白紙の手帳

ある日、一通の連絡が来た。

グループトークにて

嘘だ！！

現実

そこは一筋の光も届かず、時の刻みから外れた空間 そしてそこには、埃まみれの鞄やしわくちゃの服、ボロボロの雑誌などが散乱していた・・・

時を失った空間・・・

あの日から、私も私の周りも 皆止まったまま・・・

私は長年使わず衰えきった足をどうにか動かしトイレに向かう すると不意に意味もなく、私は机を見た。そこには、見覚えのある兎のぬいぐるみ。 そして、

小さな手帳が置かれていた・・・

その時、私の足は自然と机のある方向に向きを変え、歩き始めた・・・ そして私はただ意味もなくその手帳を手に取り開いた・・・

私は、その手帳を開き白紙の紙を一枚一枚めくっていく・・・

すると、一文だけ書かれたある紙にたどり着いた・・・

そこには 「ありがとう」 と紙の真ん中に見覚えのある字で書かれていた・・・

その瞬間私の頭には、あの頃・・・彼との思い出が湧き上がってきた。 そして私は次の紙をめくった。 すると、そこには多くの文字が列になって書かれていた、

私はその場で、泣き崩れた。そして私の頭には拓海と言う少年との思い出が止めどなく湧き上がり、やがてそれは溢れ、私の頬を伝っていく

そこは一筋の光も届かず時の刻みから外れた空間 時を失った空間

しかしその日は、珍しくも一筋の光が彼女の額を照らした・・・