テラーノベル
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鳥居の向こうで、誰かが泣く
夜は、いつも通り静かだった。
風はなく、木々は息を潜め、 星だけが淡く瞬いている。
だけどその夜
境界はわずかに軋んでいた
誰にも見えないほどの
それでいて、確かに揺れと呼べる程の違和感
結影は影の中でそれを捉える
結影
事実だけを告げる声は低く、静かだった
結影
その問いの中心にいる名を、 彼は口にしない
言わずとも、みんなが知っていたから。
叶夜は夜空を見上げていた。
鳥居の内側。
生まれてからずっとそこにいる場所
星は変わらない。
夜も、嫌いじゃない。
__
けれど
その夜だけ
鳥居の向こうがやけに近く見えた
音はしない
声も呼び声もしない
それなのに、
足先が、ほんの少しだけ前に出ようとする
叶夜
自分でも気づかないほど小さな声
叶夜
答えはいつもと同じだった。
けれど帰ってきた声は、 その夜、ひどく近かった
夜刀
低く迷いのない声
夜刀
夜刀
夜刀の声だった。
私ははっと息を飲む。
疑問。
そうだ。
妖に攫われるのが怖いのではない。
外が恐ろしいわけでもない
ただ
何故出ては行けないのか
それを
誰も教えてくれないったことが
少しだけ怖かった。
美琴
振り向くと美琴が立っていた
美琴
責める声ではない。
けれど鋭さは隠せていなかった
叶夜
私はいつものように謝ってしまう
叶夜
言葉を探すように夜空を見る
叶夜
美琴の息が、止まった
美琴
即座に返す声は少しだけ強い。
美琴
叶夜
叶夜
私は首を振る。
叶夜
叶夜
その一言は夜の静けさに 深く沈んだ。
美琴
美琴の声が震える。
美琴
美琴
叶夜は困ったように笑った。
叶夜
叶夜
その言葉に美琴は何も言えなくなる。
守っていると思った。
美琴
境界の向こう
霞は空を見上げていた。
霞
灰緑が楽しそうに言う
灰縁
灰縁
ミカは静かに首を横に振った
ミカ
ミカ
その声は柔らかく、けれど逃げ道はない
守り神達は言葉少なに集まっていた
鈴白
鈴白の問いはあまりにも真っ直ぐだった
誰も答えない
沈黙の中で夜刀が口を開く。
夜刀
短く、重い言葉
夜刀
夜刀
夜。
叶夜は再び鳥居の前に立つ
足はまだ内側
叶夜
叶夜
誰に言うでもなく、そう呟く
叶夜
叶夜
叶夜
鳥居の外で、誰かが静かに笑った気配がした
夜は何も聞こえない。
けれど静かに、境内は揺れていた。
コメント
7件
妖の人達の意味深な感じも、巫女ちゃん達の迷いもほんと見ててハラハラする…🫶🏻💖 イラスト待ってます!おめでとう!!🎀🤍

おもろすぎて目飛んだ記念イラスト待っとるぜぃ☆
みなさんのおかげで累計いいね数が10000突破しました ~ !! ありがとうございますっ!🥹🙏🏻💖 いいね10000いったので記念イラスト書きます ~ !!✨️まっててください!