かのと間違えてたりなんかしたら⋯⋯

INTJ

いいや、間違えることは無い。

ENTJ

⋯そうね。その通りよ。

ENTJ

皆、自分の靴を見て。

ENTJ

そして、周りの靴も。

ENTJの言葉に従い、俺たちは目線を下に落とす。

⋯全員が、全員、特徴が違う靴を履いていた。

たしかに、これなら足跡を間違えることは無いだろうが⋯⋯

ISTP

INTJ⋯⋯

ISTP

お前、全員の靴と靴裏を覚えていたのか⋯？

INTJ

殺人が起こった時、証拠になると思ってな。

INTP

こわ〜。こういう奴敵に回したくないわ〜。

ISFJ

あ、あの

ISFJ

そろそろ⋯一旦、情報を整理しませんか⋯？

ISTJ

これは俺の推測だが⋯⋯

ISTJ

つまり、こういうことなんじゃないか？

ISTJ

まず、ESFPが中央部屋で、ISTPを待つ。

ISTJ

そこに、INFJが来て⋯

ISTJ

何かあったんだろうな。

ISTJ

その後、INFJはESFPの部屋に行き、そこでINFJがESFPを殺害。

ISTJ

そして、INFJは自室に戻り、皆が中央部屋に集まる頃になってから、自身も集合⋯

ENFJ

INFJ⋯

ENFJ

これは本当なのか？

INFJ

⋯⋯⋯。

INFJ

皆さん、私が犯人だと思っているんですね。

ESTP

まぁな。

ISFP

ESTP⋯⋯率直すぎるよ⋯⋯

INFJ

⋯⋯⋯ふふ

INFJ

ふふふふふふっ

ENTJ

⋯何がおかしいの？

INFJ

いいえ、ただ⋯⋯

INFJ

皆さんの賢さに感動したんです。

ESTJ

はぁ？

INFJ

⋯⋯はい。そうですよ、そうです。

INFJ

私が、ESFPさんを殺した犯人です。

ISTP

⋯⋯⋯⋯。

─私の犯行の一部始終は⋯

INFJ

⋯⋯あ、ESFPさん。

ESFP

INFJ！

INFJ

今日はESFPさんの方が早かったですか。

INFJ

それにしても、珍しいですね。

ESFP

えっへん！

ESFP

私、ISTPをここで待ち構えてるんだ！

INFJ

待ち構える⋯⋯？

ESFP

うん。そう。

INFJ

あぁ、昨日話していたことですか。

ESFP

そうそう。ISTPが忘れてたら困るし。

ESFP

あ〜、でも、もう待つの疲れちゃったなぁ。

INFJ

それなら⋯

INFJ

私がISTPさんを呼びに行ってきましょうか？

ESFP

えっ！？ほんと！？

ESFP

ありがとう超助かる！！！

INFJ

大丈夫ですよ。じゃあ、ESFPさんは部屋で待っていてください。

ESFP

うん！！

ESFP

あ、そうだ。

ESFP

ねぇ、INFJ。

INFJ

何ですか？

ESFP

⋯私さ、xxxxの思い通りにはしたくないんだ。

ESFP

私たち16人が、最後の1人になるまで、殺し合うなんて⋯

INFJ

⋯⋯⋯。

ESFP

だからさ、私たち、絶対に生き残ろうね！

ESFP

この世界で！

ESFP

だから、私はINFJのことを信用するし、協力もする！

ESFP

INFJも、私のこと信用して、協力して⋯

ESFP

裏切らないでね！

INFJ

⋯⋯⋯！

INFJ

はい。もちろん。

ESFP

うん！！じゃあね！

INFJ

⋯⋯⋯⋯。

INFJ

⋯という流れがあったのです。

ISTP

それで⋯⋯

ENFJ

なんで殺したんだ！！

ISFJ

E、ENFJさん！落ち着いて⋯

ENFJ

なんで、信用してくれた仲間を殺したんだ！！

INFJ

⋯⋯信用してくれたから、です。

ENFJ

⋯は？

INFJ

信用してくれた。裏切らないでほしい、と言ってくれました。

INFJ

だから、私はその通りにしただけです。

ISTJ

お前は何を言って⋯

INFJ

あの人は、この世界で生きようと言ったのです。

INFJ

だから、私はESFPさんを殺して

INFJ

｢皆が幸せな世界になりますように｣

INFJ

⋯⋯という、願いを叶えてもらおうと思ったのです。

INFJ

そしたら、本当に皆が、幸せなこの世界で生きるということになりますよね？

INFJ

だから、これは裏切りなどでは無いのです。

INFJ

全く、裏切りなどでは！！！

誰も口を開かなかった。

それはそうだ。

狂ってしまった人間を前に、俺たちは何を言えばいいというのだ。

INTP

⋯し、支離滅裂。

ISTP

INFJ⋯⋯⋯、もう1回聞いておく。

ISTP

お前が、犯人なんだな？

INFJ

はい。私です。

その後は、もう一瞬のコトだった。

皆が続々とタッチパネルで投票を済ませる中、INFJは終始微笑みを浮かべていた。

狂ってしまった人間。

そんな言葉が、INFJに投げかけられた。

XXXX

投票が完了いたしました。

XXXX

投票の結果⋯⋯

INFJさんを処分します。

ISTP

⋯⋯⋯⋯。

INFJ

⋯⋯⋯。

INFJ

皆さん、今までありがとうございました。

INFJ

来世でも、ご元気で。

そう言い終わった瞬間

INFJの足元にある床がスライドされるようにくり抜かれ、

INFJは、俺たちの前から消えた。

ISFJ

⋯⋯⋯っう、⋯うぅっ

INTJ

⋯⋯⋯クソ。

皆、思うことは違うだろうが

ISTP

⋯⋯⋯⋯。

"仲間を殺した"という意識だけを

共通的に認知していた。

ISTP

⋯⋯⋯⋯。

俺たちは、気づいた時には中央部屋に集まっていた。

あの密室は、どこなんだろうか。

⋯⋯いや、そんなことはどうでもいい。

XXXX

皆さん、おめでとうございます。

XXXX

見事、ESFPさんを殺した犯人を処分することができました。

ISFP

⋯⋯⋯。

誰も、以降口を開くことは無かった。

そうして、各々自室へと帰って行った。

ISTP

⋯⋯⋯。

ISTP

（俺には、しなければならないことがある。）

ISTP

ここが⋯⋯

ESFPの部屋だ。

死体は⋯⋯

ISTP

ない、か。

その場には、何も無かった。

死体も、血も⋯

ISTP

何か伝言とか、残ってるかと思ったのだが⋯⋯

ISTP

ない、か。

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