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上手くいく方が可笑しい。Ⅰ

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上手くいく方が可笑しい。Ⅰ

1 - 上手くいく方が可笑しい。Ⅰ

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2018年11月25日

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おい兄貴

今日もまた出歩いてんのかよ

いい加減にしろよ

御前に関係無いだろ。

不在着信

不在着信

拒否までしやがってこのクソ兄貴

俺には二つ上の兄がいる。

兄は22歳、看護学部に通う大学四年生だ。

訳あって兄弟で暮らしているのだが

生憎兄弟の仲は、良くない。

酒に煙草、まともに家にも帰らない、

有り得ねぇ

もう少し、俺の事考えてくれたっていいじゃんか。

あろう事か俺は

その不仲である兄に対して

抱いてはならない感情を持っていた。

飲んだ缶も置きっぱなし、煙草の吸殻もそのまま…。

ったく、俺は家政婦じゃないっつの……

ただいま

…おかえり。

っわ、酒臭…どんだけ飲んできたんだよ、

…何か文句でもあんのか

一人で生きていけない御前の為に

わざわざ俺が一緒に住んでやってんのに

可愛くねー奴。

…………、

こうなると、もう何も言えないのは長い間共に過ごしてきたから分かる。

沈黙と、互いの視線が一瞬だけ絡んで

そして再び言葉を交わす事はなく、互いに部屋に戻る。

……何でこんな奴、好きになったんだ、

相手は兄で

男で

最低なクズの癖に

……報われない思いなんて

さっさと消しちまいたいのに…

兄のお陰で今生きていられるというのもある。

俺も学生の身である為、バイトだけでは学費もままならない

兄はそこを上手くやり繰りしているようで、俺はそこに滑り込んだ

確かに、

住ませて貰ってるのは俺の方だし

……嫌いな弟に、一々言われる筋合いも、無いよな……。

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