綺麗

○月✕日

今日は我々国にきて1日目。 みんな優しくすぐに馴染めそうだ。 書斎で見たこの世の人とは思えないほど綺麗なあの人は エーミール というらしい。

綺麗だとは思ったけど、俺はあのなんでも見透かしてるような目が嫌いや。 まぁ、あんま関わることもないやろうし大丈夫やろ。

○月✕日

泣いていた。 あの人が泣いていた。 なんでやろ、すごく綺麗やと思った。 別に泣き顔が好きな訳じゃないのに、 あの人の泣き顔だけは 特別綺麗に見えた。

でも、

もう見たくない。

×月×日

あの人はいつも1人で泣いている。 そんなに悲しいなら誰かに相談でもすればいいのに、 あーイライラする。 見たくない、あんな顔。

×月××日

あの人を笑顔にさせたいと思った。 だから話しかけた、ゲームもした、 だけどあの人はなんだか…

×月××日 昼

笑うな。 そんな嘘で塗りたくった笑顔が 見たい訳やない。

いきなり突き放された。

ゲームやってる時は違和感なんかなかったのに。

終わったあとのあの笑顔が、 あの喋り方が、 全部

違う人みたいに見えてしまう。